主人公は知恵遅れの母親と捨て子で拾ってきた子供なんだが、僕には歩行障害が多少あるためにやむを得ず知恵遅れの女性を娶った男に関心が行く。
歩行に少々障害あるからと言って結婚の妨げにまでなると言うのも中国農村らしいと言うべきか、不思議な閉鎖社会である。知恵遅れの女性を娶ったのはいいが、労働もままならず、ましてや家事すべてが男の背中にかかってくるのだ。大変だなあと思う。
それでも、男は小さいながらも . . . 本文を読む
007をかなり変形した異色作なんだろうなあ、恋人の死を引きずる007、上司Mから疑惑の念を持たれる007、それらは今までの非人間的ヒーローから僕たち普通の人間に極端に近づいていることを表わしている。
そういう視点からこの映画を見ているから、前作に比してダイナミックさとスピードと、何よりワクワクする面白さに欠けていると思ってしまったのかもしれないが、何か切れが悪いんだよなあ。
やはり007は心の . . . 本文を読む
まるで映画「シックス・センス」のごとく死者が見えてしまう少年と同じ現象のレンタル店員のハートウォーミングであります。
挿話がそれぞれオムニバス風で語られるが、最後には主人公の秘密も解決されようとする。映画化するとかなりよさそうな話だが、ただ僕には書き込みが少々足りないように思ってしまった。
それぞれのハナシに感動しないのであります。通常、この内容であったら涙は出るはず。僕の心情のせいなのか、日明 . . . 本文を読む
前作『ダヴィンチ・コード』の、あの謎解きの面白さにつられ今回も見てしまいました。でも今回は製作側の作戦が周到というか、まず完全ワトスン役の実力派【アイェレット・ゾラー】を色添えにし脇を固める。(【オドレイ・トトゥ】に較べると随分色が気味目だが、、)
次は教授だ。前作では謎解きそのもののプロセスが大きな魅力だったのが、まるでジェットコースターに乗っているがごとく一瞬にして謎解きを解決をし、4つの殺 . . . 本文を読む
このハナシはたまたまテレビで見ました。急に式場を探したが、何処も駄目で、たまたまキャンセルがあっていい式場が手配できて、その素晴しい結婚式に号泣しちゃったことを昨日のように思い出します。
映画はその花嫁の気持ちをほぼ主観的に追う。そのため自分の病気が難病だと分かったときの心理は描かれていない。タロウと同じく彼女の話からしかそれは伝わらない。こういう範疇の映画ではこれは珍しい。主人公の気持ちの上で . . . 本文を読む
通常の戦記ものでも随分時代性を感じるなあと思っていたら、明治維新直前ぐらいの時代背景であり、『レッドクリフ』などとは較べることが出来ないぐらいむしろ現代に近い時代の話である。
アヘン戦争以来の清国の内乱を描いているわけだが、思想的理由で体制側についているわけではない賊軍が体制の中枢に成長(?)する過程を描いたエンターテイメントである。
この初動説明がいまいち明瞭でない。何故彼らは闘っているのか . . . 本文を読む
なんだこれ、昔テレビで見ていた牛追い「ローハイド」と型通りの悪役配置そして大地&大自然を描写する超スペクタクル映像、なーんてどう考えても50年前の西部劇にタイムスリップした感じです。
ながーいです。冗漫です。アボリジニの原住民政策の後悔話もありますが、表面的でつまらんです。これで【ニコール・キッドマン】がまともに乗馬をたしなんでいればそれなりに面白さも倍加したのでしょうけれど、映っているのは上半 . . . 本文を読む
アメリカ映画では珍しいホームドラマだ。姉の結婚式に戻って来る招かれざる客という存在の妹。この家庭にほとほと疲れたのか嫌々式にだけ戻ってくる元母親。そしていい娘役を演じていた姉もこの家から旅立とうと(逃げ去ろうと)している、、。
何か設定が舞台劇のようでもある。気分が悪くなるほど揺れる手持ちカメラ。それは妹の心理状態を表わしている。観客はジコチューでどうしようもない女の子【アン・ハサウェイ】と、否 . . . 本文を読む
ジャッキーのターミナルポイントとしての演技を見るべきなのか、今までとはイメチェンを図ろうと模索しているのは分かるが、、。
まず普通の中国人になりきっているその人物像に驚いてしまう。別にジャッキーでなくてもいい役柄で、だからこそ演技をじっくり見るべきなのか、しかしこの映画の背景は新宿のマフィアものであるからして、観客はジャッキーのアクション演技をどうしても画面から透視してしまうのである。
映画自 . . . 本文を読む
うーん、ミステリーというか、こりゃあ完全に観客をだましにかける引っかけ映画(こんなジャンルってあったけな?)というべきでしょうか、、。
ハナシがどうも変で、その変さが何処に起因しているのか明確でなく、けれども一応【アン・ハサウェイ】中心に動き回る展開なので安心していたら、最後にあっといわせるどんでん返し。まあ面白いけれど、伏線といったものも結構不明瞭なので真相に途中から気付く人なんているのだろう . . . 本文を読む
世間では高速道路1000円オンリー、海外に出ればインフルエンザ、という風評で始まった今年のG・W,僕の場合はほとんど一歩も外に出ない近年珍しいお休みとなりました。
ちょっと今、家財を更新したり、組み立てたりしているので不慣れな日曜大工的な工作をその間ずっとやって来た。掌はすりむけるは、指は痛いは、である意味散々なんだが、たまには家庭孝行も仕方のないところ。実際僕がやらないと全くはかどらない。
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町の消滅。すなわち滅びとは何か。人間は町で何をしてきたか。人間の営みとは一体全体何なんだろうか、、。真剣に考えている【ジャ・ジャンクー】の新作だ。
【ジャンクー】は前作『長江哀歌』から滅びの意味を観客とともに問うている。前作では塔のような煙突ビルがストンと一瞬にして壊滅する映像を垣間見せた。人は常に水を求め咽喉を乾かせている。ペットボトルは欠かせない必需品だ。
今回は国家政策とともに生き延びて . . . 本文を読む
面白い。ちょっと高級な感じのするコンゲームめいたサスペンスコメディといえばいいのか、4画面の分割をうまくするりとまとめて、めちゃ楽しめる作品となっている。
小説ならいざ知らず、映画でこんな手の込んだ作り方で退屈させずに、常に観客の口元をほどけさせているというのも、実に巧妙な【トニー・ギルロイ】の成せる業かな。うなりました。好きだなあ、こんな映画。映画の新しい方向性を導き出す何かを感じさせる出来だ . . . 本文を読む
映像がダイナミック。構図が優れているし、クローズアップの連続も面白い。激動の時代、世相、心理を表すのに十分な脇固めが出来ている。全体の映像の配分も計算されすぎているぐらい巧妙だ。だが、、、
クイズを回答する時に自分史を辿って行く。回答と自分史との結合。そんなラッキーがあるわけないじゃん、といってしまえばその時点でこの映画の大切なハートをつかみそこなってしまうであろう。この映画のキーはここにある。 . . . 本文を読む