★純白のマスクを楯として会へり 野見山ひふみ
★熱燗の夫にも捨てし夢あらむ 西村和子
本日も一応マスクをして出かけた。マスクをして外に出ると、眼鏡がすぐに曇ってしまう。うまくすると曇らずに何分かは過ごすことができるが、少しでも息を強めたり、息の量を多くすると途端に曇る。そんな時には二つの対処法がある。眼鏡をはずしてしまうか、逆にマスクを外すか。両極端だが、そのどちらかしか対処方法はない。大概はマスクを外してしまう。
マスクというのは、自分と外界をさえぎるとても強い壁でもある。話し相手がマスクをしたままだと、話そのものを拒否されているようにすら思えることがある。少なくとも親身になって相手をしてくれてはいない。そんな思いを句にすると第1句のような句が出来るのだと思う。あるいは、こちらからマスクを敢えてしている図かもしれない。
第2句、ごくごく身近な身内を見ていると、ふと「あなたの夢、どこに行ったんでしょうか」などと聞いてみたくなることがある。聞いてしまってはいけない、そんな関係もある。たとえ妻であっても、夫であっても、それを聞いてしまっては関係が崩れてしまう、というような場合がある。聞く前に踏みとどまる、ということの大切さ、大切な足踏みである。
お互いに、さまざまな断念の果に今という時間があるのだ。触れてはいけない「核」を互いに大切にしながら、生きていきたいものである。
★熱燗の夫にも捨てし夢あらむ 西村和子
本日も一応マスクをして出かけた。マスクをして外に出ると、眼鏡がすぐに曇ってしまう。うまくすると曇らずに何分かは過ごすことができるが、少しでも息を強めたり、息の量を多くすると途端に曇る。そんな時には二つの対処法がある。眼鏡をはずしてしまうか、逆にマスクを外すか。両極端だが、そのどちらかしか対処方法はない。大概はマスクを外してしまう。
マスクというのは、自分と外界をさえぎるとても強い壁でもある。話し相手がマスクをしたままだと、話そのものを拒否されているようにすら思えることがある。少なくとも親身になって相手をしてくれてはいない。そんな思いを句にすると第1句のような句が出来るのだと思う。あるいは、こちらからマスクを敢えてしている図かもしれない。
第2句、ごくごく身近な身内を見ていると、ふと「あなたの夢、どこに行ったんでしょうか」などと聞いてみたくなることがある。聞いてしまってはいけない、そんな関係もある。たとえ妻であっても、夫であっても、それを聞いてしまっては関係が崩れてしまう、というような場合がある。聞く前に踏みとどまる、ということの大切さ、大切な足踏みである。
お互いに、さまざまな断念の果に今という時間があるのだ。触れてはいけない「核」を互いに大切にしながら、生きていきたいものである。