夕刻から、ドヴォルザークのピアノ三重奏曲第1番と第2番を聴いてくつろいでいた。演奏はヨゼフ・スークを中心としたスーク・トリオで、1977年の録音。ヨゼフ・スークはドヴォルザークの娘婿の孫にあたる。
CDの解説では、第1番は1875年、その翌年に第2番が作られている。ドヴォルザークが35歳、36歳の時の作品である。
第1番は第2楽章を除いて明るく、屈託のない表現がきわだつ。第2楽章はピアノで始まる悲歌ともいうべき楽想が私には忘れられない。ピアノからチェロに受け継がれ、ヴァイオリンにたどり着く。ヴァイオリンでは絞り出すようなメロディーに変わっていく。
第2番は、悲痛な気分満載の曲。解説によると、長女を亡くした悲しみを込めた作品ということである。第2楽章は、第1番と同様悲歌ともいうべき曲であるが、ヴァイオリンの高音の響きがより印象に残る。第3楽章、チェロの美しい旋律が印象的である。忘れられない。