若い野郎たちの劇団である。大学劇団の延長戦の有志を集めた劇団で、こういうのはよくありますね。僕でさえ、見知った人がいるので、けれど安心できる劇団である
脚本は既成のものなんだね。130分の長尺なので、セリフを全部覚えるのに大変だったんだろうなあと思う。でも、やりがいのある劇の構成なので、彼らが今いる地点。これからの人生を思うに実にいい演劇となった。
テーマは現代の若者が維新前の京都に舞い込んで . . . 本文を読む
地方の駅の隅にある出張所。町興しと人口の低減という問題。そこに男女の愛の迷いまでが伝染してゆく、、。
と、繊細な話なんですが、70分という短い時間に現代の地方問題とそこに住んでいる人たちの苦悩がさらりと切り取られる。女性らしい感性のセリフが続き、完成度は高い。
都会からやってくる厭らしい文化人とその妻の都会性もクローズアップされ、我々都会人もある意味非難されていることを知るのだ。秀作。 . . . 本文を読む
20人ほどの出演者。みんなを生かすのに脚本が重要だ。とある国のとある時期の目の前にある障壁である戦争という実態。現代日本人があまり実感のない戦争を捉え、若者ならではのつかの間の青春を描く。
2回目の鑑賞劇団だが、よく練習しているのがわかる。セリフのトチリはほとんどなし。この若い集団でこれは立派。今回の劇のテーマが彼らに浸透したのだろうか、100%の出来で彼らは演技する。演技がうまかろうが、下手だ . . . 本文を読む
クリスティの名作で映画化もされた有名な作品である。もち、犯人は分かっているから僕は全く真っ白の観客向けの伏線を探す余裕さえある。
この2時間半劇はけれどクリスティの骨格を全く崩していない。セオリーはそのままにクリスティを楽しめる。これがまずこの劇の第一の成功理由だ。衣装も豪華で、女優も美しい。エンタメ演劇をを兼ね備え、ストーリーは本格ミステリーときたらこれはもう35周年のファン感謝デーに匹敵する . . . 本文を読む
今回でこの劇団では2回目の鑑賞。前回はお気に入り「空晴」との合同公演ということで、初めて見たのが、「隠れ家」。これは「空晴」にリップサービスした面白いユニークな作品でした。内藤氏は柔らかそうな人なのに男性10人を赤フンでヌードをさらけ出したり、思い切り男気のある怖いお方とお見受けしました。
そして今回はこの劇団でも名作と名高い再演です。
昭和真っ盛りのシチュエーション。少々唐十郎や寺山修司など . . . 本文を読む
珍しい読書感想文という素材でミステリーに挑むという設定に惹かれました。
でも、ちょっと切り込みも鋭くなく、普通の感想文の域を超えていない気もしました。これからどんな書評を選んでいくのかが鍵ですね。
スグリちゃんはなかなかの美女設定だが、ちょっと類型的ではあるかも。それを見越して直山先生が家庭科の男子先生というのが新鮮ですが、今のところそれを生かし切れていないのでは。 . . . 本文を読む
総勢16名がHEPで爆発。2時間の長時間にもかかわらず、まったく時間を気にしない結論的には秀逸コメディでした。コメディというジャンルを超えたファンサービスですな。とても楽しいいい時間でした。
前回のオリンピック運動会ものも目を見張ったけれど、今回はきちんと演劇に徹してました。とにかく、観客と一体感のある空気感がすこぶるいいね。 . . . 本文を読む
いつも心がしっとり、お気に入りの劇団である。
栃木ゆーじさんという方、恐らくあの人なんだろうなあ、今まで実に味わい深い作品を提供していた人なので、ちょっとご年配かなあと思っていたけど、あの人ならまだ30代。実に若い。
そして今回はシェアハウスという現代的な設定なので、内容はともかくヤングが織りなす恋愛模様なんです。ちょっと甘いところもあるけど、この劇途中で、舞台が分岐します。観客はA室か、B室 . . . 本文を読む
前作、あれほど話題の作品で僕はちょっと本格からほど遠いことと、ゾンビものが好きでなくて低評価でした。そして本作。ヤングがいっぱい出てくるので、感覚は嫌ではなかったが、また今度も好みではないオカルトもの。
こういうのはどちらかというといくらでも嘘が書けるんだよね。純粋の本格ものを信望する吾輩としては、やはりいい加減、といったイメージが付きまとう。
登場人物が少ないので、犯人当てを考えつつページを . . . 本文を読む
ダウトというセリフが時々飛び交う。そうこの劇はトランプの「ダウト」をヒントに劇化したものだともいえるが、王女様が出てきたり、悩める若人の男女が切なく語られるので、女性らしい作者が織りなすファンタジー世界は個性的で、きらびやかだ。
けれど敢えてこの作品に踏み込むと、ちょっと学生演劇っぽい雰囲気がずっと流れ、いやに甘酸っぱすぎる。劇の最初はちょっとぎこちなさもありどうかなと思ったが、20分過ぎてから . . . 本文を読む
「64」以降初めての新作だったので期待わくわくでしたが、思いがけず警察ものではなく、ちょっと拍子抜けの漢字が漂い、前半は小さな謎が綿々と綴られてていくだけなので、だんだん気持ちも遠のいていきそうだったが、それでも後半はいつもの横山節が鳴り響く。
ラストにかけてはページを繰るのがもどかしいほど、ハートフルな小説でした。さすがです。 . . . 本文を読む
お気に入りイランの名匠ファルハディの新作。いつもこの人の作品って、悪く言えばずるいところがあり、ところが見終わってからは、それにも増して納得してしまうんだから、僕にとっては変な監督だ。
冒頭からの結婚式を控えての何十年ぶりかの家族ご帰還ぶりのシ-ンは、さすがとうなさせられる部分も見せてくれて、それは映画の醍醐味でさえあります。ところがこの作品の魅力は、そのパーティーの夜から始まるのです。
それ . . . 本文を読む
サザンシアター移転ということで、初めての劇場。難波OCATから少し歩いたところにあった。近くはマンションが立ち並ぶ住宅街で、ナンバ近くにこういうところがあるのに驚く。館内はほとんど船場と変わらない構造で、また違う意味で驚きもする。
劇は旧作のコント集。どうも久々の公演らしいのだが、僕には初めての劇団。なかなか凝った脚本で、面白いのだが、ユニーク過ぎて狙い通りに面白がらせてくれないところがあります . . . 本文を読む