映画が10年ほど前から急に好きになり、というより若い時から良く見てはいたのだが、急に映画がぼくの余暇の日常の中心となってしまった。
いいとこ年に4,5本しか見ていなかった僕が、週に4,5本は見るようになってしまったのである。その頃は韓国映画はまだ韓流なんてまだ言っていなかった時で、「シュリ」が起爆剤となり韓国映画がどんどん日本でも上映され始めた時であった。
渋谷の東急系の映画館でハン・ソッキュ . . . 本文を読む
映画館で初めて一人というレアな経験をこの映画でゲット。でも、全国でも一番小さな館内だと思われるので、映画館側ではそんなものだと思っているのかもしれません。
ところがこの映画はホラーだ。誰も助けてはくれない、どうしようと思っていたけれど、原因が低予算だけではない普通の作り方だったので、この映画にホラーの新しさの何かを感じることもなく終わってしまう。どうせホラーを作るのであれば、開き直ってうんと突拍 . . . 本文を読む
ドキュメンタリーの中にドラマが出現する。俳優を過去現在と対比させることにより、過ぎゆく時間、人の心その歳月のあり方を問うている。
幸田露伴の「五重塔」を読んだことがないので、映画で初めて勉強をさせてもらう不勉強ぶりの僕だが、でも下町の東京に根付く文化というか風俗に感じ入るものがあった。2時間まったく退屈することなく、この映画を見られたのはやはり【舩橋淳】の力によるものだろう。
ラスト存在しない . . . 本文を読む
相変わらず手持ちカメラ撮影がまさに我々がイラクのそこにいる感覚が色濃く出ていて出色の出来。ただ、政治色はあるようで実はそれほどでもなく、ボーンシリーズをただイラクに持ち込んだ感じも無きにしも非ず。
所詮エンタテイメントなんだから、細かいところを指摘するのは愚の骨頂とも言える。イラクの大量破壊兵器が事実無根だというのは既定のことだから製作できた映画なのだということを我々は知らなければならない。その . . . 本文を読む
台湾と日本の架け橋、トロッコ。子供達にはたまたま流れついてしまった異国からの脱出行であるし、遠い時代の占領下の親日台湾人からは未来へ託す希望への入り口だったのだ。
亡き父親の故郷に辿り着いた親子。兄の8歳の男の子は父親の遺骨を胸に家に入り込む。しばらくぶりの息子の帰還に父親は遺骨に鞭打って悲しみを訴える。この場面は強烈で日本と台湾との文化の違いをも考えてしまう。
そして台湾の自然、変わらぬ心、 . . . 本文を読む
現代版「東京物語」ですね。正面からオーソドックスにカメラに向かうその強さと、5編のエピソードを色濃く人生模様に紡いだ【小林】の手腕はやはりただものではない。一つ一つのエピソードが我が心に深く入り込んでしまった。
出だしはロングショットから始まる。むさい寒村独特の掘立小屋から飛び出す老人。そしてすぐ驚いたように追いかける少女。だんだんカメラは近づき男はかなり足が不自由なことが分かる。少女も足が地に . . . 本文を読む
メキシコ映画なんだけれど、その太陽のように物語自体明るいなあ。そして軽い。その、心地よい軽やかさ。しかし、その軽い彼ら兄弟でも一瞬に決める瞬間だけはちと重い。でも、また元のように人生も軽やかに生きていく。
ひょっとしたら、われらの人生もそんなに深く考えることなく、ただ前に行くだけでいいのではないだろうか、と思わせるほど、明るく簡単な人生が映画では展開させている。
サッカーを題材には取っているが . . . 本文を読む
舞台が1階と2階と観客から同時に見られるように設定してある。たまに交差するが、別の出し物と考えてもいいのだろう。俳優の時々放ついななきのような大声、いやだいやだと体を振る女の子など普通の演劇では見られない独創性も併せ持つ奇怪な集団演劇だ。
1時間半ほど十分まなこを広げて鑑賞しましたが、結局おじさんの僕には何だか伝わってくるものがなかったです。というより分からなかったデス。最近の演劇では珍しい現象 . . . 本文を読む
最近良くテレビ等で書道の文字を見て、その従来からの違いには目を見張っていました。半紙で書く書道が従来のいわゆるオーソドックススタイルならば、この映画の(ひょっとしてまたは現代の)書道は書道として表現するまでの過程をじっくり見させ、そして書く喜びなどを表現する。いわゆるパフォーマンスそのものとも言えそうです。
ラスト近くの、だからわたしたちの甲子園の4校のパフォーマンスぶりに僕たちフツーの観客は驚 . . . 本文を読む
素材が若者の軽そうにも見える恋愛ものが冒頭から描かれているので、我らオジサン族には少々きついものがあるのかな、と思っていたらあっという間に読んでしまった。
この小説は全体の2/3辺りまで読みやすい調子で描かれているのでそれほど神経を使わないで読み進むことができるが、犯人が捕まってからの1/3に、驚くべきどんでん返しが待っていた。これはミステリー上でも珍しい構成で、云十年ミステリーを読んでいる僕も . . . 本文を読む
最近ミステリーでも軽めの書物が多かったせいか、実に読み応えのある何と道尾秀介の処女作であります。結構分厚い小説で、一応ホラーの設定になっているが、僕には最初の100ページで先に進めなくなり少し休んでしまったほど強烈だった。
何がって、いやあ、4件ほどどんどん自殺する人の話が続き、そのすべてに背の眼があるという雰囲気に震え上がる。これは恐い、と、、。
でも勇気を出して読み進めると、本格的なミステ . . . 本文を読む
こういう映画って評価するのが難しいですね。コメントだったら何か書けそうな気もするが、、。
で、この映画の製作国は僕は分らないで見てしまいました。何回行っても満席でやっと見られた映画なので、北朝鮮の映画かなあとも思っていたのです。でも、登場人物で、いつもの韓国映画俳優が出てきて、やはりそうかと頷いたわけです。(この辺りは僕の完全な勉強不足。)
韓国側で製作される意図というのももちろん気になります . . . 本文を読む
秀作ですね。こういう映画を秀作というのでしょうね。でも話自体は50年前の時代設定ということもあり、いかにも青春のある一線を超える瞬間を描きつつ、過去のある時代をイメージ付けてしまう。
映画というのはいつの時代を描こうが、今を描かねばならないと僕は思っている。で、この映画は50年前のイギリスの社会情勢、文化、衣服に到るまで完全に当時に遡っている。階級社会であるイギリスは日本のようにいい大学を出たか . . . 本文を読む
東川作品は初めて。昨年のミステリーベストの常連作。ということで何とな読んでみたら、最初からドタバタ風のミステリーで、行間のエスプリが冴えていてどの行からでもくすくす笑いが出て来そう。この作家は読者に対してのサービスが満点です。
まるでテンポのいいB級映画のような展開で、しかもしっかりトリックは本格的に作ってあるし、それがどデカイ。
300ページ本当に楽しくページを繰ることができました。ミステリ . . . 本文を読む
結構分厚いので時間がかかると思ったが、仏像のうん畜が多かった割にはページを繰るスピードが速くなる。前半終わっても肝心のミステリー風の殺人事件が具体的に発生しないのでどうなるのかなと思ったけれども、それ以降はどんどんミステリーの深みが増してくる展開にわくわくしてくる。
恐らく犯人はこの人だなあと思った展開が壺にはまり過ぎなところは気負っていない気もするが、なかなか仏教に即した解決は独特で面白く、い . . . 本文を読む