強大な芸能プロダクション「鳳プロダクション」に勤務して10年以上になるが裏方役しか任されないことを不満に思っている樋口桐絵が、福岡のライブハウス「ほらあなはうす」で演奏するバンド「ザ・マグナムズ」のボーカルの16歳の少女篠塚未散の歌声に痺れ、会社に黙ってスカウトして上京させ、歌手デビューさせようと目論むが、会社が総力を挙げて社長の孫にして専務の娘14歳の有川真由を売り出そうとしていることと被るためさまざまな抵抗を受け…という展開の芸能界サスセス小説。
30女の樋口の視点で語られ、上司の峰岸、大御所歌手の城田万里子、専務などの登場場面が多く、大人の事情がいろいろ出てくるなど中年層主体の作品なのですが、16歳と14歳の少女の言動を親目線で見てグッとくることが何度もありました。意外に純な感動も味わえる作品だと思います。改めて、作者が「ダブル・ファンタジー」(2009年)以前は青春小説の旗手であったことを思い起こしました。
村山由佳 幻冬舎 2022年7月10日発行
「夕刊フジ」「神奈川新聞」等連載
30女の樋口の視点で語られ、上司の峰岸、大御所歌手の城田万里子、専務などの登場場面が多く、大人の事情がいろいろ出てくるなど中年層主体の作品なのですが、16歳と14歳の少女の言動を親目線で見てグッとくることが何度もありました。意外に純な感動も味わえる作品だと思います。改めて、作者が「ダブル・ファンタジー」(2009年)以前は青春小説の旗手であったことを思い起こしました。
村山由佳 幻冬舎 2022年7月10日発行
「夕刊フジ」「神奈川新聞」等連載