Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

本日の読書「日経サイエンス6月号」より

2021年05月02日 22時13分13秒 | 読書

 本日読んだのは「日経サイエンス6月号」の特集「時空と情報」から、「ブラックホールの情報パラドックス解決への新たな糸口」。もうひとつの「量子情報で解き明かす重力理論」ととても歯が立たないので、途中で断念。文字を追うことすらできなかった。初めの「ブラックホールの‥」も中身は理解できないものの最後まで文字を追うことはできた。
 要約部分だけでもとりあえず記載してみる気力はあった。分かったつもりにもならないが‥。

「ブラックホールは最後には蒸発して消える。ブラックホールに入った物質は二度と外には出られないことを考えると、物質が持つ情報はブラックホールの蒸発とともに失われることになるが、これは、いかなる場合でも情報は失われないという物理学の基本原理と矛盾する。ブラックホールの情報パラドックス、情報喪失問題(情報問題)と呼ばれるこの難問は、時空の枠組みを説明する一般相対性理論と物質の振る舞いを説明する量子力学を統合する量子重力理論が完成していないことから生じている。‥」
「ブラックホールには重力の量子物理学と時空の特性に関するきわめて重要な手がかりが含まれている。原子の理解を深めることが量子力学の構築につながったように、ブラックホールの理解を深めることが物理学における月の概念的革命を導く。重力波の観測は、量子ブラックホールシナリオを排除するか、あるいはそれらに関連した新しい現象を発見することによって、私たちに重要な情報を提供してくれるだろう。」

 次に「鳥が多様になった道筋」は私なりに興味深く読むことができた。多少は理解できたと思う。
「身体部分がそれぞれ異なるスピードで進化するこうしたモザイク型の進化は、人間を含めて多くの生物で起こったことが知られている。例えば角竜類は頭蓋骨に高速の進化を起こす一方、四肢の骨にはほとんど変化が見られず、好対照をなしている‥。‥もちろん進化が遅かったからと言って鳥たちの素晴らしい成功が色あせるわけではない。鳥類は大量絶滅の責め苦を生き延び、空を征服し、驚くほどさまざまな翅のある生き物に多様化して、現在の地球を私たち人間と共有している。ゆっくとり着実に歩む者が勝利してたのだ。」
 「勝利」という意味がどういう意味なのかは、保留しておく。

 購入してすぐに特別解説の「COVID-19危うい後遺症 体内で何が起きているのか」と「DNAが明かす疫病史 ペスト流行とローマの興亡」は読み終えた。

 のこり4つほどに目を通すつもりである。次の7月号が発売されるまでにそれが可能か、自信はない。

 


雨と風と雷鳴と‥

2021年05月02日 19時41分16秒 | 日記風&ささやかな思索・批評

 昼過ぎに少し風が弱まったのを見計らって妻と買い物に出かけた。といっても妻は電動自転車、私はウォーキングで遠回りで5千歩ほどの駅まで。かなり気温が高くなり、ウィンドブレーカーを脱いで歩いた。
 妻の夏物の衣服の買い物が終わるころに喫茶店でコーヒーを一緒に喫しただけのデート。一服後、妻は食材の買い物、私はさらに遠回りをしてウォーキング。
 朝、空を見たときは、全天雲がないと思っていたが、北の低い空には雲がまとまっていた。その雲が次第に南下してくるとともに、西の空にも雲が広がるようになった。
 出かけて2時間くらいのうちに雲行きが怪しくなった。15時半にはポツポツと降り始めた。大きな雨粒であったが、それほどひどくはならなかった。家まで15分ほどの地点で時間雨量換算で1mmを超える雨量になったと思われる。
 雨の区域は北西から南東に向かって流れていた。昨日とは南南西から北北東であった。

 近くのドラッグストアで5分ほどの雨宿りをさせてもらってから小走りで帰宅した。しかし帰宅して5分もしないうちに陽射しが出て来て、晴れてしまった。先に帰った妻に「日ごろの行いで、雨に会うか、会わないかの差が歴然と出る」と笑われた。
 晴れると同時に遠くで雷鳴が聞こえてきた。18時過ぎまで雷鳴が聞こえたが、さいわいなことに近づいては来なかった。
 写真は雨が降り始める直前に、雲の切れ間に顔を出した青空。


 


突風あるいは竜巻

2021年05月02日 11時10分38秒 | 天気と自然災害

 昨日の夜に、静岡県牧之原市で突風、ないし竜巻が発生して家屋被害、電柱の倒壊、停電、車の横転そしてけが人などが出たと報道されている。
 けがされた方の回復と、被害の復旧が早く進んでもらいたい。横浜ではいまのところそのような被害の報道はないようだ。

