伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

ファイアー・フライ

2008-08-03 12:49:16 | 小説
 大手IT企業の社長と間違われて誘拐された研究員が、誘拐犯と駆け引きするうちに、横領疑惑を押し付けられ妻からも裏切られというストーリーの中年サラリーマンの悲哀を感じさせる企業ものミステリー。
 主人公の研究員が、頭が切れるが地味できまじめなところが、好感を持たせるとともに読者にフラストレーションを残しもします。妻に裏切られ、犯人の女性と気持ちを通じ合わせれば、まあ普通は関係を持つという展開が予想/期待されるのですが。
 ミステリーとしての犯人は、まぁおおかた予測されるところで謎解きの楽しみはほとんどないですが、忠実な従業員だった主人公が会社と闘うために変貌していく様子や会社側との駆け引きが読ませどころでしょう。


高嶋哲夫 文藝春秋 2008年5月15日発行
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ブラックホールを見る!

2008-08-03 01:05:28 | 自然科学・工学系
 大質量のためそこから光も脱出できない天体ブラックホールについて最近の研究成果を解説した本。
 ブラックホールが論じられ始めた頃は、大質量のイメージから中に入れば当然に圧死するというイメージでしたが、大規模なものだと境界での重力は大きくなく、むしろ気がつかないうちにブラックホールに取り込まれて出られなくなる可能性があるという(44頁)のは、それはそれで怖い。それくらいの規模のブラックホールってそれ自体が1つの宇宙/銀河みたいですね。
 最近の議論ではブラックホールからのジェット放出が言われ、この本でも論じていますが、ずっと不思議に思っていたなぜブラックホールからジェットが放出されるのか(され得るのか)は、その点についていくつか仮説はあるけど結局はまだよくわからないそうです(74~82頁)。そこを知りたくて読んでるんですが・・・


嶺重慎 岩波科学ライブラリー 2008年5月8日発行
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