「食べる口としゃべる口はなぜ別ではないのか」「年をとるとなぜ傷が治りにくくなるのか」「リ・ド・ヴォーはなぜ美味いのか」「人の赤血球にはなぜ核がないのか」「おへそはなぜ一生消えないか」「胎盤という器官はどう作られたか」の6つのテーマについて論じた本。
1つめ(口というか食道と気管の単一性)と5つめ(へそ)は進化・発達の観点から、他の4項目は分子生物学・ゲノムの観点から説明しています。3つめのリ・ド・ヴォー(小牛の胸腺)の話はタイトルに偽りありで単に胸腺の役割の説明です。
説明の多くは、仮説・私見で、どちらかといえば人体の謎がいかにまだ解明されていないかの方を感じさせる本です。
そして本全体としての統一感がなく、学者さんにありがちな様々な機会に雑誌に書いたことを並べて本にしたのかという疑いを感じながら読んでいましたが、あとがきによれば書くのに5年かかったとのこと。最初の頃と著者の関心も説明の仕方も最新の知識も変わるよね、それじゃあ、と納得しました。読む方にとっては困ったものですが。
武村政春 新潮新書 2010年2月20日発行
1つめ(口というか食道と気管の単一性)と5つめ(へそ)は進化・発達の観点から、他の4項目は分子生物学・ゲノムの観点から説明しています。3つめのリ・ド・ヴォー(小牛の胸腺)の話はタイトルに偽りありで単に胸腺の役割の説明です。
説明の多くは、仮説・私見で、どちらかといえば人体の謎がいかにまだ解明されていないかの方を感じさせる本です。
そして本全体としての統一感がなく、学者さんにありがちな様々な機会に雑誌に書いたことを並べて本にしたのかという疑いを感じながら読んでいましたが、あとがきによれば書くのに5年かかったとのこと。最初の頃と著者の関心も説明の仕方も最新の知識も変わるよね、それじゃあ、と納得しました。読む方にとっては困ったものですが。
武村政春 新潮新書 2010年2月20日発行