現代の女の子がこんなお話を本当に望んでいるのならと考えるだけで、、。
薄っぺらで、中身のない、すぐ男を乗せちゃうような(これは玉山鉄二が映画の中でこれに近いことを市川由衣に言っています。)女の子が何故主人公になるのだろうと訝る。
何度映画館を出ようとしたことだろうか、、。だいたい、観客から不快感をもたれるような主人公の映画が観客に何かをもたらすわけでもなかろうに、ということはこの奈奈は今の若い女性 . . . 本文を読む
いやあ、面白かったです。これは市川崑の遺書のような作品だとすぐ気づきました。まず、20歳台の俳優が少ないこと。(フカキョンと菊之助ぐらい?)
前作から30年の意味を俳優の歳月を感じる顔で表現する渋さ。
富司純子と息子菊之助との役柄と完全に重なる親子関係、これはすごいです。菊之助は全く父親と同じ顔をしていました。 これだけでも、通常の観客は歳月そのものを感じてしまう。
同じ脚本、同じ主要配役など、こ . . . 本文を読む
救助に行ったものが、即ビルが壊滅し身動きの取れない瓦礫の下で救助を待たないといけないと言う不条理の環境のまま、2時間それぞれが家族とのつながり、特に愛の強さを思い知ることにより奇跡の生還を勝ち取ると言う感動ドラマだ。
ファーストシーンからこのテロに対するアメリカの思いが強く出ている。音楽からしてこれは3000人弱の犠牲者に対するレクイエムであることが分かる。そしてさらにアメリカはこのテロを通して家 . . . 本文を読む
昔よく見たオールスター出演映画って言うのかな、驚くほど有名な俳優がほんのちょい役で出ていることに驚く。しかも、意味がない役っていうか、何故出ているのか本人も分からなかったのではないか、とさえ思えるほどだ。つまり、絵島生島の仲間由紀恵と西島秀俊、それに少々輻輳するが不倫組の井川遥と及川光博以外はまったくキャスト的に添え物なのである。
杉田かおるだけはほとんどセリフもなしで急に火照る恋愛の気持ちを焼け . . . 本文を読む
いい映画なんだけれど、どうも穿った見方のしてしまう僕は斜めでこの家族映画を見ている自分に気づく。
というのも、ちょっと自然そうでいかにも作られていそうな展開、が気になる。祖父が亡くなって、死亡証明書もないままアメリカでは埋葬できるのか、とかラストのあの奇想天外なダンスもいかにもやり過ぎなんだよなあ。
もっと自然でもいいのになあ、と思ってしまう。ニーチェ好きの男の子だの、男の恋人を寝取られ自殺未遂の . . . 本文を読む
映画で気になっていて、ようやく読んだ。かなり短く、1時間ほどで読めるほどだ。
内容的には、小説といえど、脳裏にあるもやもやをメモ程度に書きとめたものとも読めるし、意図的にそうしているような感もある。
作者が分からないから、よけいそう思えるのだ。
今珍しい覆面作家ものである。
もちろん、この内容がそのまま本当なら、彼女が3億円の犯人ということになる。
でも、そういう感じもするなあ、なんて思ってしまうところがこの小説の魅力でもある。
僕としては、当時の思い入れが今でもものすごくあるから、こういう作品は好きだけれど、でもそれはこの作品の実力を買ってのことではない。
何か、1960年代後半の物憂い環境だの、ジャズ喫茶だの、当時の重い青春を引きずる何かが今の僕にも感じるものがあり、映画を見て余計気になり始めていたのだ。
突然出る、登場人物の芥川作家など、これはどう見ても中上健二なのだが、それをさらっと書いているところが小憎らしい。
小説の作品としては、映画のほうがずいぶんうまくできている。雰囲気小説なんだろうな。小説としてはまだまだなんだろうけれど、でもそのアンニョイはなかなかのものだ。
ほかの人の意見も聞きたいところ。
70点 . . . 本文を読む
うーん、童話的な素敵なファンタジーロマンスかなと思っていたが、多少違っていたかな。何故カン・ヘジョンがすぐ失踪してしまうのか、誰もが不思議に思うが、謎解きがありふれたものであって、そこからトーンが急に下がってしまった感がある。
無理に謎を解かなくても良かった気もするが、それでは現代の観客は承知しないのでしょう。それでも、もうちょっと違う話に出来なかったのかな。少し通俗的過ぎるというか、、。
