予告編から見たくなった映画です。ストーリーはそれこそ素晴らしいと思ったのだが、、、。
何か劇画っぽいんだよね。この感動的なストーリーにしても人工的で何かついていけませんでした。(元チャンピオンの男性が母親を女として好きでもないのに女の子との絆を求めていること。事業で失敗した父親をぼんぼんの息子が危険な格闘技を見せることで立て直そうとしていること。)等々。
こういうところがどうも乗れませんでした . . . 本文を読む
5年というのはあったけど(ウィンターボトムの「いとしきエブリデイ」)、12年というのはすごいデス。僕たちは6歳の幼児が18歳の大人になるまでの家族の姿を3時間に見る。すなわち「時間を捉える」という作業をすることになる。
ストーリーは母親の生きざまにより変遷する家族の姿である。12年間で3人の男性を伴侶にする母親はアメリカではごくごく普通のことなのか、じっと耐えてゆく子供たちの姿は、他人事とは思え . . . 本文を読む
今や珍しい現地純ロシア映画。人類で初めて宇宙に飛び立った人間なんだから英語ではまずいとは誰でも思うが、ロシア語で安心する。でも最近英語を話すドイツ人なんて映画はざらなんだよね。
で、映画の方は、と言えば、これがねえ、丁寧には作ってはいるんだけど、想像していた人間が初めて宇宙へ行くということの恐怖感、訓練との葛藤、家族との絆等々、、が表現されておらず、結構普通の良好な人間像になっている。
でもそ . . . 本文を読む
おばちゃん7人と駆け出しバスガイドのしょぼいお兄さんがいます。おばちゃん役の7人は全く無名の俳優さんたちです。しかも一人も美人がおりません。これは映画反則なのかもしれません。
7人が小さなバスツアーで山に迷い込む話です。特にストーリーはありません。
テーマ的にハリウッド版「ポセンドンアドベンチャー」のような災害に対する人生の勇気を得るといった代物では決してありません。7人それぞれの人生が多少な . . . 本文を読む
そんなに賞を取っている映画だなんて知らず、相変わらず何の先入観もないまま鑑賞した。陰惨な殺人事件をベースにしているが、どこか全編に渡り抒情的なんだよね。そこがこの映画の魅力だと思う。
先鋭ではないが何か変わっている映像カット群。ミステリーの雰囲気をどんより漂わせ筋を読ませる前半部分の展開。何より得体のしれない男と女のほつれあい。熊のような刑事と美人過ぎる被疑者との官能的表現がたまらん。
特に野 . . . 本文を読む
ダルドリーは大好きな監督だ。「めぐりあう時間たち」「愛を読む人」の秀作群は今でも僕の心をときめかせる。でも、、
ハリウッド的な作品を作らないのがダルドリーのいいところなのに、今回は悪の権現たる権力を用いる人たちへの描写が甘い。ブラジルの裏社会がほとんど描かれず、子供3人を追いかけていつも逃げられるあのひどさはもうフランス風コメディの領域だ。
あの執拗な悪徳刑事も結構よかったのに、最後子供たちに . . . 本文を読む
予告編を見て絶対見ようと思った映画。でもなあ、いいんだけど見終わった後は何か普通の映画。殻を破った映画とは言えない気がする。何かなあ、、。
確かにサクラは抜けている女優である。まさに天職だよね。一挙画面を独り占めにするその存在感はすごい。(敢えて言うとDOCOMOのお父さんとのあのキャッチボールCMは、サクラがものすごくいいのに、岩松了もそれにも増してすこぶるいい。いつも最後まで見てしまうその凝 . . . 本文を読む
大好きな演技派ミアが主演ということで気になり鑑賞。ハリウッドのゴシップ業界を基調に、かなり異常な血縁に現代性を求めているとでも言おうか、まああまり本気に見ない方がいい映画なのかもしれません。
大体ストーリーは近親結婚が招いたある一族の不幸なんですが、本筋は時間的にも映画的説明もはしょられており、つまらない人間たちがうようよいるとで言いたげなクローネンバーグの暴露的ハリウッド観が洪水のように描写さ . . . 本文を読む
年末はダニエルを見て年を越すのが年課(?)となっている。
出し物は青春時代をゆうに超えたもはや決して若くとは言えない男たちの他愛ないドラマであります。でもふと気づくと過酷でどこに行きようもない青年たちがそこにいる。家族を持っている人もいる。でも現実はみんな厳しい。
そんな中、ある青年のアパートに4人が集まる。昔懐かしのテントが広げられていて、みんなその中に入り青春を思い起こす。戻れない日々。前 . . . 本文を読む
遅くなりました。昨年のベストテンです。日本映画が最初は10本入らなかった。偶然か、女性監督が1位、2位に。外国映画は多種多彩だった。作品的には「悪童日記」だろうが、やはり老人でも絵本のような夢を垣間見る。「ぼくを探しに」、フランス映画のエッセンスが詰まっている。評判高い「パラダイス:愛/神/希望」は残念ながら未見でした。
日本映画
1・そこのみにて光輝く(呉美保) 2・0.5ミリ (安藤桃子) . . . 本文を読む
「暮れ逢い」は8年のプラトニック。本作は何と現代の話なのに12年。これって偶然?
しかもキッスもなし、なーんて現代の奇跡のような話でございます。この二人、お互いにそれぞれ別の男女とは普通の恋愛はしている。けれど本当に欲しているのは子供時代から知り合いの二人だった、、。なんて、どこかで読んだことがあるような、ないようなお話です。
この混迷した現代だからこそこういう純愛が流行るのかもしれませんが、 . . . 本文を読む
随分久々のルコント作品。出し物はあっと驚くハーレクイン風純愛もの。ドイツの話なのになぜか全編英語。と、ちょっと多少違和感のある作品ではありますが、さすが老巨匠、腐っても鯛、なかなかの雰囲気、愛の情念を伝えております。
ルコントが描きたかったのは、プラトニックラブが、激動の時代を超え、8年という歳月にも堪え抜き、十分朽ち果てることがなく強く持ち続けることができるだろうか、ということだと思う。
確 . . . 本文を読む
「気まぐれな唇」からずっとサンスを見続けているが、今回も洒落た作品だ。上映時間も70分ぐらいでうんと短い。映画は90分とよく言われるが、さらに短くして十分長編足り得るその力量にはうーんと唸らせる。
見始めて1分でもう観客はそののほほんフランス的会話の妙にサンスの世界に入ってしまう。常連たるムン・ソリもそこは手慣れたもので(最近ふっくらしてきたが)相変わらず演技をしていないような演技をする。(あの . . . 本文を読む
昨年のことを新年になって書き始めるというのも何かおこごましい気もするが、年末はぎりぎりまで仕事等で忙しく珍しく余裕のない年越しとなってしまった。
とは言え、時間を見つけて年末に結局は3本の映画を見たのだからそうでもないのかも。大晦日は急に用事がなくなり街に飛び出したのだった。行く先は梅田スカイビル。とはいっても外人が多く来る展望台へは行かず相変わらずの映画館へ。
まず食事をしようと地下のレスト . . . 本文を読む