ウイングフィールドなんだけど、いつもとは90度変えて、横幅のあるゆったりとした客席。ウイングでは貴重な椅子席がずらり。これは見る前から壮観。よく見ると、舞台は透明のビニールが3層に分けて上から垂れ下がっている。
ここ2,3年ずっとこの劇団を見ている。ある意味この劇団で劇の面白さを教えてもらった気がするのだ。今回は劇団員も少なくなり、あの鋼鉄のような森岡氏も悩んでいるのだろうか、、。
どうにもな . . . 本文を読む
これは前代未聞の解決篇です。恐らく世界ミステリでもこの方法を考えた人はいないでしょう。それだけで一読の価値はあります。いやそれ以上かな。
話は面白いし、短くかつすぐエロに流れたり、なかなかユニークです。こんな開き直ったような展開方法もミステリーには存在する。
ただ、僕はこの主軸となる蛇があまり好きくなく、あのトリックで第二の事件が起こさられるかどうか、疑問だとは思いましたが、でも面白かったのは . . . 本文を読む
読みやすくあっという間にラストになってしまう痛快小説だ。伊坂のサービスは過剰で、テクニシャン過ぎると思う節もあるが、でもかなり饒舌で、ひょうきんで、ますます脂が乗っている感がする。
見どころは夏之目課長の部分だろう。特に、ラスト近くの亡き娘、妻との会話に茫然とする。泣かせるなよな。参ったよ。家族がいて、もし自分がそんなことになったらなんて思わなくても、この場面はもう号泣だぜ。
たまらんわい。伊 . . . 本文を読む
旗揚げ公演って、好きだ。今まで培ってきた自分のすべてを素直にそのまま出せてる作品が多く、やはりその人を評価するに一番分かり易い方法だと思う。これは演劇だけでなく、映画でも、小説でも同じではないかとも思う。
そして今回の劇。実に若いひとらしく自由で繊細、なおかつ初々しい作品だ。大人になることの不安、羽ばたきの準備、そして飛翔。みずみずしい青春世界となっている。コミカルな部分には見向きもせず、一心不 . . . 本文を読む
まるでこの世の出来事とも思えない現代人に与えられた至福の童話だと思う。この映画を見ている間の心地よい時間の連続は、ある意味原初的な人間の在り方をそっと教えてくれます。実にこの上なき人間賛歌であります。
映像も際立って絵画的で、スコットランドの陰鬱な色合いを素晴らしいカラーで映している。もう海辺のシーンは絶品です。 . . . 本文を読む
いわゆる演劇に内幕もの、で僕たち観客にとってとても気になるし、面白いものである。そして今回は差し入れをするファンまで登場し、何と僕も時々やっているので、ああいうものが劇団からどう捉えられているのかもというのも分かり、なかなか興味深かった。
でも、あの秀逸な劇をいつも見せてくれているこの劇団にしては、何か少々硬いし、どちらかというとこの内容は広がりがない。内幕ものだから仕方がないとは言うものの、そ . . . 本文を読む
俳優もよく、イギリスらしい雰囲気が映像に反映している作品です。思ったよりランプリングの出番が少なく、でもそれがかえって印象的になり面白い映画でした。
ただ、ミステリー的であり、且つ小説的過ぎる内容で如何にも作り事めいていました。青年の自殺理由が僕には突飛すぎましたネ。見てる間は謎解きにすこぶる楽しめはしましたが。
フレイア・メイヴァー はなかなかいい女優です。これから伸びるでしょう。 . . . 本文を読む
この劇団って、僕はいつも「崖淵五次元」と間違えてしまう。だいたい相互に役者が行き来してるし、出し物もよく似てる。今回もまるで崖淵五次元のごとくに見紛いました。
でもそんなことはあまり関係なく、いつもこの劇団、観客を楽しませてくれる。キャラメルのホンで、ドタバタにファンタジックに、またきらびやかに劇を盛り立てる。
面白かった。楽しめた。でも、いつもより笑いが少なく感じたかな。俳優陣、頑張ってんだ . . . 本文を読む
思ったより親近感のある映画でした。男兄弟、女姉妹の本音が絡む血。つまり家族。まあ、皮を引ん剝いてみればこんなとこでしょう。意外と新しい視点かも。この両兄弟(姉妹)がシンメトリー化するのがちと気になったが、、。娯楽作品としも佳作。
相変わらずうまい新井浩文を除く3人の演技力は意外と強烈。すざまじいエネルギーを見せてくれる。特にあの、姐さん江上敬子は夢にまで出てきそう。ああ、どうしよう。 . . . 本文を読む
一人語りなんですが、いわゆる宮沢もののワンマンショーです。本当に宮澤が好きなんですね。一つ一つの言葉にそれが見えています。僕も宮澤が好きだけど、彼女には遠く及ばない、、。
80分ほど、一人で熱演。さりげなく観客にささやきながら、宮沢の世界をきらびやかに現代によみがえらせる。素晴らしい。あまり知らなかった「土神ときつね」を分かりやすく表現する。実に印象的な宮澤の世界が目の前に現れる。至福の時間だ。 . . . 本文を読む
Nyanでの公演は今まで何度か来たが、いつも秀作が多い。たまたまかもしれないが、ここの劇場で演劇をする劇団は、①狭いこと、②観客との距離が接近していること、③2階もうまく使えば空間が広がる、などを利用して精一杯、劇を創っているからではないか、と勝手に思っている。
今回は3個のオムニバス劇である。
最初は16歳で劇を始め、今回7年ぶりに2回目の公演をするまでの彼らの経緯を劇にしている。私小説風劇 . . . 本文を読む
全編一気というのも久しぶり。絵が好きで、今でも東京に行ったりするほど。だからこの本の神髄は手に取るほど分かる。
但し僕はあまりルソーは好みではないので、ちょっと(気持ちを)離して読んでいたが、どんどん本に近づく始末。それほどワクワクさせる本のすべてが詰まっている。
しかも、静かに静かに育んできた恋愛がラストで成就するその17年。こんな強き素晴らしい恋愛があろうか。人間というスケールの大きさまで . . . 本文を読む
俊英吉田大八の最新作。音響の使い方といい、カメラの水平線の構図といい、今回はじっくり見れる。しかも6人の人間を2時間で追う演出はきついはずだが、何とかこなしている。今回のテーマは、、。
先入観と言おうか、人間の実像に覆いかぶさる虚像を取り上げている。なかなか分かり易く、実に丁寧。好感の持てる展開である。サスペンスとヒューマンとを織り交ぜて、安心できる作品となっている。
どうしてもこの6人である . . . 本文を読む
しばらく大林らしい映画を見ていない。ところで、僕にとって大林とは何なのか、そんなことを見ている間ずっと考える、、。この映画は大林にとって重要作であるはず。そんな思いは画面の端々から伝わってくる。
尾道三部作やら、新尾道三部作など、僕は随分昔の映画が好きなのである。1999年の「あの、夏の日・とんでろじいちゃん」以降、僕を満足させてくれる映画はない。でもこの映画に賭ける彼の思いはテレビ等で知ってい . . . 本文を読む
シェリダン久々の映画で、俳優陣がすごい。これは映画ファンならずとも見るべき映画でしょう。
ヴァネッサは年代を超えても美しい。彼女を観れただけでもいいとするか。僕にはそんな映画でした。しかし、シェリダンが何を言いたいのか結局わかりませんでした。まさか、当時のアイルランドの狂暴性を、または教会という名の錯誤を描きたかったとは思えません。
アッと驚いたのはあのラストです。あれをやってしまったら、じっ . . . 本文を読む