現在の気温は21.6℃。窓を開け、室内に風を入れると寒いくらいである。現在は1ミリ程度の弱い雨が降り続いている。
予定からすると「弥勒」(宮田登)の第5章を読むことになっていたが、気乗りがしないままボーッとしていた。あまり何もしないのも情けないので、パソコンルームの柱に5本ほどのフックを取り付けて帽子掛け・マスク掛けを付けてみた。
体を動かしたはこの程度。
読書は諦めて、ブラームスのヴァイオリン協奏曲を聴いている。ヴァイオリンはシュロモ・ミンツ、指揮クラウディオ・アバドのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で、1987年の録音。
この曲が完成したのが1878年、ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムとのかなり濃密なやり取り・助言を得ながら綿密に作られた曲である。ブラームス45歳、ヨアヒム47歳の年である。
ブラームスとヨアヒムとの緊張関係を波乱だ曲であるが、曲そのものはヴァイオリンの伸びやかな音色と、オーケストラの壮大ともいえる重厚な音の重なりが魅力である。小さなヴァイオリンと大きな編成の管弦楽団の音のバランスも聴きどころである。またソロから木管のソロへの移行などの聴きどころ満載。幾度聴いても飽きることのない。私にとっての名曲のひとつである。
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲と同じように、第1楽章が長大である。このCDでも第1楽章が23分30秒余、第2楽章が9分40秒余、第3楽章が8分45秒と、第1楽章が他の二つの楽章を合わせたよりも長い。不思議なことに私はそれほどの長さに感じないほどに緊張感を持続して聴いてしまう。
第2楽章の出だしは、ホルンを入れた木管5重奏曲ともいえる。途中からの独奏ヴァイオリンの澄んだ音色は聴かせどころ、聴きどころである。