近藤芳正を中心にテノヒラサイズ、匿名劇壇、かのうとおっさん、GPPの4劇団がオムニバスで、競演するという一大事。何と僕の好きな劇団ばっかりなのだ。
こんな豪華で粋な企画が出現するとは関西の演劇もなかなかのものだと思う。今日なんか、平日の昼間なのに、もう人でいっぱい。どこから来てるのだろうか、、。と言いながらも僕はちゃっかりとCORICH振り込みでいい席をゲットする。
劇自体は2番目の匿名劇壇が . . . 本文を読む
相変わらず冴える色彩。全編崇高で豊饒なる泰西絵画を見ているようで、この色づくりには感心させられる。テーマも現代と40年前とは相違があるものの、前作とほぼ変わらない。とならば、
やはり小説を脚色した分、流れがまどろこしい。二人の恋愛は美しいが、別にこの作品だから際立つものでもない。今も昔もアフリカ系等に延々と続く人種差別感情に嫌悪感はあるものの、しかし諦観もあり理解しがたいものでもない。
しかし . . . 本文を読む
出演者総勢18名。あるマンションの2室の話。出演者それぞれに意味のない役柄を設定していないがために、二つの話といつもの勘違いを取り混ぜ舞台は進行する。
岡部は欲張りなんだろう、演劇で大勢の役柄に一人ずつ意味合いを設けるなんて至難の業。しかも今回は舞台外に一人の少女を90分居続けさせる。そしてこの少女も最後には意味付けに成功する。
二つの話と登場人物大勢過ぎて、少々いつもより散漫になった感もある . . . 本文を読む
マザコン気味で泣き虫男でもある優しい男から見た母親の闘病を丁寧に描いた作品です。ラスト近くの10分が妙に印象に残り、きゅんとなるが、それまでが普通の出来で不謹慎ながら退屈感も生ず。もっと原作を離れてもよかったのかもしれない。 . . . 本文を読む
映像といい、しつこく奏でるクラシック音楽といい、衣装といい凝ってます。広角レンズなんかを多用して、まるで自分が一眼レフを映しているかのようでもあり、3女優の演技合戦など、見どころは多いのだが、、。
登場人物が揃いも揃って軽薄な人間ばかりで、この映画から何かを得ようとする目論見は当初の10分ほどで消滅する。ひょっとしたらこの映画こそ純然たる女性映画かもしれません。男は存在はしているものの、完全に希 . . . 本文を読む
それにしても観客が少ない。女性が少ない。最近シャーロット主演の映画だいたいこうなんだよね。老残の極みを泳ぐシャーロットに援軍はいないのか。
何せ、彼女70歳を超えた肉体の衰え、しわ、いわゆる女性の醜悪さを隠さずむしろ露出する。彼女、何かに挑戦しているかのようでもある。
そして映画は彼女から見た世界だけを映す。極端にセリフは少なく、通常映画として機能する説明が極端に省略されている。そのため観客は . . . 本文を読む
題名からは窺い知れない優れた小説です。中編並みの長さだし、コミカルなイメージさえする題名だしということで、少々高をくくっていたが、どうしてどうしてすこぶる秀逸な人間分析・観察の名著であります。
現代社会で生きることの鬱陶しさ、苦しさ、哀しみ、よろこび、、。すべてこの小さな小説に入ってる。感動ものです。
ぼくがどの範疇に入るかなんて考えること自体馬鹿馬鹿しくなりました。生きるってことは誰かを蹴落 . . . 本文を読む
青変わらず最後に逆転を魅せる長岡節です。今回もかなり強引なんだが、それでももうずっと彼の作品を読んでる愛読者たちは従順に納得する。全編を貫く透明感が好きだなあ、、。
6篇の短編集だが、僕はヤクザの世界の筋を見せてくれた「最期の晩餐」が好き。「夏の終わりの時間割」は切なく悲しすぎる。「三色の貌」は特異な題材で、冒頭に持って来るのはさすが。長岡の才能を光らせている。 . . . 本文を読む
グランドロマンの演劇はここ2,3年、欠かさず見ている。安易ではないが、強烈にこちらに訴えるものが常に存在する。今回も楽しみにしていた。
8人の女たち。どこにでもある介護センターが舞台だ。時間はAIが主要となる現未来。けれどそこにあるのは、まるで卑近な、どこにでもありそうな現代の日常。前所長が自死したときに残した遺書から人はあたふた動き廻る、、。
初めてかもしれないが、今回の劇は不思議とこちらに . . . 本文を読む
やはりかなり面白かった。途中で、これは連続じゃあないなあとは気づいたが、でも最後のあれは、ちょっとないんじゃあないのかな。
現代の警察の監察であんな判断をするだろうか、と考え始めたら、ちょっと無理っぽく感じられ、評価を下げました。ミステリーって、こういうところをおろそかにすると、何でもできちゃうでしょう?
御子柴弁護士が出てくるのはファンへのサービスでしょうか、、。
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ここ何年かお目にかからなかったお気に入りの映画だ。冒頭の4、5分でもう映像が脳裏にすっと入ってき、ゴキゲンになった。ユーモアを交えたシニカルだがセリフの少なさ、無駄のない映像の決め方、静謐なスタイリッシュ映像から後半はどっとストーリーが動きはじめる。
しかし、映像は最後まで定格に近いほど安定している。こんな映画作家がいたんだ。この映画との出会いが本当に嬉しい限り。
一人の男の閉塞感をこんなスイ . . . 本文を読む
題材は今世間をにぎわしている幼児虐待もの。それに子供の失踪を錯綜させており、映像の編集も技巧的で、一見芸術風には見えるが、如何せん長く感じられるし、そもそも突っ込みどころが多い。あのコンビニ袋は何?掘り下げ足りず、苛立つことも。夏川、佐藤はよろし。 . . . 本文を読む
森本薫、劇作家、「女の一生」。それしか知らぬ。大阪生まれ。34歳で早世。他にラジオドラマなども手掛けていたことをこの日に知る。
彼の業績と言えるドラマがオムニバス的に目の前に繰り広げられる。「女の一生」の始めと終わりが当然用意してある。初演版、戦後版という贅沢。
特に僕は戦後焼けてしまった屋敷跡で、けいと次男が再開するシーンが大好きで、今回もうーんとうなってしまう。やはり素晴らしい。あの木材を . . . 本文を読む