月曜日。ベランダに出る。先日屋外温度計を購入し、温度を見ると何と44度C。これじゃ草花が枯れるはず。44度じゃ風呂よりより熱い。何とかしなければならないのだが、手段を講ぜず。気になりながら外出。
難波に出てシネポップスで「レポゼッション・メン 」。朝一番だが、観客席はガラガラ。見ているのも僕と同じく高年齢層。別にかまわないけど。
ジュード・ロウとフォレスト・ウィティカー、大スター二人による近未来 . . . 本文を読む
いやあ、夢に酔い、彷徨っている感覚。夢のまた夢、さらに深い夢が醸成され、めくるめく果てしない宇宙の彼方へ自分の体が投げ出される感覚。しかし解放感あれど気づくとわが肉体は宇宙の塵となり宇宙空間に漂っている、そんな夢の時間。
この映画の一番好きな場面は、ホテルでみんなが浮遊するシーンです。一本のロープでそれぞれの体をくるみ、無重力空間に漂う異様な美しさは映画史上でも特筆ものでしょう。まさに僕たちが見 . . . 本文を読む
ちょっとした夢がある。それは大きくもあり、小さくもある。小さな時から少しずつ大きくなってきたマンガ家になるという夢。しかも、4コマ漫画で超地味目の緩めのギャグものだ。
それでも、彼にとっては一生ものの大きな野望だ。なかなか芽が出ず、かといってダメだしされたわけでもない。年齢ももう30近い。人生の半分だ。焦りもある。不安もある。おぼつかない生活もある。そんな状態で、自分の体に鞭を打って上京する。初 . . . 本文を読む
人工臓器のローンが払えなくなった人たちから臓器を回収して行く今でいう借金取り立て人の話である。まあ、よくここまで考えるなあと思うけれど、こういう話は小説の世界では蔓延しているんでしょうなあ。
でも、払えなくなった人から臓器を回収しても企業にとって何のメリットがあるんだろうとずっと考えてしまう。ユーザーへの恐怖感を植え付けるためだろうか。それとも国家も加担して制度を進めているのだろうか。
「回収 . . . 本文を読む
500ページなろうとする警察小説だが、指蒐集家が出没したり、警察内の男どうしの嫉妬、競争関係も熾烈で生々しい。それぞれ人間への書き込みが優れ、まさにそこには実際生きている哀しいイキモノたちが生息する。
題名が地味目で少々損をしているかなあとも思うが、読み始めると一行とも目が離せなくなってくるいわゆる一気読み。それほど集中して熱い文章なんだけれど、読者にジンワリ強烈に作者の想いが降りかかってくる。 . . . 本文を読む
今や日本全国、急に熱帯になってしまったかのような酷暑が続いています。
大体僕は夏が一番ダメで、いつも日射しから逃げ回っています。日傘を買ったこともあったけれど、勇気がなく、させずじまい。だから、遠くても影を探して歩いている始末。
この暑さでベランダの植物が枯れてゆきます。まず、ちょっと元気のなくなっていたサフィニアが結局ダメ。ビニール袋に入りました。3鉢あったアスターも全滅。そして何やら怪しかっ . . . 本文を読む
まさにそこに生きている人たちの本当の息遣いが聞こえてきそうな体温が感じられる作品だ。強いなあと思う。本音がほとんどで飾りがない人生。人間から虚飾を剥いで剥いてしまったらこんな人間像が浮かび上がってくるだろうなあと思わせる。
別に頑張らないでも生きていける時代なんて、遠の昔に無くなったんだよと現代人は知っている。それでもこんな世の中に誰がしたんだよ、と人のせいにばかりしたくなる人たち。自分は何もし . . . 本文を読む
青春ものでこういう映画が一本あったらいいなあ、という妄想のもとに組み立てられた奇想天外な話が、結構熱く僕の気持ちを揺すぶる。若くして馬鹿やっちゃったために辿る道を失った5人の再生の物語である。
