ロサンゼルスで生まれ育った17歳の高校生で黒人のアシュリーは、幼なじみの白人の同級生ヘザー、キンバリー、コートニーらと遊び暮らしていたが、無抵抗の黒人青年ロドニー・キングを警官が4人がかりで半殺しにした事件とその警官らに無罪判決が言い渡されたことから街では暴動が発生し、家族や知人らが巻き込まれて行く中で考え交友関係にも変化が生じていくという小説。
正義感が強く「共産主義者」と自己規定する姉のジョーに対し、アシュリーは黒人に対する差別や迫害を知りつつそこにあまり目を向けようとせず、同級生の貧しいスポーツ奨学生の黒人ラショーンがエアジョーダンを履いているのを見て「ラショーンの靴って、なんか、貧乏なはずなの人にしてはずいぶんと高級だよね」と口走り、暴動で略奪してきたかのような噂を立ててしまうという意識の低い軽率な人物と設定されています。
そういったふつうの、どちらかといえば恵まれ、白人との交友を求めてきた者の目から黒人が置かれている事情を見て考えさせるという趣向で、黒人でない人種差別に問題意識をあまり持たない層に読ませ考えさせようとしているのでしょうね。
原題:THE BLACK KIDS
クリスティーナ・ハモンズ・リード 訳:原島文世
晶文社 2023年8月25日発行(原書は2020年)
正義感が強く「共産主義者」と自己規定する姉のジョーに対し、アシュリーは黒人に対する差別や迫害を知りつつそこにあまり目を向けようとせず、同級生の貧しいスポーツ奨学生の黒人ラショーンがエアジョーダンを履いているのを見て「ラショーンの靴って、なんか、貧乏なはずなの人にしてはずいぶんと高級だよね」と口走り、暴動で略奪してきたかのような噂を立ててしまうという意識の低い軽率な人物と設定されています。
そういったふつうの、どちらかといえば恵まれ、白人との交友を求めてきた者の目から黒人が置かれている事情を見て考えさせるという趣向で、黒人でない人種差別に問題意識をあまり持たない層に読ませ考えさせようとしているのでしょうね。
原題:THE BLACK KIDS
クリスティーナ・ハモンズ・リード 訳:原島文世
晶文社 2023年8月25日発行(原書は2020年)