長らく人生を生きていると、映画を見ていてふと自分の遠い記憶に重ねてしまうことがある。この映画はまさにそうで、若かりしときに気づかなかったことが歳月がそうさせるのか、画面に心が投影し人物とともにそこに在る自分、、。
ああ、それが年を取ると言うことなんだなあと思えば、わが老残もそれほど悪くはないとも思える。何か昔見た「喜びも悲しみも幾歳月」を思い出させます。
映画の文法というものがあるとすれば、こ . . . 本文を読む
キム・ギドクの最新作。彼の作品は「The NET 網に囚われた男」以来だ。韓国映画では好きな方だが、最近はどうも自己本位というか、自由奔放で、どうもついていけない。彼にとっては、そんなファンのことなんてどうでもいいんだろうと思えるほど、好きなことしてる。
最初10分ほどで、オダギリジョーが消滅する。これでちょっとおののく。それからは、人間の欲望まみれの醜いシチュエーションを厭というほど見させられ . . . 本文を読む
韓国お得意の純愛一色ラブストーリー。テレドラと少女漫画と、女性たちの懊悩の心を読み取るピュアラブでございます。それでも、上海と釜山の映像風景は洒脱でほんと美しい。行ってみたいものだよな、、。 . . . 本文を読む
ゾンビものでしかもコメディタッチなので、気楽に見られる。俳優陣が意外としっかりしているので、十分鑑賞に堪えるが、それでもラスト近くはあのいつものゾンビラッシュで、またかと思いきや、ひねった最後で微笑ませる。 . . . 本文を読む
これも自粛後の無料映画です。なんというか、映画の世界でマンガを実践してるような何とも童心に戻る作品です。サービス精神は過大だが、素直な精神力を有しない厭な性格の自分には、ちときつい気も、、。 . . . 本文を読む
自粛解除後初めての映画館での鑑賞。館主の粋な計らいで無料上映だ。朝から並んでみた作品で久々に嬉しい気持ちで鑑賞す。見逃していた作品でもあり、期待感は高まる。
映画は質の高さを維持しつつ、何故光州だけがこんな状況になるのか、映画の中の出演者同様、観客が自問し続ける。政治的なことは分からないが、軍部が政権を取ると日本の例と変わらず、どの国でも鉄砲小僧と変わらず突進するだけの政治体制だということか、、 . . . 本文を読む
久々の歌野先生の本だったが、こんなものを書いてたんだね。これはまあミステリーとは言いがたく、ホラーというか、最近若い作家で流行りの想像たくましい代物でもあり、読み続けるにはさすが歌野の持続力も十分あり、なかなかの力作でもあります。
でもラストが急にオカルトっぽくなってきて、あれではのう、、。歌野独特のシャイのような部分を感じたが、、。
. . . 本文を読む
読みやすく、長くなく、話も適当に混み入って、しかもひねりも十分で、ミステリーとして堪能した。ただ、いわゆる犯人当てという本格からは外れているが、まあこれほど楽しませてくれたら十分である。
すみれという設定も昭和初期というオマージュさえ感じられ、じつに感受性の高いミステリーである。最近、こういう秀作がどんどん出現するから、日本ミステリー界、頼もしいの一言。 . . . 本文を読む
この著者はすこぶる頭がいいんだろうなあ。本格ミステリーで、論理的に犯行を説明してゆくというのは当然で、最近このところをおざなりにする作家もいるから、ここは認めるべきだと思う。
でも、これを二転三転するから読者はくどく感じるんだろうか、恐らくこの部分に賛否両論があるだろうなあとは思う。僕も正直言って、ラスト近くになると通常は身を乗り出すところを、またかと流して読んでしまったことを告白しよう。
で . . . 本文を読む
重松清の奥深い繊細な心情が全編を流れている。映像も演出もシンプルでいい。単なる教え子と先生との心のつながり~青春、といったものから、先生が気づかなかった生徒の真実の思いと自分の甘さをを10年後に知るという設定が泣かせる。
人生の一こまをひとかけら切り取った小編だが、実に読後感もたまらなく素晴らしい。こういうさりげない作品から、人生というものを静かに考える。 . . . 本文を読む