まあ、 . . . 本文を読む
ファーストシーンのベートーベンが死ぬ直前に見ている走馬灯のようなフラッシュ的実験的な映像がとても美しく強く印象に残る。
ほとんど二人だけの音楽芸術に終始している展開なのだが、天才と天才にあこがれる優秀音楽家とのやり取りは、愛というものにまではあ高まらなかったので、ひとつのエピソードにとどまっていたのは惜しい。
「クリムト」でもそうだが、芸術家の伝記的な作品は観客の思いがどこまで映画の世界に入りきれ . . . 本文を読む
絢爛な宮廷で行われる大道芸の見事なこと。ファーストシーンから緊張感のある展開で、この作品の意気込みを伺えることができる。映像が美しく、男3人の心理描写もうまく、お金をかけただけのことはある重圧な作品だ。少々芸術的で、娯楽映画を期待していた人は、けれどその巧みな誘導で禁断の愛の世界に進入してしまうことになる。
けれど、イ・ジュンギは予告編では女だと思っていたけれど、男なんだ。男の僕でも顔だけは惚れ惚 . . . 本文を読む
アメリカ人による日本人観が底流に流れている硫黄島玉砕話はどういう観点から見ればいいのか迷っていたが、イーストウッドのフラットな見方に驚くとともに、あれだけ当時の日本というものを勉強していたのに舌を巻いた。
特に加瀬亮の人間的特高の描写と投降した後の無残さは世界の戦争映画でもその悲惨さを描いて白眉だろうと思う。
俳優も、主役以外はアメリカ在住の日本人を起用したのが新鮮で存在感がありよかった。
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コンパクトにまとめ上げた山田洋次の世界、快調。うまい。さすが。音楽といい、当時の擬似アイロンは感心させられる。そこまでのこだわりが画面全体に行き渡っている。
ラストもあの終わりで良かったのだと思う。何か、何も信じられない現代で、何かを信じてもいいようなそんな淡い期待感を覚えながら映画館を後に出来る。
いい映画だ。木村拓哉は思ったより熱演。新之丞になり切っていた。
特筆したいのは笹野高史だ。脇役であ . . . 本文を読む
静かなドラマだ。家族、血のつながり、愛情というものを丁寧に静かに描いている。
ヤクザという負の世界を横の軸に家族の営み、大切さ、いとおしさを丹念に押さえ気味の演出だ。派手さはないが、演出方法は好感が持てる。
ただ、何か人生への哀しみというか、深みがそれほど感じられなかったのは、スエが簡単に犯罪を犯そうとしてしまうその心理に深みがないせいか、、。ラストはちょっと引っ掛けがあり、面白い。韓国映画は普通 . . . 本文を読む
まったく漫画である。これをそのまま映画化しちゃうなんて、大胆不敵と言おうか、とにかく面白い。純文学の作家がひょんなことからやくざの世界を垣間見たことからその世界に足を踏み入れる、、といった奇想天外なコメディ。
まあ、見ていて損はない。痛快なドラマだ。
*** . . . 本文を読む
正真正銘の売春婦とそれをものともしない純朴牧場主との純愛ラブストーリー、といえばまあコミカルな展開を予想してしまうが、後半は現実の悪夢が二人を襲ってきて強烈な愛の前に観客はアッパーパンチを食らうことになる。
ファン・ジョンミンは後半でまったく顔つきが違って見えた。凄みがまして、人を恋する、求める生の人間らしさが出る。
チョン・ドヨンもあどけなさが残るような少女っぽさもあり、難しい役柄を淡々とこなし . . . 本文を読む
嘘のような夢を見させてくれる感動ラブストーリー。でも、こんなのがあっていいと思うぐらい、自然な描き方で、何のてらいもないその素朴な展開がいかにも韓国映画らしさが出ていて素晴らしい。
イム・チャンジョンが純朴な青年を演じていて、この映画の核となっている。
ストーリーも、まるでマンガなのだが、そこがいい。韓国映画風のさわやかさを全篇に感じ、一つの恋を完成させている。カップルで見るには最高の映画だね。
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