伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。今年も目標達成!

からだ上手 こころ上手

2011-06-28 19:37:09 | 実用書・ビジネス書
 コミュニケーション能力を高めるために心と体を整えることが大事ということを論じた本。
 心と体は切り離せず、心の危機を回避するためには、落ち込んだときは体を動かす、食う・寝る・休むが大事、悩み事は書き出して「考えても仕方がない」こと「やっても意味がない」ことを割り切っていく、もっとたいへんな人がいることを考えるというような具体的な対処が、例えば脳の短期記憶のメモリー容量は決まっているので新しい情報を入れていけばいやなことは忘れてしまう(22ページ)とかの説明を交えて書かれているので何となく納得しやすい。あれもこれもと持って行かずに鞄の中身を減らすことでやるべきことをはっきりさせて集中する(48~50ページ)とかも耳が痛いけどごもっとも。人間の才能は遺伝子のスイッチがオンになることで開花するが、そのためには飢餓状態にするか、遺伝子がオンになっている人の近くにいることで細胞のミラーニューロンが反応する、朱に交われば赤くなるというのは立派な科学的根拠があった(55~56ページ)とまで言われると、おいおい本当かよと思いますが。
 コミュニケーションは体が開いていることが必要で、体の構えを察することが必要、そういう体の反応(一種のボディランゲージ)に目配りできる人がコミュニケーション上手で、そのために相手と視線を合わせ、相手のテンポに合わせること、場を温めるためにリアクションをし、テンションを上げていくことが必要と説いています。
 心の危機に陥ったときの対処から入っていますが、基本的にポジティブシンキングの本ですから、明るい気持ちでふんふんと読むのがよさそうです。


齋藤孝 ちくまプリマー新書 2011年2月10日発行
コメント
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