サルトル、ボーヴォワール、カミュ、メルロ=ポンティ、バタイユの5名のフランスの哲学者の思想と作品、その間での論争を紹介した本。
私が学生の頃、リアルタイムで流行していた「フランス現代思想」=構造主義・ポスト構造主義以前のプレ構造主義ともいうべきこれらの人々は、ある意味で既に過去の人となっていて、断片的にごく一部の作品を読んだだけでいたので、主著や思想のエッセンスを改めて読んで勉強になりました。
サルトルが実存主義の主張を固めたのがドイツ占領下のフランス(サルトルも徴兵されドイツ軍の捕虜となった)であったことを知ると、人間とは何か等の「本質」以前に人間は実存しており、なるべき自分を自由に選択し未来に向けて自分を投げ出せる(投企)しそうしなければならないという、ある種楽観的で前向きなテーゼが生まれ人々の支持を受けたことをなるほどと思えました。
1歳の時に父親を亡くすという不幸はあったものの裕福な祖父母の元で育ったサルトルが共産主義に親和的な姿勢を取り、労働者階級のつましい家庭で育ったカミュが共産主義を全体主義として否定的な態度を取ったというのも、ありがちではありますが、興味深いところです。
伊藤直 中公新書 2024年4月25日発行
私が学生の頃、リアルタイムで流行していた「フランス現代思想」=構造主義・ポスト構造主義以前のプレ構造主義ともいうべきこれらの人々は、ある意味で既に過去の人となっていて、断片的にごく一部の作品を読んだだけでいたので、主著や思想のエッセンスを改めて読んで勉強になりました。
サルトルが実存主義の主張を固めたのがドイツ占領下のフランス(サルトルも徴兵されドイツ軍の捕虜となった)であったことを知ると、人間とは何か等の「本質」以前に人間は実存しており、なるべき自分を自由に選択し未来に向けて自分を投げ出せる(投企)しそうしなければならないという、ある種楽観的で前向きなテーゼが生まれ人々の支持を受けたことをなるほどと思えました。
1歳の時に父親を亡くすという不幸はあったものの裕福な祖父母の元で育ったサルトルが共産主義に親和的な姿勢を取り、労働者階級のつましい家庭で育ったカミュが共産主義を全体主義として否定的な態度を取ったというのも、ありがちではありますが、興味深いところです。
伊藤直 中公新書 2024年4月25日発行
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