さすが年季の入った演劇集団。多数の出演者。十分言いなれたセリフの言い回し。何より、奈良時代、天武系一族の女帝時代の歴史絵巻が楽しく面白い。あの怪しげな鶴の張本人、与兵衛が道鏡になっていくのはとてもユニークで面白かった。
きらめきの奈良時代絵巻を堪能できたのは、脚本がかなり一を占めている。古代史を知っている人はなお楽しく、歴史がまったくの人はそれなりに楽しい秀逸演劇ドラマであります。
八嶋智人は . . . 本文を読む
今話題の三宅唱の処女作。モノクロ、北国の白い雪。札幌なのに、田舎感が色濃く出てる。青年期の3人の「18歳の今」をやさしく切り取っている。こんなに実際の人生が優しいとは思えないけど、でもいいのだ。何かを信じたい映画である。 . . . 本文を読む
まあとても面白い。とにかく設定がユニークで、魅入られてしまう。あっという間に読破だ。だいたいページ数も少ないし、しかもミステリー好きならではの展開で、そのまま一気です。
でも、何か物足りないというか、緻密ではないですね。この感じだったら、何でも書けそう。通常のミステリー作家がトリック等で日夜研究・努力されている部分がいかにも皆無、といった感じ。
でもこんなミステリーもたまにいいか、、? ラスト . . . 本文を読む
コトリ会議、久々の新作。若旦那家康さんの配慮で、かなりの時間前に劇場に到着するも、ロビーにはコーヒーが用意されていたり、過去の演劇がモニターに上映されていたりと、とてもアットホームなくつろぎの空間が用意されていて、いい気分のまま演劇に入る。
そして劇は、これがなんと100年後の地球の姿で、大戦に明け暮れる人類はもう8次大戦のさなかである。人間はつばめと混血し、人間部分の意識は30%に成り果てる。 . . . 本文を読む
学生演劇で3時間もの長丁場。しかも自ら書き上げたという労作。これがまた面白い。若いっていいなあと、舞台を見ていて思う。みんな溌溂。ダンスあり、アクション有り。精一杯飛んでいる。
他の演劇とは一線を画すように、セリフのしゃべりも明確。トチリもなし。すごい練習量だと思う。みんなよくやった。
前半後半と分かれるが、長くは官にないまま、余裕を残してジエンド。最後もどんでん返し風で面白かった。
28期 . . . 本文を読む
今日一日、しかも一回だけの演劇公演、というのはおそらく僕の長い演劇経験でも初めてのこと。人気俳優、南野陽子さん、大谷亨介さんが夫婦役で、最初と最後をきりりと締める。その他、関西在住の演技派どころ18名も参加して、いぶし銀で、ポエムのようないとおしい劇を奏でてくれる。
1000年の時代をつなぐ神戸。そこに生きていた人たち、その営みをまるで人生の最後に垣間見る走馬灯のように映し出す。
時間は80分 . . . 本文を読む
600ページもの長さ、そしてまたこの著者ならではなのか、300ページまで読んでいるのに全く殺人が行われない。以前にも同じことがあり、またかとほくそ笑む。
ところが、最初の殺人が始まると次々とやはり前と同じく連続殺人が続く、しかも突拍子もないトリックで行われるものだから、とても現実感がなく、それでもかなり面白いからページを繰る動作は続く。
途中、丁寧に犯行の記述が紙面を割きこれは読者にはとても親 . . . 本文を読む
5編のオムニバス。ベンチから見える人間の面白さ・おかしさ・哀しさ・怖さを何気なく、また意図的にも取り上げている。俳優陣が豪華で、お気に入りが多く、即映画館へ。
1編目は二人の後ろ姿も、大賀は広瀬から少し離れて距離を取っておりベンチからはみ出ている幼馴染なんだろうけど恋愛関係にはない。もう30ぐらいなのに、可笑しい。でも、擬古といない二人のやり取りはそのうち愛を感じる雰囲気になっていき、いい出だし . . . 本文を読む