目を背けたくなる一人一人の親から子への暴力。ぼくたちがそこに暗黒を見てしまうのはその行為にあるのではなく、親たちのその心の暗黒だ。その救いのなさに唖然とする。
むしろ彼らに静寂の永遠を与えたことは彼らには至福のいざないでなかったか。
その意味では明るい結末だったように僕には思える。
落ち着いた静かな演出は初演出とは思えないほど、これからのダンカンワールドを予感させる。
秀作。
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うーん、ずっと観客は謎を追って画面の意味を探ろうとしているのに、、、
この手は禁じ手じゃないのかね。
俳優が一流で、しかも今脂の乗り切っている3人だから、画面をつくねんと追っていたのだ。謎が謎を呼び、見れば見るほど分からなくなる映画も珍しいなあ、と思っていたら、、、
次からはネタバレです。
それはないよ。
こういうことが許されるのであれば、何でも作れちゃうよね。映像という世界でもこれはアンフ . . . 本文を読む
結構こういう人たちって意外といるんじゃないでしょうか、、。ただ、兄弟揃っていうのは珍しい気もするが。
実世界で、まじめにこつこつ迷惑をかけるわけでもなく仕事をし、ちょっとした楽しみを希望にその日を大事に生きている人は実はおおかたの大人なのだ。
この映画の主人公たちは小学生がそのまま大人になってしまった(年齢だけだが)子供であるということがキーである。
大人風情なのに子供だからキモイのか、兄弟なのに . . . 本文を読む
本当にあったなんて信じられない日本での捕虜収容所での美談の映画化です。
でも、あまりにいい人ばかりなので、お話自体が浮いちゃいましたね。
会津談義がこういう話で使われるといかにも、という感じだし、ウソ、ウソといった感が強いので、どこまでが本当なのか全体に疑わしくなる。
ラスト近くの第9のみんなの首の揺れはNHKののど自慢のそれみたいだし、これはいわゆるダサいといってもいいのではないでしょうか、、。 . . . 本文を読む
ごめんなさい。テレビも一度も見たことがない僕がこの映画を見てもまったくギャグも面白かろうはずがなく、みんなくすくす笑っているところでさえ意味も分かりませんでした。この感じは「木更津キャッツアイ 日本シリーズ」でも少々思ったが、あれはすぐその世界に入ることが出来た。
やはりぼくには仲間由紀恵のあの突っ込みに違和感を持ってしまったようだ。
テレビでこういうものを見ると面白いのかもしれないね。片平なぎさ . . . 本文を読む
ファーストシーンから度肝を抜く密度の高いアッパーカットで画面に引き付けられる憎い演出、意気込み。フィリップ・シーモア・ホフマンの演技の壮絶さ。圧倒されます。ものすごいです。かっこいいです。いい俳優になったなあ。
対してトム・クルーズもなかなか若さが衰えず走る、走る。50m近いビルを飛び移ったり、ものすごいことの連続。頑張ったなあ。まだまだ行けること、確信しました。
ストーリーも展開も手に汗を握るシ . . . 本文を読む
仕事もやめ、東京の下町蒲田に風呂のない部屋に住む躁鬱症の女。
最初はいろんな男との会話が面白く、これは形を変えた男ロードムービーかなと思い、楽しんでいたら、いとこである豊川悦司が同居し出してから、急遽退屈してきた。
豊川悦司が何故彼女にまとわり付くのか明確でなく、彼女の彼に対する気持ちも普通以上の何者でもなく、描写も退屈なのである。
特に延々と続くカラオケシーンは意味も感じられず眠ってしまいそうだ . . . 本文を読む
登場人物も多く誰が主人公か分からない展開は珍しく面白い。
特に金融系の話は作者の得意とするところなので親身がありうまい。
途中からどんどん人が殺されてゆくのは恐怖すら感じるが、ラストへと一気に持っていく。単純に楽しめる楽しめるミステリーです。
70点 . . . 本文を読む
最近のミステリーでは味わえないいわゆる推理小説風。
二転三転するので読んでいて面白いが、所詮人間への探求がおろそかなので、テクニックだけが前面に出て、読んだ後の読後感が希薄だ。
犯人を推理するのは難易度も高いが、それだけの感もある。
こんな殺人事件は実際絶対起こりえないのでだんだんだらけてくる。
50点 . . . 本文を読む
前半は絶対マンガ本を読んでいたほうがいい展開だったのでうんざりしていたが、藤原竜也が本格犯罪者になり始めてから俄然面白く、これは日本では珍しいサイコクライムもので、映画的にもわくわくする素材となっていくのが分かってくる。
演出、演技というより、何よりも原作の勝利ですね。こういうスケールの大きなストーリーは僕の脳裡を激しく攻め立ててくれます。
後編まで待てるでしょうか、、。
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1968年ごろというのは僕の青春の原点時期であり、Bというジャズ喫茶なんかでのあの雰囲気は否が応でも染み付いています。
その当事、まともと思っている若者は(少数派ですが)人生上のすべてを毎日のように悩み考えていたんです。もちろん映画のように擬似革命みたいなことを夢想したり、議論していたものです。
そんな若者の痛みとか、哀しみがじんわり伝わってきて、不覚にも僕は涙してしまいました。ぼくたちの . . . 本文を読む
久々のハルストレム、待っただけのことはありました。素晴らしいゴージャスさで中世のベニスでの圧巻の絵巻物。音楽も全篇バロックで、その絢爛豪華な映像に釘付けになりました。
最近どちらかというと薄っぺらい映像ばかり見ていた感じがするので、この映画ならではの色彩感、豪華さ、楽しさにはうっとり。
ヒース・レジャーもさわやかなカサノバを演じ切り、目の光に今乗り切った躍動感がある。
あえて言うとシエナ・ミラーに . . . 本文を読む
思いもかけない丁寧でじっくりと描いた演出が立派。映画的センスが出だしから光っており、その後はもうこの監督のペースにはめられてしまった。
YUIも女優ではないのにいい演技。塚本高史も内面演技は素晴らしい。
女友達とか両親、特に母親役の麻木久仁子は的確な演技で驚いた。
カメラの舐めるような動きにはもう老成感さえ感じられるぐらいゆとりがあり、踏切での二人の口づけは二人のこれからの危うさを象徴した素晴らし . . . 本文を読む
直球型の純愛ラブストーリー。何故こういう映画が日本で出来ないのかなあ。不思議でならない。
まずどこにでもいそうな男と女というのがいいね。臨時地下鉄運転手とスーパーの女店員。目の前の恋愛より少しは夢を見たい、白馬の王子様を夢想する女。生活観も庶民感覚のリアリティーが生きて、等身大のラブストーリーがより強いものになる。このあたりの二人の演技は絶品。
図書館を題材にするラブストーリーというのも結構あるが . . . 本文を読む
映画へのオマージュというより再婚に伴う子供たちの不安定な心情をテーマにしたものと見ました。なかなか丁寧に描いてあり、好感の持てた映画です。原っぱで映画館を見たことのある僕としてはノスタルジー豊かな情感が好きです。
あの弟は神様が試練に与えたキューピッドなんですね。
ずたずたになり、離れ離れになった家族がそれぞれ熱い思いで通り過ぎた歳月を感じるとき、この映画のテーマも痛切なものになってくる。
ラ . . . 本文を読む