Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

「湯豆腐のかけらの影のあたゝかし」(飴山実)

2018年02月06日 22時22分51秒 | 俳句・短歌・詩等関連
 久しぶりに本を読んでみようと、読みかけの本に手をかけたが、どうも読み切れない。字を追っても意味が頭に入ってこない。
 何気なく、これまでにも取り上げた大岡信「百人百句」を再びめくってみた。読み慣れた本がこういう時にはいいのかもしれない。もう立春を過ぎたが、季題ごとに並んでいる百句の冬の部の最後に

★湯豆腐のかけらの影のあたゝかし    飴山 実

があった。
 大岡信は飴山実という俳人(農学者)を高く評価しているのがわかる。
「繊細きわまる感覚を幻のこどくにとらえている。食事が進むにつれて湯豆腐はだんだんかけらになってぷかぷかとお鍋の中に浮かび、火を落すとかけらは底に沈む。そのかけらが灯に照らされて影をおとしている。その影そのものを「あたゝかし」と見ることによって、湯豆腐というものを視覚との独特な関りにおいてとらえている。ことことが、「湯豆腐」という季語を生かすことの意味でもある。彼の作品には、真剣に考え抜かれた季語の世界がある。」
と評している。
 私も「湯豆腐」の句を見た時、観察の細かい作者だなと思うとともに、なべ底に小さく敷いた出汁用の昆布と豆腐以外には多分具はないであろう透明な鍋の中で、対流に沿って豆腐のかけらが上から下に動く様子を思い浮かべ、科学者らしい観察に親近感を覚えた。その対流の動きが「あたゝかい」のだという。豆腐のかけらが生き物のように振る舞い、食べた者の体の中でも動き回り、そして食べた者の気持ちを暖かくする。

 大岡信の取り上げたこの作者の他の句の中では、

★小鳥死に枯野よく透く籠残る       飴山 実

もまたいい句だと思った。
 小鳥が生きているときは、籠を覗けば、小鳥に焦点が自然に合い、飼うものと飼われるものの関係が複雑に反映する。しかし小鳥が死して籠を覗いても不在の小鳥に焦点が合うわけではない。そのまま籠の向こうに冬ざれの枯野が見えるだけという。作者の小鳥を亡くした心象風景が「枯野よく透く」に端的にあらわされていると感じた。
 両句とも、湯豆腐のかけらの動き、小鳥不在の籠という対象をキチンとしぼり、その対象を分析的に観察したという事がよくわかる。その観察に人の温もりが寄りそっていると思った。

お試し外出

2018年02月06日 17時52分01秒 | 日記風&ささやかな思索・批評
 午後になってから歩いて20分位のスーパーまで買い物のお供をした。ときどき咳が出るのでマスクをし、人にうつしてしまわないように店内には入らず、店の外にあるビニールで囲った乾物コーナーで待機。風も入らず日が当たり暖かく気持ちよかった。店内の方が肉や魚コーナーがあり寒かったのではないだろうか。帰りには喫茶店で隅っこに座っておとなしくコーヒーを飲んだ。注文したコーヒーが出てくるまではマスクを外さず、飲んだらすぐにマスクをして店外に。注文も会計も妻任せであった。
 往復約6000歩、ゆっくり歩いたので疲れることもなく、咳き込むこともなく無事帰宅。だいぶ回復を実感した。わずか丸3日間の病臥であるが、1週間ほども家に籠っていたような気分である。症状がひどい内は不安もあり、時間の流れはゆっくりだが、回復を始めるとわりとアッという間に時間は過ぎていく。
 明日はひとりで石川町駅経由で組合の会館まで行くことになっている。この分では多分問題なし。

 そろそろインフルエンザB型の闘病日記は、明日以降症状がこじれなければ終了予定。本日は外を歩いても自分の足元以外は目に入らなかった。明日は街の様子をできるだけ見つめてみたい。見つけられる自信はまったくない。眼と感性がすっかり退化しているみたいだ。


経口補水液

2018年02月06日 11時56分24秒 | 日記風&ささやかな思索・批評
 ツイッターで経口補水液OS-1というものを紹介された。存在は知っていたが、調剤薬局でしか見たことが無いので、口にしたことはなかった。今回購入してみた。
 エネルギーはスポーツドリンクの3割ほど。カリウムやマグネシウムなどの含有量はそれよりもかなり多いようだ。ナトリウム量は、記載表示がナトリウム単体の量と、食塩換算量なので比較できない。高校生の化学の教科書があれば、すぐにでも比較できるのだろうが、それが無い今は、自信もないので記載はしない。
 飲んでみて、スポーツドリンクほどの甘さがないので私などにも飲める。いつもスポーツドリンクは倍に薄めて飲んでいる。ペットボトルで購入すれば、空の容器を使って倍の量にする。粉末を購入しても1リットル用の袋で2リットル作る。経口補水液は、スポーツドリンクとは目的は違うのだろう。エネルギー補給にはスポーツドリンクがいいのかもしれないが、私は好みではない。
 そういった意味で、私好みのものを紹介してもらったと思った。これまでは病後の水分補給にはスポーツドリンクが病院からも推奨されていたが、よく考えれば目的が違うので、成分も当然別のものにすべきなんだろう、と思えるようになった。

 本日、熱は36.5℃ほど。おもったよりは熱は下がっていない。それでも明け方3時近くになってかなり汗をかいたので、パジャマと下着を取り換えた。その時の体温は35.3℃であった。寝起きの体温が35℃台になって私の場合は「完治」なのかもしれない。
 用心をして11時まで寝ていたが、退屈な気分を取り戻したのでパソコン前に座って、この記事を作っている。寝起きの背中の筋肉の強張りは残っているが、起きてしまえばすぐに強張りは感じなくなる。昼食後調子が良ければ、団地の周りでも歩いてみたいものである。