前置きがあってこの演劇はコントであり、意味などないのだよ、と。
ところがコントとは言っても劇自体が本格的なのだ。いわゆる漫才と間違えてしまう演劇などではない。俳優の発声も確かだし、脚本もよく書けている。何より俳優の演技が本格的。5,6個のショートを劇にしているが、コントにしては2時間強の上映時間でやはりこの部分も本格的。なかなか身を張って演技しているので身を乗り出してしまう。俳優さんたちご苦労さ . . . 本文を読む
初めての劇団。最近はそういうパターンが多い。映画と同様日付が合えば演劇は見る。だいたい仕事の関係で平日しか休みはなく、映画より演劇のほうが当然平日上演というものは少ない。というか、平日でも金曜はあるがそれ以外はほとんど上演されない。
かくて私はそういう稀有な演劇をさ迷い見る。
この劇は初めての劇団でもあり、またさらに始めて天六の劇場で見ることになった。狭いところだろうなあと思っていたら、2階で . . . 本文を読む
久々の西澤作品。ほとんど初めてみたいなものだけど、その若々しい文体と会話に驚いてしまう。見事現代大学生の言語が語られる。
飲み会での彼らの会話はでも僕にはとても饒舌過ぎて退屈。それほど本筋とは関係なくもあり、これが西澤の特徴なのかな。
一見関係ない二つの事件がグーンと吸引力を持ち始めるくだりは確かに面白いが、素材が古臭い交換殺人とは、、。ちょっとずるい気も。
300ページのある小説だが、でも読みや . . . 本文を読む
今週は忙しくて休みは本日のみ。家でのんびりしようとも思ったが、見たい映画があり朝から家を出る。
まず難波のTOHOなんばで「シャッターアイランド」。予告編であああれこれやられたら見ないわけにはいかんでしょう。で、いつも通り監督者も分からず見ていたが、結構まともな監督ぶりにうまいなあと思う。(終わってからスコセッシ監督だと分かるが)
この映画は一応ミステリーの形式を取っているのでトリックが途中で分 . . . 本文を読む
男はつばをどこにでも吐く。言葉はすべてクソという表現を使う。いかにもチンピラ風情。しかもいつもキレている。オオカミが飢えている。遠吠えさえ聞こえてきそうだ。近づかない方がいいタイプ。そんな底辺に蠢いている男がこの映画の主人公だ。
つばを吐きかけられて少女は男にがんをつける。男は女を当然殴る。女も負けてはいない。男を殴る。面白い。緊張感が走る。真実の瞬間だ。心の想いそのものをぶつかり合う。二人は似 . . . 本文を読む
小説では自由な描き方も、映画となれば映像で説明して行くわけであるから、多少の禁じ手は必要ではないか、と私は個人的に思っている。
ネタバレです。
『シックスセンス』がどうしてもこの映画の場合連想されるが、見事騙された僕からすれば、主人公から見た映像をそのまま追っているだけだからセーフだと思える。しかし本作は真実の実映像と主人公の脳裏の映像との隔たりが明確でなく、これは観客を騙すトリック . . . 本文を読む
表題の酒は置いといて、昨年マンションに引っ越ししたことを機会に狭いベランダで何か栽培でもしてみようかと今いろんなものに挑戦している。
前からいろいろ園芸なるものはしたことはあるが、どこにでもあるものをちょっと栽培してみたり、など全くの素人ではないが、それほどまともにやっていたわけではない。
今回、結構広いスペースを与えられたということもあり、何か本格的にやってみようと昨秋から苗等を購入していた . . . 本文を読む
石持の新作。期待したんだけれどなあ、、。倒叙ものと言っていいのかな、割とフランキーな主人公の男が恋人が犯人だと確信し、やきもきする話だ。
ぼくはこの本、最後の最後で大どんでん返しがあると思ってた。しからば誰が犯人だろうか、と。しかし、動機もそのうち解明されて、めぼしい犯人がいなくなっていく。そして、、。
石持にしては愛情が薄いというか、ミステリーとしては怠惰だと思う。ラストは結構白眉の恋愛小説 . . . 本文を読む
今年2回目の東京出張。大体行くと昔の友人たちと飲んだり、だべったりして楽しく夜を過ごすのだが、今回はみんな元気がなく、一人は心臓の手術までするという。
仕方なく、今回は一人行動を強行。とはいっても、寄る年波。自然と行動は限られる。
月曜日は早朝から飛行機で羽田へ。10時頃には会議につく。年々苦しい話。毎年こんなんで大丈夫だろうか、と折れ線グラフの成長度を見る。日本全体が悪い、が話じゃなくなって . . . 本文を読む
久々の下北沢での公演鑑賞。何の前知識もないまま見たが、これは自由奔放、大人が素直に童心に戻ることのできる力作だ。現代の日本から遠い先の話。地球は何故か滅びて、海賊がまかり通る。少ない食料を求めてそれでも人々は生きていく、、。
アマゾネス風の海賊が出現したり、やけに弱い男どもが目につくが、それらは今そこにある現代を風刺しており、視点はある意味現代的である。9人ほどの登場人物が全員主役を配していると . . . 本文を読む
何か見たことのある映画だなあと思い始めたけれど、新作だというし、でも見ていてこれは原作を読んだことがあるのかな、と思った。でも中盤の劇中劇でこれは見たことのある映画ではないだろうかと思い始めた。
帰って調べてみると、何と同監督が7年ほど前に『十三通目の手紙』という映画を監督していた。そして製作者も同一人物であった。つまり、焼き直しの映画ということであったのだ。前作はジャズだったのが今回はビートル . . . 本文を読む
とてもいい話。美談。誰も悪い人がいない無菌の世界。老いた二人の真実の愛の物語。とは言っても、この作品はテーマがそこにあっても、観客を騙し取ってしまわないことには本当の面白さは出ないはず。
ネタバレです。
いつもぼんくらな吾輩がこの映画に限って、冒頭の5分ですべてが分かってしまった。これがぼくの不幸、、。
ミステリー部分がなくなったら、この映画はただの老夫婦のけなげな純粋な愛のストーリーを見届 . . . 本文を読む
平日の昼間公演、はじめての演劇集団ということで、全く白紙の状態で観賞したが、みんな若くてしかも出演者も多く、演劇とは何か、演劇を携わるものの悩み、強さ、弱さを2時間弱で描き切る。
思いがけない大胆な内容で、僕は大いに気に入ってしまった。やはり演劇を携わってしまった人たちの生きざまは我々一般人(観客側)にとっても大いに気になるところ。
演劇をするということは何かを捨てなければならないということ。 . . . 本文を読む