演劇では名作と名高い作品です。僕も2回ほど見ています。そのため、見どころは映画化でどうイメージが変わるのかということでした。そしてそれは見事成功していると思います。実に映画的な映画でした。
映像が美しいし、酒場以外に遠景を持たせたことで、演劇作品であることを忘れそうでした。俳優陣も(韓国語は知らないが)関西弁が実に鍛えられていて、自然でした。かなり特訓したんでしょうな。
導入部。次女が結婚届を . . . 本文を読む
5つの短編集かなと思ったら、最後の章がボリュームがあり、さらなる延長線+解決篇であった。この構成はなかなか面白く、目を見張ったが、如何せんあの結論はちょっとリアリティに欠く内容であり、いかにもという感が漂い始める。
例えば、暫定手術をするときには多数の人間が実施するわけであり、医療の倫理観からそんなに賛同する医師がいるのか、とか疑問を持つ。なんか嘘っぽいんだよね。ちょっと期待していた分、少々意気 . . . 本文を読む
碓氷優佳、戦慄の名推理という触れ込みなのだが、今回はなんだかなあ、、。
それぞれの仕事人生というか、蘊蓄があまり面白くなく、つまらなく、結構短い小説なのにそれを読み飛ばすと、すぐラストにまでなってしまいそうで、仕方なく読んでいました。
ミステリー部分はあまりにも明らかな殺人事件で、犯人探しより、動機探しのようで、でも今までのこのシリーズではちょっと冴えない感も無きにしも非ず。
でもいつもいつ . . . 本文を読む
導入部からなかなか、さすがと言っていいか、流麗な演出で魅せられる。もう2人芝居のような映画なんだが、途中から「ミザリー」タッチに変わってから、ホラーめいてくる。
でも不思議とそこからあまり面白くなくなって来るのは、このからくりが分かってくるからなんだろうが、まあ最後まで持続力は続いている。御年85歳のポランスキー、見事です。
エヴァ・グリーンの強烈な美貌・目力が画面を引き締めます。加点します。 . . . 本文を読む
名匠シュレンドルフの新作だ。さすが、導入部の男の語らいからさーと映像に浸る瞬間等、とてもうまく惹きつけられる。スカルスゴールのいぶし銀の演技、そして好みのニーナ・ホスのはっとする美女ぶり、とてもいかしてて魅了されるが、お話が如何せん絵空事過ぎました。少々残念至極。 . . . 本文を読む
うーん、これはまた本物の映画を撮られましたネ。これを見て、人生という基本部分はコメディであり、時折歓びがあり、それに伴う悲劇が生じるということがよーく分かります。僕も年を重ね、アレンと同じ心境になってきたということでしょうか、、。
ケイト・ウィンスレットは女の美しくない部分、むしろ醜い部分を体全体で表現できる、すなわち人間の本源を表現する偉大な女優になってしまわれました。もうイギリスの田中絹代で . . . 本文を読む
国家情報院、米CIA、警察そして北朝鮮エリート高官息子と北工作員とが四すくみも五すくみにもなる面白展開、韓国映画の娯楽性を引き立てる。俳優陣も見事で、実に安心して見ていられる。
チャン・ドンゴン、実に渋い年の取り方で若いころのギンギン感が薄れ、僕はこのドンゴンがかっこいいと思う。静かに秘めている熱情はだからこそラストに爆発する。
対する警察官のキム・ミョンミン、もう完全に暴走気味だが、エネルギ . . . 本文を読む
昨年のミステリー3冠という傑作の誉れ高い作品です。ページ数も少なく、登場人物も学生が主だから読みやすい。
ミステリーでそこまで期待するのはどうかと言われるかもしれないが、でもあまり登場人物が深く描かれていないので、みんな人間的な掘り下げ方が浅いこと。そして、本格ミステリーの要素のすべてはクリアしてるんだけど、伏線の張り方が少なく、あれだけで真犯人を探求できるかって、ちょっとなあという感じもなきに . . . 本文を読む
ホント久しぶりの沢崎登場。これをファンは待ってたんだね。と、そろりそろりとページをめくる、、。
相変わらずのチャンドラー雰囲気の会話。これを読みたくてこのシリーズを楽しみにしてたんだ。
ところが途中で結構退屈気味になる。ミステリー色が薄く、だんだん一気読みから離れてゆく。
途中のヤクザや刑事との会話もなんだかなあとまで思ってしまう。これほど沢崎を14年も待っていたのに、ファンとして何たること . . . 本文を読む
旗揚げ公演である。いつも新鮮な気持ちになり、期待が高く、ドキドキする旗揚げ公演は好きです。劇団の方は逆に大変なんだろうなあ、そんなきらきら感もありました。
客席は狭いのに詰め込んで、詰め込んで、これはきついわ。小さなスペースに体の大きな男性が座り込み、それから劇を見る喜びとシンプルな体に触れる(当たる)せめぎわを90分過ごしました。関西では随分久しぶり。東京ではしょっちゅうだったけどね。
で、 . . . 本文を読む
モノクロ映画だ。少々薄めの色調。美しい。はっとする。出だしは朝食を食べながらの妻からの繰り言シーン。男は女の顔を見れず心は宙を舞い、逃げ惑う、、。僕らはもう完全にホン・サンス世界に入り込んでいる。
相変わらず左右に動かしたり、寄って広げてゆく独特なカメラワーク。現代では珍しいむしろ古さを感じさせる感覚だ。相変わらずのホン・サンス節が炸裂する。
ところが今回サンスは時系列的に面白い不思議な取り組 . . . 本文を読む
「さらば冬のかもめ」風ロードムービーです。おじさんたちの青春はまさにベトナム戦争での死を賭けた闘いのもとで育まれたもの。それは30年の歳月を過ぎても風化することはなかった、、。
いい話なんだ。でもそれらは常に死をまとっている。20歳頃だった彼らはすでに初老の年代。上りは少なく、これからは駆け落ちる急な下り坂が待っているはず。
2日前に息子を亡くした男の掛け声でまた昔のよりを戻していく過程が素敵 . . . 本文を読む
上演時間いつもきっちりと90分。これ、映画もそうですが、人間の見られる時間の基本タイムです。そしていつも人間の、人と人の機微を忘れ去られた時を遡るかのようにじっくり見せてくれる空晴ワールド。いつもいつも感心して見てしまいます。
今回はいつもの勘違いからくる挿話が淡く、いつもほど強調していない。さらりと描いて、爆笑には持っていかない工夫がされていると思った。前作を経て、山を越えたのか、ちょっと方向 . . . 本文を読む
かなり好きな劇団うんなまの最新作です。前作は結構むずい感じでしたが秀作でした。この劇団はテーマによってコロコロ劇風が変わるので注意が必要だ。
今回は避難訓練の話。マジ、30年以内に遭遇するという南海トラフの話から始まり、両親は外国へ旅行するがテロにも遭遇する。地震対策として、水、電気、ガスなどどれが一番重要か、など問われる。
うんうんそうですね。と、感心して聞いていると、何だか繁澤氏の企みに引 . . . 本文を読む
まあ、よくあるパターンの恋愛論劇ではあるが、狭い劇場に大勢の俳優たち。しっかりお作った観客席。手作り感が漂い、親近感がある。
盛井氏ワールドをどれだけ堪能できるか、それがこの演劇の決め手である。彼の一人パワーでは行き届かないところを他の俳優陣が見事手助けしてる。このチームワークがシンプルな恋愛群をしっかり締めている。
見ていて楽しいし、よくできていると思う。でもあの狭い地下のライブハウス、大勢 . . . 本文を読む