Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

「香り」の記憶

2020年01月04日 10時22分01秒 | 思いつき・エッセイ・・・

 妻も日常への歩みを始めた。もろもろの種類ごとのゴミの回収などもそろそろ始まり、それに合わせる形で指示が飛んでくる。

 そして娘夫婦が住んでいるアパートの敷地で実った柚子を二日の日に大量に貰った。それでジャムをつくるということで、本日の指令は柚子の下処理。洗うこと、絞ること、皮のざく切りまで。苦味が出ないジャムのために、それ以降の工程は妻が自分ですることにこだわっている。

 この柚子をガーゼに入れて、二日の風呂から柚子湯となった。嗅覚異常の私は柚子の香りも感じない。昨年までは、かつて嗅いだ香りの記憶で柚子湯気分に浸っていた。
 昨日、ガーゼに入れた柚子をかなり揉みこんで、鼻に押し付けたら、微かに柚子の香りを感じた。香りを感じたように錯覚したのかもしれないと、幾度か深く吸い込んだ。2回目は確かに香りを感じた。残念ながら3回目、4回目となるにしたがい、香りはどんどん薄れ最後には何も感じなくなった。
 柚子の香りの記憶と実際の香りに齟齬をきたしていなかった。匂いというものは微妙な感覚らしいが、匂いの記憶というのは考えているよりも正確に持続しているようだ。

 クチナシ、ユリ、モクセイ、バラなどの強めの香りだけでなく、梅などのほのかな香りの記憶も私の脳内に残っている。その記憶は正しいと思ってもいいのだろうか。



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