大手IT企業の社長と間違われて誘拐された研究員が、誘拐犯と駆け引きするうちに、横領疑惑を押し付けられ妻からも裏切られというストーリーの中年サラリーマンの悲哀を感じさせる企業ものミステリー。
主人公の研究員が、頭が切れるが地味できまじめなところが、好感を持たせるとともに読者にフラストレーションを残しもします。妻に裏切られ、犯人の女性と気持ちを通じ合わせれば、まあ普通は関係を持つという展開が予想/期待されるのですが。
ミステリーとしての犯人は、まぁおおかた予測されるところで謎解きの楽しみはほとんどないですが、忠実な従業員だった主人公が会社と闘うために変貌していく様子や会社側との駆け引きが読ませどころでしょう。

高嶋哲夫 文藝春秋 2008年5月15日発行
主人公の研究員が、頭が切れるが地味できまじめなところが、好感を持たせるとともに読者にフラストレーションを残しもします。妻に裏切られ、犯人の女性と気持ちを通じ合わせれば、まあ普通は関係を持つという展開が予想/期待されるのですが。
ミステリーとしての犯人は、まぁおおかた予測されるところで謎解きの楽しみはほとんどないですが、忠実な従業員だった主人公が会社と闘うために変貌していく様子や会社側との駆け引きが読ませどころでしょう。

高嶋哲夫 文藝春秋 2008年5月15日発行