西洋絵画の油彩画(一部石版画を含む)の名作を、モネ、ルノワール、セザンヌ、ファン・ゴッホ、スーラ、ロートレック、ルソー、ムンク、マティス、ピカソ、シャガール、カンディンスキー、モンドリアンの14人の画家について1点+αを選んで解説した本。「名画を見る眼Ⅰ」の続編。
「Ⅰ」と同様昔(こちらは1971年)に書かれたものに図版をカラー化し、関連作品も掲載して、若干の加筆をしたというものなので、今の流行からすると選ばれるべき画家が選択されていないという印象が、「Ⅰ」にも増して、します。ダリにまったく言及がないのは、現在はダリがそれほど好まれていない感があるのでともかく、アルフォンス・ミュシャやクリムトに一言も触れていないのは、現在の絵画ファンにとっては信じられないことではないでしょうか(油彩にこだわるならミュシャを外すのは当然ですが、ロートレックの石版画のポスターを選択するなら、今の感覚ではむしろミュシャを紹介するでしょう)。
解説には著者の絵画愛が感じられます。例えば、私の目にはさほど魅力を感じない「温室の中のセザンヌ夫人」(34ページ)を、これほどまでに賛美できることには感心しました。
高階秀爾 岩波新書 2023年6月20日発行(初版は1971年5月20日発行)
「Ⅰ」と同様昔(こちらは1971年)に書かれたものに図版をカラー化し、関連作品も掲載して、若干の加筆をしたというものなので、今の流行からすると選ばれるべき画家が選択されていないという印象が、「Ⅰ」にも増して、します。ダリにまったく言及がないのは、現在はダリがそれほど好まれていない感があるのでともかく、アルフォンス・ミュシャやクリムトに一言も触れていないのは、現在の絵画ファンにとっては信じられないことではないでしょうか(油彩にこだわるならミュシャを外すのは当然ですが、ロートレックの石版画のポスターを選択するなら、今の感覚ではむしろミュシャを紹介するでしょう)。
解説には著者の絵画愛が感じられます。例えば、私の目にはさほど魅力を感じない「温室の中のセザンヌ夫人」(34ページ)を、これほどまでに賛美できることには感心しました。
高階秀爾 岩波新書 2023年6月20日発行(初版は1971年5月20日発行)
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