伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

JR旅客営業制度のQ&A 第3版

2024-11-07 23:33:06 | 実用書・ビジネス書
 JRの乗車券の取扱、運賃計算、乗車変更、払戻等の実務と規則類上の根拠等について解説した本。
 JRトリビアとして、マニアックな「鉄ちゃん」がQにチャレンジするという用途もあるかも知れませんが、Qがいきなり「旅客規則第何条第何項の具体例は?」というものも見られ、基本的には社内研修用の本と思われます。
 部外者として読むと、運賃計算を始めとして極めて複雑なほとんど理解できないルールが、主として沿革上の理由とJR側の都合で積み上げられ、それが今から変えるとシステム変更等がたいへんなどの事情で運用され続けているのだと理解されます。
 説明対象の事項の選択の面でも、例えば、私がその合理性にずっと疑問を持っている東京等の大都市からの長距離乗車券が(着駅側でなく)発駅側で特定都区市内で途中下車した場合にも無効とされる(利用者側から見たら、ちょっと酷いんじゃない?って思うでしょ)ことについて、その理由を説明するページがなく、例えば神田駅から「東京(都区内)-新青森」の乗車券で入場した後、急用で東京駅でいったん出場せざるを得なくなったときにどうすればいいか/どうなるか(駅員に申告して神田-東京間の運賃を支払えば無効にせずに生かして使える:旅客営業規則第166条)の説明もないのはたいへん残念です(途中下車に関するQは8つもあるのに)。もっぱらJR職員の観点から書いているのでしょうけれども、駅員は乗客から聞かれたときに答える必要があるわけで、そういった利用者側の関心が強いことが書かれていないと困るんじゃないかと思うのですが。


小布施由武 自由国民社 2024年8月19日発行(初版は2015年3月27日発行)

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