今年の映画館での鑑賞数は150本。昨年より50本以上少ない。まあ、意図的に減らそうと思ったのは事実。
主に、メジャー系の映画で今まで何でも見ていたのを見たいのだけにしていたらどんどん減っていった。その代わりミニシアター系はなるべく見るようにしていたのでほとんど見られたのではないかと思っている。取りこぼしも若干あるが、、。
例年に比べると小粒の感じも否めないがそれなりにわが映画人生を楽しませてくれた . . . 本文を読む
これぞ映画という映画に年度末に出会える。モノローグで始まり、モノローグで終わるまさに一人の男のモノローグ映画だ。ニューヨークでの3日間のジョン・レノン殺害に至る男の心境、行動、思想を通して現代人の閉塞感と病理を追及する。
主演のジャレッド・レトがすごい。セリフの言い回しといい、30キロもこの役のために太ったデブ体形、感情の起伏の激しさを表情で表現するその繊細さ、彼のこの演技は本当に演技賞ものだ。こ . . . 本文を読む
日本でも驚いた30年ほど前の韓国大統領の暗殺劇。事実は封印されていると聞くが、、。
その生の一日をドキュメンタリー風に、しかもかなりシリアスでいながらコミカルに描いていく演出はたいしたものだ。変な日本語と反対にかなり上手な日本の演歌が日本人には奇異に見える。
一番驚くのは、暗殺を当日不意に決めたということだ。また、組織というものに忠実で部下があまり考えもせず(そう思える)関わる人々を殺戮してゆくと . . . 本文を読む
映画監督の脳裏の中というたいそう面白げなテーマに小さな望みを持ってこの映画を拝見したが、脳裏の中というより陳腐な妄想だらけの映画で、こういうつまらないものを見せられる観客は気の毒だ。
そりゃあ、若い女性のオールヌードは履いて捨てるほど出てくるが、まったくエロチックでないのだ。
ポルノを期待していた人はがっかりしただろうけれど、テーマがあまりに薄っぺらいものだっただけに監督の仰々しい真の喜びといっ . . . 本文を読む
あっけなく冒頭で大統領が暗殺されて、それからもサスペンスが結構楽しいが、警察、FBIとかの捜査状況がまったく見えず、何故シークレットサービスがこんなに捜査に選任できるのかまったくもって不思議だ。
大統領が暗殺されるということは国家の最大の有事である。それをSSとジャーナリストで捜査していくという設定がいかにもB級っぽく感じる所以である。
でも、展開はかなり面白く作ってあるので見飽きることはない。ス . . . 本文を読む
この映画のためではなく、体調が悪いせいかほとんど目を開けている時間は少なく、不謹慎な見方をしていたようだ。ほとんど批評らしきものはしてはいけないのだろうがまあ許していただきたい。
最近には珍しいご都合主義の話の連続で、僕はほとんどあきれてしまっていたのも事実。この安っぽくしてしまった脚本は責められて当然だろう。
人間の感情に訴えるところがあまりに少ないのである。もちろん心のどこにも引っかからない。 . . . 本文を読む
バーを改修し舞台にしてしまったSTAGE Plusという空間。
うーん、いかにも手作りの小さな舞台空間だ。恐らく僕が今まで見た演劇では一番小さい劇場だろうと思う。でも、そこにはスタッフと俳優と観客とのいやでも訪れる一体感がある。素晴らしい空間でもあるのだ。
劇のほうはその小さな舞台を俳優たちがせりふの確かな発音、演技の鋭さ、脚本の面白さもあいまってこの劇団の水準の高いことを教えてくれる。
劇の後は . . . 本文を読む
僕たちは人間である。その人間の生きている苦しさ、喜び等をどう表現するかが映画、演劇のキーなのであると思うのである。
