長い題名である。「どこよりも遠く、どこでもあった場所。あるいは、どこよりも近く、なにもない。」これがテーマである。
そして90分の劇でこのテーマが明かされる、、。それは家族である、と。
借マンションだけど、家がある。家族が集う場所。この劇は「家とは何か」と我々に問う。
現代のわれわれ、家族とは何かと時々考えることもあれど、家とは何かなんてあまり考えない。家とは戦前において、人間を束縛し、家か . . . 本文を読む
確かに個性的で、舞台でまさに運動会(いや失礼オリンピック?)を奏でるこんな演劇を見たことはなかった。みんな一所懸命で汗だくで、アスリートを演じてる。
そして一気に2時間。
これは凄いことですぞ。中には若くもない人もいるし、これだけのスポーツ演技をするには練習が通常の倍はしないとできんだろう。ほんと、お疲れさまでした。この舞台は演劇の範疇を超えてるわな。
これだけ自由に演劇を(特に娯楽性を目指 . . . 本文を読む
もう忘れかけている青春の甘酸っぱい、ほろ苦い、残酷なひと時をこの小説に感じる。学校の期末テスト前の事件をつなぐ人間関係がとても鮮やかに描かれていて、感心。
もはや何も出てこないはずの密室物に本格的に対峙しているその姿勢は本当にみごとの一言。頭が下がります。
ミステリーでありながら、時を越えてみずみずしい感性に戻ることのできる本書は実に素晴らしい。自作がもう楽しみです。 . . . 本文を読む
なるほどこういう映画か、と見ていて思う。あの流麗な美貌女優という印象の強いダイアン・クルーガーが鋼鉄のような女を演じる。そうせざるを得ない女の心情は観客には手に取るように分かる映画でもあります。
特に難しい映画ではなく、むしろエンタメ十分な映画ですな。社会的な背景をかなり含んではいるが、特に問題提起しているわけでもなく、普通は気づかないものの、巻き込まれると魑魅魍魎の様相を見せるこの現実こそが我 . . . 本文を読む
最近の米映画では感じられない繊細でフィットした映像、音楽が続き、しっとりと心のひだに沁みわたる。ニューヨーカーも現代日本人とそれほど変わらないなあなんて思ってしまうそんなウキウキ映画でした。
すごく気に入って、予想通りあの恋愛に突入し、父・息子との対戦かと思いきや、ああいうラストが待ち構えていたとは、、。
これをどう評価するかなんですが、どうも僕はすっきりしませんな。あの結婚の秘密がいかにも嘘 . . . 本文を読む
3つのオムニバスと一つのインターミッション。Bバージョンです。二人芝居です。じっくり劇を見られます。今までの岩橋の毒が意外と抜けていて、いかにもフェアリーといった感じ。こんな演劇空間を創造できるんだね。素敵でした。
最初の「とんがり帽子」も力作でしたが、2番目の「食前酒」がなかなかいい味わい。引きこまれる展開に唸ります。一番、分かり易いのは「シヌノラ」でしょうな。笑えるし、ノスタルジーまで感じま . . . 本文を読む
冒頭から秀逸な厳然とした映像を見せつけられる。自信があるんだろうなあ。そして愛のかけらもない人間どもの話が始まるのである。
こういう夫婦もいるんだろうなあ。実際そんな事件は毎日のように新聞を賑わせている。それが現代である。もはやこの荒野はむしばまれ、人間は彷徨うことすら忘れているかのようだ、と。
ええ、良ーく分かるような気がする作品です。けれど愛もないのにセックスだけは、し続ける人間はやはり本 . . . 本文を読む
こういう自由を守ろうというメッセージ映画を政治映画と言う範疇ではなく、娯楽映画にしてしまうスピルバーグの才能に惚れ惚れしてしまいます。映画はもうラストまで一気。これだけの題材でこれほどの映画を作り込むこの技術、いや気持ちの入りっぷりに感動。
1970年ごろって、僕の中ではついこの間なんだけど、随分とレトロっぽい時代性を感じましたねえ。スピルバーグの美術の積み重ね。最初の方の壁のポスター、「明日に . . . 本文を読む
おお、これは今や懐かしき火曜サスペンス劇場そのものであります。この劇の中で殺人が3件、二重人格、オフィスラブ、近親相関的愛情など詰め込み過ぎともいえるほど、ごった煮であります。ストーリーが広がりすぎて、ちょっと観客がついていけないほどになってきたところで、ジエンド。楽しかったです。エンタメです。
でも、題名のような深淵な人生の、男女の愛憎を期待してきたファンにはちょっと満足度が足りないかも。でも . . . 本文を読む