久々の演劇。コロナ禍になってちょっと足が遠のいている。それでもTheTimelessLetterの作品だから、見に行かねば、、。
45分の中編。出演者が多く、冒頭からゾンビ風の異形な表現方法でちょっと度肝を抜かれる。この演劇の視点は演じる彼ら若者が「現代の老人のなれの果て」をどう見ているのかに尽きると思う。
介護の実態を知り尽くした方が描いたのであろう詳細がジーンと心に響く。このテーマに関わる . . . 本文を読む
萩原信一郎の「滑走路」は現代に迷いつつ降り立ちそしてすぐ飛び立ってしまった歌集です。どれを読んでも彼の哀しみといちずな喜びが伝わってくる。どう映画化するのか気になっていたが、、、
まずまずうまくまとめていた、と思う。現代の生きづらさが目の前に壁のように立ち塞がる。息さえできない閉塞感。それでも人と人とのつながりは生きる術になるのだ。テーマは重いが清涼感が全編漂っている。
特に、ただ一人自分のこ . . . 本文を読む
かなり遅ればせながらWOWOWで鑑賞。泣きたくなるほどいい映画。出てくる人物、みんな子供だが、ということは「斗わなくてもいい」ということを言っているのか、、。さりげない連帯感もいい。何より映像が心に浸る。 . . . 本文を読む
最近珍しいハードボイルドもの。謎解きの展開がなかなか自然で、かなりご機嫌。今や珍しい公安の暗雲組織を大胆に描く。
この部分が現実的ではないとの非難が多いようだが、公安なんてほとんどだれも現実を知らないのだから、このような飛躍があってもしかるべき。小説だからこそ表現できるものもあるはずではないか。
ラストの死後での夫婦愛もこれこそ純愛風で感動に値する。気に入った。
何といっても、読みやすい文章 . . . 本文を読む
沖田作品はタッチが好きでいつも見させてもらってる。でも早くも、冒頭からの15分で戸惑い、いつもの待望感が出てこない。この予感はそのままラストまでぶっちぎる。老人の話なのに面白くないなんておかしい、と老人は叫ぶ。 . . . 本文を読む
素敵な題名ですね。しっとりとした予告編につられて拝見。何か、ピュアな韓国映画の原点に戻ったかのような、そう初期のホ・ジノに似た作風の映画でした。
詩人が主人公だから時たま流れる詩編も美しい。ヤン・イクチュンはいい声ですね。金も仕事も精子もない貧乏文学青年の苦悩と、そんな境遇に光をさす恋という厄介な幻想に身悶えする役です。
でも、恋といっても肉体関係が生じるわけではなく、これってホント恋なんでし . . . 本文を読む
最近青山の作品は見ていなかったので、気になり拝見。随分と我々市井の現実からは遊離した世界のお話でございます。
感覚的には今の若い方の脳裏にはこんな心象風景が漂っているのでしょう。40階の高層住宅に住むということに空(くう)を捉えること、人気俳優との自然な成り行き恋愛で生身の生を感じようともがくこと、人が、ペットが死ぬということでのふとした人生空虚感、、これらが淡くごく自然体に語られる。
でもす . . . 本文を読む
河瀬作品はメジャーでは安定した映像が見られる。恐らくいつもより抑えているのであろうと思う。だから登場人物の心理に比重がかかるように持って行く。
いつもの山々の木々の風とうねりで、人物の葛藤する心理状況を、そして海の夕日を多用して静まり行く挽歌のようなものを描くかと思ったら、展開的にはほのかに灯る朝日の前触れを描き、驚かせる。
この映画の展開がまずうまいんだよね。まず夫の無精子症の懊悩で悲劇性を . . . 本文を読む
ゴールデングローブ賞を獲得した作品です。時間的には100分ほどの長さで好感が持てる。出演者演技も、カメラワークも、演出も、そして音楽も優れています。でも、
通常の映画で10分ぐらいのエピソードを全編伸ばして上映しているといった感じで、ドラマチックな展開はない。僕には移民者の苦悩、孤独、哀しみといったものが経験的に分かってはいないので、恐らくそういうものが底流に流れているんでしょうが、成功したハイ . . . 本文を読む