横須賀の高校に通う高2の安藤花耶が恋人になった膝を痛めたバスケットボール選手市村征一から16歳の誕生日プレゼントにもらったイミテーションダイヤの指輪が、「運命の人」を結ぶ赤い糸が見える指輪になり、横須賀の海辺の公園で高校生加藤雅に拾われ、小田原の定食屋「くま屋」の経営者熊谷繁子を経て、両親の離婚に伴い小田原から仙台に引っ越した中3の佐伯かんなの手に渡り、どういうわけだか飯田橋駅付近の予備校の教室で29歳の事務職員中谷由希子に拾われ、どういう事情でか東京の井原山食品の営業社員湯川肇の手に渡って湯川の転勤先の神戸で知り合った柳未音に渡され、柳未音の母柳未来世の入所していた茨城の介護施設で入所者の孫の高校生楽野李花に拾われて、第2志望の横須賀の福祉大学に入学した楽野李花が横須賀に…という経緯で、その指輪を手にした者たちの「運命の人」との出会いを綴った短編連作。
最初の話からさまざまな地域と性格の人を経て最後に横須賀に戻して帳尻を合わせていますが、指輪で全体を結ぶというコンセプトにしては、途中で指輪の引継の設定がいい加減になっているのが雑な印象を与えます(仙台から東京に移動した経緯がなくて、湯川が入手した事情はまったく触れられもしていませんし)。
もし指輪の力で小指を結ぶ赤い糸が見えたとして、それが運命の人だと考えて結ばれよう、一緒になろうと思うものでしょうか。それじゃあまるで統一教会の合同結婚式みたいなものじゃないか、と思ってしまう私はひねくれ者でしょうか。
「ずんだシェイクの味に感動した」「ここの味を知れただけでも仙台に引っ越して来た甲斐がある」(113ページ)という作者の猛烈なお薦めに、今度仙台に行ったら飲んでみようと決意してしまいました。ヨレヨレスーツの国語教師も一度飲んだらハマっちゃった(118ページ)のだそうですし。
宇山佳佑 集英社 2023年3月30日発行
「小説すばる」連載
最初の話からさまざまな地域と性格の人を経て最後に横須賀に戻して帳尻を合わせていますが、指輪で全体を結ぶというコンセプトにしては、途中で指輪の引継の設定がいい加減になっているのが雑な印象を与えます(仙台から東京に移動した経緯がなくて、湯川が入手した事情はまったく触れられもしていませんし)。
もし指輪の力で小指を結ぶ赤い糸が見えたとして、それが運命の人だと考えて結ばれよう、一緒になろうと思うものでしょうか。それじゃあまるで統一教会の合同結婚式みたいなものじゃないか、と思ってしまう私はひねくれ者でしょうか。
「ずんだシェイクの味に感動した」「ここの味を知れただけでも仙台に引っ越して来た甲斐がある」(113ページ)という作者の猛烈なお薦めに、今度仙台に行ったら飲んでみようと決意してしまいました。ヨレヨレスーツの国語教師も一度飲んだらハマっちゃった(118ページ)のだそうですし。
宇山佳佑 集英社 2023年3月30日発行
「小説すばる」連載
とある弁護士さん経由でこちらを知りました。
いつか君が、、なんか自分と重なりあってドキって
してしまいました。毎日ブログを更新されてマメなんだすね。弁護士さんってご職業は3K とかだそうですね。
気力、危険、切りがないとか、大変なお役目ですね。
徐々にブログを拝見させていただきますね、
日本とは時差がありますので、こんな真夜中?に
お邪魔をいたしました。
コメントありがとうございます。
突然スランプに陥り長く書けなくなることもままありますが、今後も精進して投稿に努めたいと思います。