予告編で見たラストのスティール写真が絶品で、その色彩感覚と構図の素晴らしさ、そしてやるせない男女の愛の在り方を一瞬のシルエットでとらえた映像は、冒頭から日本映画の伝統と技術、そして日本文学の心地よさまで包含し、最近の日本映画として集大成の域にまで達している出来だと思われる。
これほど素晴らしいショットが最近の日本映画にあったろうか、、。「人でもいいじゃない。生きてさえいれば、、」ラストのセリ . . . 本文を読む
いわゆる難病ものである。趣向が違っているのは、姉のドナー対象として人工的に生産(?)された妹が両親を告訴するという設定である。このテーマは深い。考えさせられる。実に重い。そういう思いで見ていくと、、。
ちょっと違うんだよね。人間の誕生にかかわる基本的な人権問題は掘り下げられない。時間がたっても家族間の情感は語られるけれども、それはふうっとはるかかなたのことのように追いやられ、語られることはない。 . . . 本文を読む