嘘つきで甲斐性なしで借金まみれの父親を置いて夜逃げした母に連れられて大阪から横浜の教会に転がり込んだ小学4年生のあつ子を中心に、母子3人のドタバタを描いたコメディ。
借金をしてそれをひた隠しにし、ばれても一部しか言わずどんどんと状況を悪化させていくだけの父親。弁護士やってると、時々会いますね、こういう人。ヤミ金に借りまくってやってきて弁護士にも全部は話さず弁護士が整理する一方でまた他から借りて台無しにしながら後でまた泣きついてくる人とか、こういうタイプ。
こういうどうしようもない父親から離れてたくましく暮らすあつ子と兄のマルモ。兄の方はまじめながんばりやで、タイトルになっているにもかかわらずただの脇役です。子どもながらに度胸が据わってしたたかなあつ子と、元々はお嬢さんで男を見る眼がない(だからどうしようもなくダメな父親と周囲の反対を押し切って「大恋愛」で駆け落ち同然に一緒になった)が開き直って強くなる母桜子が中心人物となり、この2人の視点からストーリーが進行します。
教会の「こひつじハウス」の経営者がけっこうがめつかったり、「こひつじハウス」の住人たちももちろん怪しげな人物ばかりで、そういう人物造形も味があります。
舞台は横浜なんですが、どうも「じゃりン子チエ」の雰囲気ですね。

篠崎絵理子 メディアファクトリー 2008年6月6日
借金をしてそれをひた隠しにし、ばれても一部しか言わずどんどんと状況を悪化させていくだけの父親。弁護士やってると、時々会いますね、こういう人。ヤミ金に借りまくってやってきて弁護士にも全部は話さず弁護士が整理する一方でまた他から借りて台無しにしながら後でまた泣きついてくる人とか、こういうタイプ。
こういうどうしようもない父親から離れてたくましく暮らすあつ子と兄のマルモ。兄の方はまじめながんばりやで、タイトルになっているにもかかわらずただの脇役です。子どもながらに度胸が据わってしたたかなあつ子と、元々はお嬢さんで男を見る眼がない(だからどうしようもなくダメな父親と周囲の反対を押し切って「大恋愛」で駆け落ち同然に一緒になった)が開き直って強くなる母桜子が中心人物となり、この2人の視点からストーリーが進行します。
教会の「こひつじハウス」の経営者がけっこうがめつかったり、「こひつじハウス」の住人たちももちろん怪しげな人物ばかりで、そういう人物造形も味があります。
舞台は横浜なんですが、どうも「じゃりン子チエ」の雰囲気ですね。

篠崎絵理子 メディアファクトリー 2008年6月6日