この演劇は人間の生のために卵を産む機械と化してしまっているニワトリたちの心の葛藤の物語である。この切り口は今までなかったもので、人間であるわれわれは食物連鎖とはいえ、本当にひどいことをしていると自覚せざるを得なくなったのも事実である。
このニワトリの世界が実際上は人間世界でもあり得る . . . 本文を読む
死とは人生の卒業みたいなもの。この映画はまさに卒業したくない人間が卒業させられる、でも人間には誰もが逃れることのできないもの、すなわち死というものについて感情も抑えて真正面から真実を見つめたものである。
そうなんだね。そういう静かな沸々とした思いがこの映画を見ているとじわじわ沸き起こる。
主人公は妻と一緒に中学を過ごした郷里に帰る。人生の卒業写真を撮るためだ。しかし、初恋の人を思い出そうと、彼女の . . . 本文を読む
面白いです。演出にだれるところもまったく見られず、画面にひきつけられたままあっという間にラストへ。
これはエンターテインメント映画としては完全合格の拾い物。主役3人の魅力も十分で、おまけに女刑事もセクシー。しかも女でありながら強いところもあり、設定は最高。
最初の出だしが秀逸で、5分で序盤を簡潔に説明している。この撮り方がいい。しかし、このシーンがこの映画の味噌でもあったわけですね。こういうどんで . . . 本文を読む
劇場の外は強い雨。気温も低い。だが季節的にはそろそろ僕には関係のないクリスマスイブ。そんな時候にぴったりの演劇だ。
報われない子供たちと彼らにプレゼントを贈ろうとするサンタ見習いとトナカイ。ところが、4組がひとつの屋根でダブルブッキングしたものだから、、。
いい話だね。観客も子供さんまでいっぱいいる。聞くところによるとこの劇団はこの時期になるとこの演劇を催すことが多いとか、、。
ただ、少々子供向き . . . 本文を読む
12月で3度目になる東京行き。
月曜日は自由日なので、一番安い飛行機で行く。10000円程度。これだったら新幹線より安い。もっと早めに知ってたらなあ、と悔やむ。
午後2時ごろに着いたので渋谷に行く。結構山の手線に乗り換えたりしていると時間がかかる。東急百貨店前の大きな本屋が店をたたんでいた。地価が高いんだろうなあ。東京は来るたびに景観が変わる。
ふと見るとル・シネマで「ゼロ時間の謎」がぴったしの時 . . . 本文を読む
吸収合併されそうな貧乏村を故郷に持つある青年の心の雪解けまでのいい話だ。
こんな地味な話を演劇に上演くれるのがまずうれしいです。今の若い人たちがこんなに親を、兄弟をそして何よりふるさとと言うものに真摯に向き合っているその姿勢は素晴らしい。
久しぶりに劇場でジーンとなってしまった。映画では良くあることだが、演劇では珍しい。さすが下北沢のOFFOFFシアターだ。
この演劇を見てふるさとの親、兄弟、友人 . . . 本文を読む
クリスティーの原作が秀逸で、映像化していてもアガサの素晴らしさが露出している。何ら彼女の本を読んでいるのと変わらない気分。
と、まあ、俳優陣もまあまあなのだが、演出とか美術がいかにも地味。原作の雰囲気を大事にしたといえばそれまでだが、映画的にはもうちょっと華やかなものに出来るはずで、そこがちょっと惜しいかなとも思う。
でも、クリスティーを映画で十分味わえたと言うのはやはりたいしたもので、それはそれ . . . 本文を読む
ロクソドンタフェスティバル2007で3位に選ばれたこの演劇。2時間半の長尺ではあるが、実に丁寧で素晴らしい演劇空間を届けてくれた。
宇宙空間における愛と死と再生の話である。7つの話もそれぞれしっとりと楽しく哀しい。でも基本に根付いているのは人の心である。
結構登場人物も多いが、この演劇、通常の演劇のように全員が主役風である。主役が誰というわけでもないのである。そこも新鮮で、2時間半が決して長く感じ . . . 本文を読む