うーん、これは素晴らしい。あと3年で閉館となるデパートで従事する清掃作業者とガードマン。そこに経営者とか社員とか不思議な女性が現れてくる、、。
時代は現代、そこはパンデミック。そして東北大地震による行方不明の人たちが今でも3000人近くおり、最近はその数字は不変だという。
故郷の母親の介護等のために職を去るものたち、中には恋愛の成就にたどり着く男女もいる。人それぞれだ。
小6の息子の考えてい . . . 本文を読む
是枝の「万引き家族」的ムードに韓国お得意のクライムで味付けした風味の映画ですかね。ユ・アインのセリフなし演技がこの映画の語り部となっているところが新鮮ですごいところ。
でもみんな切ないね。ユ・アインのぶっちぎりの最底辺の青年を演じさせたその気持ちにまず拍手したい。演技だけでできるものではないから、そこに彼の深い人間性を見る。ユ・ジェミンの幼少の年齢でありながら、既に大人びている女性を感じるところ . . . 本文を読む
6歳当時、ボート難民だった男性が父母の遺骨を散骨するためにサイゴンに戻ってくる。さて、男は祖国というべきか、このベトナムというものすごい繁栄を遂げた国に何を思うべきか、、。
冒頭の5分間の俯瞰から道路ターミナルを写した映像が見事です。バイク、バイク、車もあるがものすごいバイクが、交差点いっぱいに、それぞれをよけながら走る。これが今のベトナムの繁栄の姿だ。その有様は、まるで昆虫のようでした。
難 . . . 本文を読む
これはマットの演技を見る映画ですね。(相変わらず何も知らずにこの映画を見た)冒頭からの5分間はマットであることが分からなかった。
中年のオッサンが主役の映画か、、。どんな映画なんだ。仕事探しにも苦労してそうだ。あまり頭良さそうな感じには見えない、、。底辺に生きている人の話なのか、、。でも、マットに似てるけどね。だいぶ太り気味でマッチョだね。とか思ってると、顔がよく映ってきて、ホントよく似てるわ。 . . . 本文を読む
3時間近くの長丁場を感じさせない演出。ゆったりとした長い河を泳ぎ、歴史に翻弄された人々を見る。そういえば、満州からの引き上げに対して樺太はあまり聞くことがない。実は40万人いた日本人のうち、10万人しか引き上げていないそうだ。ということは、30万人もの日本人がソヴィエトに吸収されることになった、、。
前半終戦までを春ののどかな季節に例えると、後半の終戦前後はまさに冬の時代だ。その対比があまりに凄 . . . 本文を読む
やっと見ることのできたドライヤー作品。なるほど、静謐で緻密な映像。動きもスローで、人物の奥底を舐め尽くすようだ。神秘性も大。
話は男女のドロドロ感を秘めてはいるのだが、登場人物へのドライヤーの思い入れが等しく、また審美的で、ある程度の距離感を感じる。そのため、劇的にならず、抑えられている。恐らく当時の検閲を意識していたのだろう、人権への強い思いはかなり薄れている。そのためか、不思議な作品となった . . . 本文を読む
珍しく、マンションでの二人の死体から始まるミステリーを加味した愛憎劇。楽しめました。開場すると舞台に二人の死体が。それを観客は眺める。そして劇は始まる、、。
二人の親子と時計屋の男性との三角関係をテーマに、重苦しいけれど複雑で繊細な愛の姿が醸し出される。それと並行してこの事件をスクープして、真の人生の姿を知ろうとする記者の懊悩が描写される。
私としてはこの三角関係はよく理解できた。そういうこと . . . 本文を読む
スパイダーマン3世代、20年の歴史の集大成ともいえる面白さ、完成度、何よりファンへの暖かいまなざしと過去へのオマージュに感謝したい。ラストは涙しました。
こんなすごいものが新年早々から見られるなんて、映画ファン冥利に尽きます。この1作で、20年間のスパイダーマンが走馬灯のように巡りめぐりました。マルチバースなんて、宇宙物理学テーマを映像にうまく取り入れましたネ。もうその映像にくぎ付けになり、酔い . . . 本文を読む
石持、久々の碓氷優佳シリーズの最新刊。プロットが殺人を計画している人間とそれを押しとどめようとする心理倒叙ものなんでしょうが、いかにもシンプル過ぎるかなあ。ページ数も新書で200ページ足らず。短いけれど、途中で最後が読めてくる。
肝心の碓氷の推理がラストになってから。これも今までと違い、それほど冴えた叙述ではありません。石持、忙しいのは分かるけど、もっと丁寧にきちんと小説として提供してくれないか . . . 本文を読む
青年時代を何の挫折もなく、ただ自分に置かれている平凡という幸せに包まれている人たち。うらやましくもあるが、何もなく日常を生活出来得ていること自体、たまらないハッピーなことなんだ、とは何かあった時に気づくのかなあ、、。そんな不安さえ感じる作品でした。 . . . 本文を読む
素敵な題名。書簡による純愛ラブストーリーと聞けば韓国映画はお手の物。僕が見逃すわけがない。ということで正月に街に繰り出し見てきました。この映画のポイントは初恋と言えど、なんと子供と言える小学生の運動会のできごとがきっかけということ。それがその後に影響をもたらす恋愛になるとは、、。
脚本はいろんな今までの映画をかき集めてうまく作ってあります。2番煎じになっていないところが秀逸。よく練られているしね . . . 本文を読む
ミステリーにもこの手があったか、と微笑まされる死ぬまでで15秒。4章に分かれるが、第1章と第4章が特に優れている。読みやすく、一気に読めるし、ユニークで、ミステリーファンにはこたえられない面白さだ。今年のミステリーの掘り出し物である。(20021年から2022年にかけて読んだのでこういう表現)
恐らくこういうミステリーは反論もあるだろうが、敢えて「新しきものに挑戦するは物書きとしては最良の義務な . . . 本文を読む