5人の子供時代まで遡る熱い想いやそれぞれのその後のつらい漂泊ぶりなど、意外と【小栗旬)はしっかり丁寧に描いている。手抜きはしていない。彼の熱い想いも映像を通して僕たちに即伝わってきている。映画が好きなんだ . . . 本文を読む
療養所から見えるモノ。自然、山、木々、植物、虫。そして人間たち。明日がない人間にはすべてうらやましいものに見え、今生きていることのすばらしさは分かりすぎるほど分かる。そんな少年の視点で描いためずらしいジブリ映画だ。
どこか古い日本の私小説的な雰囲気さえ感じる静かな強さを感じさせる作品です。少年は虫のようにたくましくさわやかなアリエッティに「君たちは滅び行く種族だ」という。今までのトーンを壊しかね . . . 本文を読む
アルゼンチン・タンゴってやはり主役はアコーデオンなんですね。バイオリンもピアノもきらびやかだけれど、やはり人生のコクはこの質素な楽器が人間の喜び、悲しみを奏でている。
過去、最盛期に活躍したマエストロたちが一堂に集結する。それぞれ自分の人生を振り返る。いい話だなあと思うけれど、何故か入って行けない自分。考えたら「ラ・クンパルシータ」一曲しか知ってはいない。音楽を共有して彼らの心に入り込むことが果 . . . 本文を読む
総勢20数人のスポーツ演劇ここにあり。劇中本当にバスケの試合をほとんど真剣にやってしまっている驚くべき演劇でさえある。
登場人物が大勢で、最初はそれぞれ役柄の仕込みを覚えるだけで観客の脳裏を占めてしまうが、そのうち不思議と慣れて来てからは目の前の青春劇にじっくり楽しめくつろぐことができる。
まあ、話はベタな展開だけれど、でも登場人物の多さと言い、アッと気付いたら2時間半近い演劇時間と言い、それ . . . 本文を読む
梅雨明けして三日目。関西の夏はそれはそれは厳しいものがある。今年は梅雨の間は結構雨量もあり、そしてそれほど蒸し暑くなかった。それが急に梅雨明けしたものだから、温度にして4,5度以上差があったのではないか。
朝起きてベランダのラベンダーが枯れている。昨日まで一日足りとみずやりを忘れたことがないのだ。それが完全に枯れている。急に根ぐされがあったとは考えられないから、恐らく急な温度の変化に耐えられなか . . . 本文を読む
馬鹿殿のお家騒動に巻き込まれた家来たちの悲劇と、暗黒の世界にそっと咲いた一輪の花。題名から推測されてはいてもその迫力十分の殺陣は映像ならではの息を飲む秀逸モノ。そこらの一連の時代劇とは一線を画している。
しかし、ほんと馬鹿殿のために本来主君と崇めるべき人物まで殺戮しなければならない従業員の悲哀は現代の社会にも通じるところがあります。この映画を見て実は僕はそのことに一番痛く胸を突きます。【平山秀幸 . . . 本文を読む
賞金稼ぎの今度の獲物は、なんと元妻!?なんてコピーで、これは面白いだろうとか乗せてしまうあこぎなやり方に簡単に乗せられた吾輩、ところがこの映画すべて欲求不満気味へと観客をリードする。
大体元妻の起こした事件そのものが微罪なわけで、大したことがない。また元夫も何で賞金稼ぎなんかしているか分からなく、元刑事らしいのだが体もちょい膨らみ過ぎ、颯爽としていない。二人のイチャイチャぶりも定石通り。関連して . . . 本文を読む
舞台中央に白い冷蔵庫と、天井に聖母マリアか聖母像がある。そして決まりごとに安心感を持つ不思議な夫婦。そして産科病院のキモイ医師と看護婦。何か意味ありげな海虫と子供。現代の狂気の幕開けだ。
この、突っ込んだ脚本は褒められていいと思う。ラスト近くになって急に混乱してしまった感もないではないが、腕を体に生み忘れる女性という不思議な存在も女性特有のキモサも有し、舞台はなかなか毒を撒き散らしている。
し . . . 本文を読む