事故物件を扱う不動産会社社長が税理士と不動産鑑定士に声がけして事故物件取引の実情等を解説した本。
第3章で著者の不動産会社が扱った事例の紹介があり、読みどころと言えるのですが、せっかく実事例を紹介するならもう少し経過と対応、特に困ったことの記載が欲しい感じがしますし、なんといっても自社買取の事案で自社が遺族等からいくら(相場の何掛け)で買い取ったのかがまったく書かれていない(買い取った後自社がどれくらいで売却できたのかは書かれているものがありますが)のが残念です。はじめにで「事故物件を安く買い叩くビジネスですよね」と言われて誇りを傷つけられたと言っているのですから、それを払拭するためにも書いて欲しかったなと思います(やっぱり、商売上、書きたくないんでしょうけど)。
第4章の不動産鑑定士の記載も、第5章の税理士の記載も、一般的な説明とあとは公表されている裁判例からの説明で、それはそれで勉強になりますが、これもせっかくなら自分が取り扱った鑑定や税務申告事例の紹介が欲しかったところです。
基本的に不動産業者と不動産所有者・家主のための本ですが、第6章での特殊清掃業者の選択等は、借主とその遺族側にも参考になります。
なお、不動産仲介業者が事故物件についてどこまで告知すべきかを定めた「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」(国交省、2021年)について、宅建業者に行ったアンケートで「知らなかった」という回答が44.6%(106~107ページ)って…
花原浩二、木下勇人、井上幹康 日本法令 2024年3月1日発行
第3章で著者の不動産会社が扱った事例の紹介があり、読みどころと言えるのですが、せっかく実事例を紹介するならもう少し経過と対応、特に困ったことの記載が欲しい感じがしますし、なんといっても自社買取の事案で自社が遺族等からいくら(相場の何掛け)で買い取ったのかがまったく書かれていない(買い取った後自社がどれくらいで売却できたのかは書かれているものがありますが)のが残念です。はじめにで「事故物件を安く買い叩くビジネスですよね」と言われて誇りを傷つけられたと言っているのですから、それを払拭するためにも書いて欲しかったなと思います(やっぱり、商売上、書きたくないんでしょうけど)。
第4章の不動産鑑定士の記載も、第5章の税理士の記載も、一般的な説明とあとは公表されている裁判例からの説明で、それはそれで勉強になりますが、これもせっかくなら自分が取り扱った鑑定や税務申告事例の紹介が欲しかったところです。
基本的に不動産業者と不動産所有者・家主のための本ですが、第6章での特殊清掃業者の選択等は、借主とその遺族側にも参考になります。
なお、不動産仲介業者が事故物件についてどこまで告知すべきかを定めた「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」(国交省、2021年)について、宅建業者に行ったアンケートで「知らなかった」という回答が44.6%(106~107ページ)って…
花原浩二、木下勇人、井上幹康 日本法令 2024年3月1日発行
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます