伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

図解&事例で学ぶ 会議・打ち合わせの教科書

2016-06-18 21:55:17 | 実用書・ビジネス書
 「有名企業に所属するビジネスパーソンや他ジャンルで活躍する経験豊富なフリーランサーによって立ち上げられた私的な研究会」と紹介されている「会議・打ち合わせ研究会」なるグループが、会議を改善するためのノウハウを書いたという本。
 司会/ファシリテーターとしての進行とか、板書の利用なんかは、テクニックとして頷ける部分はありますし、発案者=担当者にしない(110ページ)なども大事なことだと思います。
 しかし、例えば、参加者のテンションを上げるための用意として、一番簡単なのはおやつやドリンクを用意することです(56ページ)とされていますが、テクニックとしてそういえばそうなんだけど、それは参加者が喜ぶことにはつながってもだから会議の質が上がるとか充実した議論ができるということでもないと思います。他の部分を見ても、時間厳守に重点が置かれた感じが強く、会議の議論そのものの充実よりは、官僚的な予定通りの進行と、あえて言えば、参加者の心情としての充実感を目指す感じが強いように思えます。そういうどこか会議を無難にスムーズにあまり角が立たずに収める、時間通り進行予定通りに収めるということを主要な目的とした記述が中心のように思えました。
 タイトルの「図解&事例で学ぶ」は、シリーズタイトルのようで、この本では、図解はあっても「事例で学ぶ」という印象はありません。また「教科書」ということですが、書かれていることに会議の準備を担当する事務方の新入社員向けと思える記述が多いことを意味していると読めばいいでしょうか。経験豊富な方々の著書というには、「奥義」や「匠の技」は見えず、小ネタの羅列感が払拭できませんでした。


会議・打ち合わせ研究会 マイナビ出版 2016年5月31日発行
コメント
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