テーマは子供との触れあいと教育である。こともあろうに先生が教室で自殺してしまうことから、波紋が子供の心に広がって行くその過程と癒しの物語である。
淡々と静かな演出。子供たちの一見、普通そうに見える日常にしこりとなって消えることのない現実。臨時教員に採用された男の隠している悲惨な過去。映画はそれらを丹念に描写している。実にいいリズム。たれる事もない。
そしてラストは臨時教員の最後の一日の授業を描 . . . 本文を読む
人類の起源どころかエイリアンの起源ではないかい?まあ、カネはかけているものの俳優陣に予算不足?てんでバラバラの布陣にあきれることしきり。【リドニー・スコット】に期待した自分が悪いのか?
設定は古く『2001年』から引用。今回は2年間のおやすみですか。思わせぶりの文明壁画からの説明も後で白々しいことに気づく、、。
面白かったのは手術用カプセルで異星人を堕体するところ。こんなグロだけが印象に残るワ . . . 本文を読む
山田は全編を通して表情を出さないのに、芯となるピーンと張ったいい演技を披露してくれた。この作品に何の先入観もない吾輩が見て、山田を応援している自分を知るのは痛恨の極み(悦び)でさえある。
カウカウ商事の連中もなかなか同志感が湧き出て意外とイカシテル。ただ元社員の黒沢の存在がいかにも映画ではとても邪魔。なんか原作の思い入れでもあるのだろうか、意味不明だ。
対する林がでんと構えてるとこの映画、大し . . . 本文を読む
日本側の俳優陣がなじみ深いこともあり、最初在日朝鮮人として捉えづらいものがあったが、彼らから祖国という言葉が出ると急に在日問題に日常的に何ら関心のない自分を感じ取る。
映画での彼らは日本国籍を持たないいわゆる在日朝鮮人だ。在日韓国人との相違を明確に知る。昔見た『キューポラのある町』でラスト、地上の楽園という触れ込みで【吉永小百合】の友達たちがトラックに積まれ祖国に帰って行ったことを思い出す。
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どうもねえ、男性にはかなりきつい映画かな。ここまで女性の内面を赤裸々に(所々出没するオールヌードと同じく)吐露されると、実は女は軽薄だなんて思ってしまう危険に陥ることもありかな、と、、。
だいたい最初の方の、飛行機の乗り継ぎが厭だからって、車いすに乗る女性が皆目理解に苦しむのです。これは彼女の内面の不安感を暗喩しているのでしょうけれど、ホント馬鹿クサイ。
そしていい旦那はもう賞味期限切れなんだ . . . 本文を読む
いつものごとく内容も確かめないで見てみたら、なんとこれは劇映画ではあるが、政治的欺瞞を強く非難した、見ているだけでつらく体のすべてが怒りで震えるような体制告発映画であった。
聴覚障害者学校で実際起こったというむごたらしい性的虐待事件はもとより、僕がこの映画で一番憤りを感じたのが、ご祝儀判決をいただく初弁護士だの、ラスト近くまで真剣に加害者を問い詰めていた検事、そして司法の裁判官までが、カネ等でヒ . . . 本文を読む
なかなかスパイダーマンが出て来ないので(まさかリメイク映画とも知らず)不思議な映画だなあと思っておりました。そうか、シリーズものでもこの手があったのか、と唸ることしきり。スタッフを総入れ替えすれば完全リセット出来ちゃう。
とは言え、結構新鮮で退屈することはなかったからさらに不思議。スパイダーマンの生い立ちをじっくり描いてる。この部分が時間的には長いから少々苛立ち始めたところ、やっとスパイダーマン . . . 本文を読む
お気に入りの石持作品であるが、設定は面白いけれどちょっとミステリーとしては弱いかなあ、、。
トレーラーハウスで起こる非日常的な犯罪なんだが、そんな閉鎖的な所であったらすぐトレーラーの内部を全員で点検するはずなんだよね。冷蔵庫を何時間もそもそも開けなかったというのがどう考えても変だし、また間隔を置いて投げ文が現れるというのも、それから即内部犯行説を想起させる筈なのだが、実に朗々と進むだけだ。
最 . . . 本文を読む
面白いとは聞いてはいたけど、ここまでとは実は思っていなかった。結構長い尺なんだけど、そんなこと感じさせないエネルギーとワクワク感、そしてサスペンスの王者たる【ヒッチコック】の文法が底辺に光ってる。
いわゆる巻き込まれ型サスペンスのお見本だ。主人公はどこにでもいるような気の弱そうな経理マン。その彼がのしのし強くなっていくところが見もの。
インターポールに超悪者がいるなんて、それだったら一般人は誰 . . . 本文を読む
意外とハワイについてあまり知らない僕。この題名が有名なホテルの名前だなあなんてぐらいしか分からなかった。最近はアメリカ人もハワイについて関心を持ち始めたのか、秀作『ファミリー・ツリー』も今年登場で、ハワイ王朝との連関を感じ取る。
でもこの映画、映像はすこぶる美麗で映画観賞に十分耐えるるも、恋愛も政治もまた当時の属国感情まで入れようとしたものだから、何か掘り下げが足りない中途半端な仕上がりになって . . . 本文を読む
思ったより登場人物が多く、ストーリー自体を全く知らない僕には中盤になるまでこの舞台の芯を抑えられなかったような気がする。結構、映画化・舞台化されている出し物である。だから安心かなと思っていた僕の慢心ぶり、、。
込み入った筋を追うのが必死の僕は確かに余裕がなかった。けれど思ったより広い舞台。ちょっと装飾気味の立ち回りなど、観客を魅了する思惑を十分感じ取ることができる。そして10数人の若い俳優陣。全 . . . 本文を読む
時代を考えるには難しい中途半端な50年前のスペイン人とフランス人のお話だ。
50年ほど前のスペイン内戦で逃亡してきた人たちが多かったパリ。5階まではブルジョア一家が暮らしているアパートなのに、6階は6畳一間のスペイン女性たちがメイドとして暮らしを立て、その日をどうにか暮らしている。
そんなスペイン人女性たちとブルジョアだけれど心が満たされない男との交流を描いた作品である。男は6階に住み込むこと . . . 本文を読む
韓国映画ではめずらしい法廷もの、しかもかなり上質なミステリーを映画化した香りのする佳作であります。
【ハ・ジョンウ】がめずらしくお堅い弁護士役。さすがこの役柄でもうまい。何でもできるんだね。彼の中から湧き出る何かがあるのかな。対する検事役の【パク・ヒスン】は役柄的に受け役でまだまだ全開せず、といった感じ。
出番が少ない割には演技力を求められる被疑者役の【チャン・ヒョク】は冒頭とラストの法廷とそ . . . 本文を読む
相変わらず冒頭の突拍子もない離れ業をやってくれる【ノーラン】。このシーンで僕はいたくノリノリになったけれど、でもその後が(面白くないわけではないが)【ノーラン】にしてはチョイ凡庸かなあ、、。
前作がどうも巨塔過ぎて、どう考えてもみんな自然とそれと比較してる。それは痛いほど分かっている【ノーラン】、でもあれ以上の作品を制作しようとする気概に期待するのは酷か。
でもバットマンの持ち時間(内省的な) . . . 本文を読む