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伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

ラプソディ・イン・ラブ

2011-06-20 08:44:27 | 小説
 多数の女性と浮き名を流し続けた往年の名優と元妻の元名女優とその息子の売れっ子俳優、後妻の息子の新進俳優とその婚約者の女優が、1つの家で家族として過去を振り返りながら日常を過ごすという内容の映画を撮影するという設定の家族ドラマ。
 現実の家族が現実の過去のエピソードを振り返りながら、同時にそれが演技でもあるという構造が少しややこしいですが、それを5人の視点から代わる代わる語ることで、各人の思いと事実を膨らませています。
 俳優家族ということで、ドラマティックなエピソードも飛び交いますが、同時に何気ない普通の家族間でもありそうな部分も多くあり、そちらの方がかえって読ませるかもしれません。全員が俳優だという設定のために、それぞれが他の4人の発言を演技として評価する部分が挟まれることで、家族生活での発言や態度が他者からどう評価されるかという意識が入るのが、ちょっと新しい感覚で、自分の日常での態度を振り返ると、少し緊張感を持てたりしそうです。


小路幸也 PHP研究所 2010年11月4日発行
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自鳴琴

2011-06-20 00:09:51 | 小説
 11日の金曜日の放課後に音楽室でオルゴールの音を聞いた女子生徒が消えるという怪談が伝わる初森中学校で、その通りの失踪事件が起き、初森中学で秘密裏にオカルト研究部を結成している主人公不入斗ら4人の男女生徒が、その怪談の元になった32年前の女生徒の自殺と30年前の失踪事件の真相を調査するうちに失踪事件の謎に近づいていくという学園ミステリー小説。
 昔の事件の真相調査の方に焦点があり、そちらは一応の解決を見ていますが、不入斗が夜の学校で出くわした「幽霊」の件は結局謎解きがなされずに終わっていたりするのはミステリーとしては消化不良感があります。
 学園もの、友情・家族ものとしては、軽いタッチで読めますので、そういう位置づけで読んだ方がいいかも。


池田美代子 光文社 2011年3月25日発行
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