 空には雲一つなく、風が強いことを除けば実に良い天気である。明るく、空気も乾燥している。だが、風があまりに強い。昨日は洗濯日和ではなかったこともあり、あちこちのベランダで洗濯物がロープに辛うじてつながりながら勢いよく舞っている。もう少し風が強まるか、この風が続けは、洗濯ばさみの力を振り切って風にとばされるものもあるはず。我が家の重たい足ふきマットがベランダの床にあった。風で落ちたのかと思ったら、風にとばされないよう初めからロープに固定するのをあきらめ直に下に置いたとのこと。
 朝8時ころには南西の風で瞬間最大風速14mを記録している。午後には再び雷雨の予報が出されている。本日も天候の急変や雷雨に気をつけないといけない。

 これだけ風が強いと外に出てウォーキングというのも危険である。何が飛んでくるかわからない。
 本日も家でおとなしくしていることにする。

 


「図書5月号」から

2021年05月02日 01時18分18秒 | 読書

 日付が変わったばかりで、風は止み、雨もすっかり上がった。
 昨晩の20時ころに瞬間最大風速が20mを超えていた。西南西の風で、ベランダにずいぶん吹き込み、ガラスが台風の時のように汚れた。
 深夜の風と雨と雷は0時までの2時間ほどでおさまり、今は雲の切れ目から星も見えている。月は南東の空に出たばかりで、ベランダからは見えない。多分これから月を追いかけると雲の間を縫って美しいと思われるが、その元気はない。

 昨日に読んだ本は岩波書店の「図書5月号」。

・[表紙]自動人形オリンピア          司  修
「コロナウイルスによる2回目の緊急事態宣言が出されたあとの朝方、‥なぜかマンションを仮て住むことになり、‥マンションのある場所が都会の真ん中なのだとしりました。‥壁にしつらえた長い板の椅子で横になっていて、‥「いくら安い家賃とはいえ、これではまるで収容所ではないか」と小声でいいますと、隣の男が、「文句をいうと、上の段から客が落ちてくるぞ」というのです。‥フロントに行くと、たった一人の案内状は、「部屋番号とお名前を‥」と自動人形のような声で繰り返すだけでした。‥フロントの案内状とうり二つの美女がいました。「もしかしてオリンピアさんですか」とたずねました。彼女は手に受話器をもっていました。目がキョロキョロしてぎこちなく、唇がわずかに動くと、口と顎がカタカタと音をたてて外れたのです。」

 なかなか強烈な、コロナ禍の隔離にならぬ社会全体の収容所状況と、「自動人形」のようにオリンピック開催をいうだけの政治家(禍)に対する皮肉たっぷりの文章であった。

・雲と空のはざまで              大河原愛
「ポルノと芸術としてのエロスの境界を明確に提示することは難しい。社会の中に暗黙的に漂う境界線を見極めることは、まるで雲と空の境界を定義するくらい不可能だろう。性器が卑猥である、ヌードはタブーであると国家権力が決めたなら、そのようなものを描く芸術家は犯罪者となってしまう。人体の美や崇高さを自由に表現したいと思うことは積みなのだろうか?」

「桐野夏生さんの描き出す光と闇は、私たちが常日頃、心の奥底に閉じ込めて目を逸らしている何かを呼び起こす。だからこそ、同じようなことがいつかおきてしまうのではないかと、私達を不安にさせるのだろう。」

・アキバ                 毛利悠子

・流通・文化・倫理・詩性         西崎 憲
「詩性はDNAが意図する生存、繁殖とは関係がない。‥詩性がDNAからの影響を直接に受けないということを、人が詩を作ったり、好んだりすることをおそらくDNAは知らない。詩とはDNAが企図したものではなく個人が企図したものなのではない。‥神に等しいDNAからの自由を意味するのだから。‥ただ詩性だけは自分たちが自分たちに記述した。おそらくそれは人間が自分たちの意志で獲得した唯一のものである。」

・「黄金」の時-2019年12月、ヴィ―スバーデン   亀山郁夫

・詩人の死                長谷川櫂
「アメリカを中心とする西側の民主主義はいま二つの課題を抱えていることになるだろう。一つは国内における大衆迎合政治の台頭をどう防ぐか、もう一つは中国や北朝鮮の一党独裁の全体主義にどう対処するか、私たちが生き、死んでゆく現代はそういう時代ではないか。」

「ゲーテはいつた/「よきものは少女の目くばせ/飲む前の酒のみのまなざし/あっかい秋のひざし」と//海山の静かな寝息もきこえるほど/五臓六腑に琥珀の液が/しみてゆく//始祖鳥が羊歯かきわける/ジュラ紀のころの夕焼けに立つ//二十世紀に生きてたことがあつたのを/ふと思ひ出し/美しいものを次から次へと思ひ出し//憎んでゐた敵たちとも/なつめの木陰のテーブルで/講和する気分//酒には品が大切だ//(大岡信「微醺詩」)は題名どおりほろ酔い気分の詩である。大岡の詩を一つだけ上げるとすればこの詩を選びたい。」

 今月号はこの6編のみに目を通した。