セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 93本、 演劇 71本

ノマドランド (2020/米)(クロエ・ジャオ) 90点

2021-03-31 18:21:57 | 映画遍歴
アメリカンドリームを見てきた吾輩にとって、この映画はまさに衝撃的でした。映画の世界で、いよよ現実を直視する時代が到来したかのようです。また、こんなにじっくり人間を見つめたアメリカ映画も実に稀有です。 ずっとF・マクドーマンドを見ていく作品である。カメラは彼女のハウスレス(ホームレスと言わない)の人生を秀逸なカメラで直視してゆく、、。 日本でも増え続ける車上生活者。彼らは道の駅などの駐車場で生活 . . . 本文を読む
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透明人間は密室に潜む (阿津川 辰海 著)(2020 光文社) 85点

2021-03-31 10:02:38 | 読書遍歴
高評価の誉れ高い中編集。中でも最初の「透明人間は~」は傑作。なるほどまだこの手があったと、ほくそ笑む。見事! 他の中編も、オタク臭がプンプン。とても愉快で、ミステリーファンは同類なんだという安心感までさせてくれる。どれもがジャンルを分けてしっかりと時間をかけて叙述されている。その向き合う精神も立派。 日本ミステリー界の星となってくれるだろう、期待はますます高まる。 . . . 本文を読む
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ミナリ(2020/米)(リー・アイザック・チョン) 80点

2021-03-30 08:32:18 | 映画遍歴
何気ない通常のどこにでもある家族映画なのだが、分断という大きなテーマが底流に流れていることに気づく。 そういう意味ではアメリカにとっては時流を得たというか、今深刻なテーマとなりうる映画である。しかし、恐らくチョン監督はそういうことを意識せず、ただ淡々と自分の人生を辿りたかったのではないか、そんな気がする。 家族の中でも夫と妻との価値観の相違(敢えて分断と言おう)、孫と祖母との同じ韓国人でありな . . . 本文を読む
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フシギ(2021真梨 幸子 著)( KADOKAWA ) 60点

2021-03-28 20:02:48 | 読書遍歴
あまり好きではないホラー的小説です。行間もあり、ページに目いっぱい字が連なっていず、それはそれは読みやすいです。早い人だったら、1時間半ぐらいで読破しちゃうのではないでしょうか、、。 僕はミステリとして読んでいるので、やはりどこにもとっかかりがない。女性らしい観察眼だけが読後に生々しく残滓のように残っているが、あまり好感を持てる小説ではないと思えた。まあ、こういう小説が好きでない吾輩がこのジャン . . . 本文を読む
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法廷遊戯(2020 五十嵐 律人)(講談社) 85点

2021-03-24 17:29:13 | 読書遍歴
2章に分かれてて、短い方の第1章が少々読みづらくい、どうしようかと躊躇しかけるとそのまま2章に入る。 2章は、通常の法廷ものに無駄な部分が全くないので、読みやすく、しかも、あっと驚く展開で、これはなかなかの秀作です。でもどうしてもラストのあの部分に帰結しますが、、、 ラストの真相に関しては少々上げ足を取りたい部分はあれど、でも新鮮で面白かった。作者の才能を買います。途中でやめなくてよかった! . . . 本文を読む
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交換殺人はいかが?(深木章子 2018)(光文社文庫) 80点

2021-03-15 18:34:05 | 読書遍歴
小学6年生が、元祖父の刑事時代の難事件を安楽椅子ごとき発想で、次々と解決してゆくといったミステリーで、ホント超面白作品集であります。 確かに面白いけれど、でもそんな古くはない時代に、警察がそこまで無能なのか、とふと思ってしまう。そして話を聞いただけで、子供がそこまで人の情緒まで理解できるかなんて、などなど疑問も沸いてくる。 とはいえ、面白いのは確かなんだから、いちゃもん付けるのはやめて、深木の . . . 本文を読む
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劇団チョコレートケーキ『帰還不能点』(作・古川 健 演出・日澤雄介)(atアイホール) 90点

2021-03-14 17:36:06 | 演劇遍歴
聞いてはいたが、ここまですごい演劇を発信しているとは思わなかった。「飛行機がガソリンを積んで引き返せるギリギリの時点」という難しそうな題名だが、作者のホットな意気込みが感じられる作品である。 無謀な太平洋戦争に対して日本の首脳層はどう迫ったのか、それぞれの個人としての戦争責任を問った舞台です。2時間、全く無駄がなく、役者の演技も鍛えられている。見る前は難解な舞台だと思っていたが、決してそんなこと . . . 本文を読む
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あの子の殺人計画 (天祢 涼 (著)(文藝春秋 2020) 75点

2021-03-10 11:48:07 | 読書遍歴
これは最後ではめられたと気づくが、面白いのはそこだけであとは読ませるところも少ない通常のミステリーと言えるのではないでしょうか。 ひとつ気になったのは家族のアリバイ証明は無効だと思っていたのですが、実際はそうでもないということなのでしょうか?そこがひっかっかって、最後まで乗れなかったですね。 まあ、この叙述トリックはでも読んでいてあっと驚くから、新鮮ではありました。 . . . 本文を読む
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三階に止まる(石持 浅海 著)( 河出書房新社  2013) 80点

2021-03-03 12:01:14 | 読書遍歴
石持の作品は全部読んだつもりだったが、知らない作品を発見。7年前の作品だからか、なかなかユニークで新鮮。最近のは少々苦しいのが見られるので、ある意味とても楽しく読んだ。 短編9編で、どれも面白い。特に冒頭の観覧車に乗った男女二人が一人の死を追求していく下りが高度、時間の経過と相まってとても秀逸だった。 たまに昔に溯ってある作家を見ていくのもいい経験だと思う、 . . . 本文を読む
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