伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

ウェブを炎上させるイタい人たち

2010-03-17 22:01:10 | 実用書・ビジネス書
 インターネットでの自己発信を勧め賞賛する意見に対して、ウェブはバカと暇人のもの、ネットから素晴らしいことが生まれることは滅多にないとして、ネットに使ってきた時間は無駄だったと結論づける本。
 ウェブで仕事をしてきた著者がこう断言しちゃうのって、すごくて虚しい。
 はじめにで、私は世代論が嫌いだといいながら(21ページ)、インターネットはオッサン世代が不遇なロスジェネ世代に与えた究極のガス抜きツール(220ページ)、ロスジェネ世代がネットにハマってリアル世界でのスキルを獲得しないでいるうちに就職状況の良い時代に職を得た若者がより多種多様な仕事経験をして優秀なビジネスマンになっていく、こうしてロスジェネ世代は完全にオッサンに負けたっていうのも、哀しい。
 最後には、ネットにはまってもロクなことにはならない(244ページ)にとどまらず、インターネットよりも女のオッパイの方がすごいんだ(237ページ)って・・・。
 インターネットは便利なツールで、よく使うも悪用するも上手く使うも時間を浪費するも、それは利用者次第。ただの悪口ばかりのサイトや他人の仕事を利用して広告ばかり貼り付けてるサイトが多いのも事実ですが、素晴らしいコンテンツや献身的な仕事に会えることがあるのも事実。ネットで何でもできるかのように言うのも何ですが、ここまで全否定するのもどうかなと思います。
 サブタイトルの「面妖なネット原理主義者の『いなし方』」も、それらしいところは、自分が悪いと判断したら素直に謝る、悪くない場合バカの意見は無視する、反論する、きちんと謝ったのにごねるときは「いい加減にしろ」で終わりにする(134ページ)くらいで、あまり書かれていません。ネットで叩かれる13項目というのも書かれている(162~167ページ)けど、意見として発言しようとしたら普通どれかに引っかかるよねって思いますし。まぁ著者は最後には「なにも発信しなければ『炎上』なんて起きない」(247ページ)と言っちゃうわけですが。


中川淳一郎 宝島社新書 2010年2月24日発行
コメント
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