1977年に西武美術館で開催された「マックス・エルンスト」展の図録をようやく読み終えた。とても難解な解説が並ぶ。
まず、マックス・エルンスト本人の「シュルレアリスムとは何か」、「ダダ」、そして「マックス・エルンスト:自伝メモ」という詳細な亡くなる前年の1975年までの自伝が掲載されている。
解説には、
・マックス・エルンスト(1921) アンドレ・ブルトン
「相へだたった二つの現実に手をのばしてそれらを接近させ、そこから何か光芒を引き出すこと、また具体的なものと同じ強度、同じ起伏をもってよびおこしたさまざまな抽象的形体を、私たちの感覚の範囲内におくこと、身許保証のすぺてをうばった上で、私たち自身の記憶のなかへ追放すること--これらの不思議な能力こそ、一時的にでも彼を引きとめているものなのだ。」
主語と述語が一致しない文章で、全体を読んでも私の能力を超えている。
・侮蔑された絵画(1930) ルイ・アラゴン
・絵画の彼岸(1939) ポール・エリュアール
・光輝く使者(1942) ヘンリー・ミラー
・幻覚について(1948) ロベルト・マッタ
・哲学者マックス・エルンスト!(1959) ジョルジュ・バタイユ
・ヴェルナー・シュピースへの手紙(1976) フランツ・パルケ
など12名のエルンスト評の抜粋が10ページも並んでいる。
また「エルンストと現代」という坂崎乙郎の解説が並んでいる。
これらの解説を読みながら「シュルレアリスム」について理解をしようとしたが、理解には至らなかった。
いくつか引用しようと思ったが、理解できていない文章を引用・掲載するのもいかがなものか、と思い断念。
シュルレアリスムの理解は今年は断念。来年以降に何かの折に再度挑戦することにした。
文章での理解と作品を見ての理解、ともに一筋縄ではいかない。