家事能力ほとんどなしの25歳独身OL河野さやかが飲み会の帰り自宅前で行き倒れていた同年配イケメン男イツキから「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか」と言われて、酔った勢いもあり部屋に上げて、作った朝ご飯がおいしかったこともありそのまま共同生活をするという展開で、次第に思いを寄せるさやかにイツキは家事を担当し周囲の河原や道ばたや山で採ってきた野草で食事を作りさやかの弁当まで作りその後夜勤のバイトで収入を得るようになるがさやかに迫ることもなくというラブコメの体裁を取りつつ、結果的には著者があとがきで「個人的に過去最強に恥ずかしかった」(408ページ)というほど甘ったるい/妄想的ともいえるラブコメになってはいるのですが、実質的には野草グルメ自慢短編連作というべき小説。
話の内容は、むしろ「美味しんぼ」のような趣がありますので、いっそのことイツキを若いイケメン青年ではなく山岡ふうのさえない風貌のおじさんにしてくれた方が、おじさん読者には快適ですが、やっぱり「イケメンに限る」なんでしょうね。それも、イツキの正体をふつうに行き倒れていたごくふつうの経歴の青年にとどめられずに、ああいった後半の展開をせざるを得ないところに若い女性読者の欲望/願望/妄想ニーズがある(と作者が考える)というのが、なんだかなぁ。
映画化され、公開初週末は「ズートピア」を蹴落として興行成績(動員数)1位(興行収入は「デッドプール」の方が上)と健闘していますが、映画は見ずに終わりそうだなぁ
有川浩 幻冬舎文庫 2013年1月10日発行(単行本は2009年6月)
話の内容は、むしろ「美味しんぼ」のような趣がありますので、いっそのことイツキを若いイケメン青年ではなく山岡ふうのさえない風貌のおじさんにしてくれた方が、おじさん読者には快適ですが、やっぱり「イケメンに限る」なんでしょうね。それも、イツキの正体をふつうに行き倒れていたごくふつうの経歴の青年にとどめられずに、ああいった後半の展開をせざるを得ないところに若い女性読者の欲望/願望/妄想ニーズがある(と作者が考える)というのが、なんだかなぁ。
映画化され、公開初週末は「ズートピア」を蹴落として興行成績(動員数)1位(興行収入は「デッドプール」の方が上)と健闘していますが、映画は見ずに終わりそうだなぁ
有川浩 幻冬舎文庫 2013年1月10日発行(単行本は2009年6月)