恩田ワールドの香しき世界を満喫する。一人の男の失踪から妹と兄の女友達二人で奈良を散策する。そこに兄は絶対現れるはずだ。
万葉の旅といえるほど素晴らしい旅行記でもある。特に僕の好きな聖徳太子誕生の寺といわれる橘寺がポイントとなるシーンに僕自身舞い上がる。
ミステリー部分は少ないと思われたけど、やはり構成は立派にミステリーしてましたね。でも、あの唐突なラスト、あれはないよな。あまりに大胆過ぎて何と . . . 本文を読む
なにか見始めて少々、ちと恥ずかしいような、、。場違いというか、間違えて入ってしまったというか、とはいえ見るしかないか、と見ている自分。その感覚が10~20分ほど続く。でもそれを過ぎたらまあ普通の韓流かなあ。
30年以上前の時代で、しかも田舎という設定だから、多少ダサい話でもあるし、主人公のイ・ジョンソク君もイケメンなのに、なんと主役なのに、ケンカ弱そう。しかも、片っ端から女の子をナンパしている( . . . 本文を読む
大好きなアンダーソン作品。今回は結構しっかり長編してる。3部作の最後だというから力が入っている感がする。相変わらず楽しく、シュールで、哀しく、人生って愛らしく思えるほど。
構成としては平たく言えばコント集とも言えるのであるが、40近くあり、場面、出演者等それぞれ相関関係もあり、十分劇映画として見ることができる。カメラは絵画のようにほぼ固定。そのためクローズアップは全くない。アンダーソンの審美的姿 . . . 本文を読む
恐らく面白くないだろうという前提でこの映画を見る僕も変な人間だね。みんなが多少褒める「ジェラシックパーク」をまったく買わない僕が、なぜかまたこの手の映画を見ている。それは、やはりダントツの全米一位というのは多少気になったかも、、。
冒頭からは何か眠気さえ誘う展開で、「あ~あ、やはり」と思ったもんだが、いよいよ恐竜が逃げ出さんとする辺りから俄然活気を帯びてくる。それからはラストまで長時間、息をもつ . . . 本文を読む
ミステリーとしては少し弱いかなと思うけれども、少年の心を映す父をもう気持ちがさわやかでよい。読み物としては十分書き込まれている。ファンタジーとでも言えようが、読んでいる間、さわやかで、すがすがしい風が僕の体を舞っていた。
ただ、ミステリー的にはほとんどそれを呈しておらず、ミステリーファンなら多小がっかりせるかも。だって、あれほど父親を探しているのを見ていて、周囲の人がまるで何も言ってあげないのも . . . 本文を読む
今輩出するアクションスパイ劇では、最大限にファンを意識していることの分かる、その意味で泣かせてくれるエンタメである。いつもファンとともにというメッセージが込められたMIシリーズ、いよいよ佳境である。
まあジェットコースターのように上り下りが激しく、実際はとてつもなくはらはらしなくてはならない展開のはずなのに、観客はなぜか安心して見ているこの不思議。敢えて注文を告げるとしたらこの一点かな。それはや . . . 本文を読む
戦争終期の昭和20年。市井の人たちはどう毎日を生きていたのであろうか。空襲に明け暮れ、街に老人と女しかいなくなっている。子供の声も聞こえない。食料もだんだんと途絶えてくる。そんな時代のある若き女性の胸の内を開けてみれば、、。
まず感じたのが当時の言葉遣いの美しいことだ。みんながこんな上品な言葉を使っていたとは思えないが、それでもある程度の中産クラスはこんなものだったのだろう。現代人の言葉のひどさ . . . 本文を読む
それにしても大阪の暑さは想像を絶する。炎天下の道路を歩き、劇場にたどり着く。なんとどこにでもありそうな民家が今日の劇場である。結構狭い劇場が好きなDanielだが、今日は何とも、微笑ましい。
劇はいつものペースで進められる。大人になってもなり切れない青年の4人。いや、今日はなぜか3人であります。(そのうち出てくるだろうと思っていた永見さんが最後まで出てこなかった。)
いつも見ているとき大学生で . . . 本文を読む
昔懐かしアングラ演劇、しかも出し物は佐藤信の「阿部定の犬」と聞けば、演劇好きの僕が家に居るわけにいかないだろうて。
何かもっとドロドロしたアングラ劇を想像していたが、現代における劇になると、かなり濃度が薄まり、ある意味見やすい演劇となっていた。
だいたい長丁場の劇であるが、暗喩が至るところに散りばめられているので、せりふの言葉の意味を考えていると、すぐもう次の場面に移ってゆく。これで3時間。で . . . 本文を読む
「光にふれる」のチャン・ロンジー作品だから、人を見る目は確かである。安心して見られる青春映画となっている。しかし今回は趣向を変えてミステリー手法を用いながらも、我々はそこに悲しみの青春を見る。
ある一人の少女の死にたまたま出くわした3人の少年の結びつき。しかしそこから始めた3人の犯人探しがこういう展開になろうとは、いやはや作品的にも何とも言えぬ素晴らしい出来です。
見た目からではわからない思春 . . . 本文を読む
樋口 有介のデビュー作らしい。なるほど、あちこち樋口の断片が見受けらる。青春小説にして圧倒的、という触れ込みの割にはそれほどとも思ったが、まあ書けている。さすが樋口である。ところがミステリー的には思ったほど力を見せてはいない。本格物からはかなり甘々であるような気もします。
難点は驚くべき新犯人という展開も伏線が全くないし、フェアではない。同僚の教師に罪を着せようとするも、そんな嘘はすぐばれること . . . 本文を読む
柚木シリーズの第一作品との位置付けだ。当然、ファンとしては必読書となる。なるほど、刑事をやめる経緯も分かるし、まだルポライターとしての仕事も確立しておらず、ひぐらし探偵っぽい生活も描写される。
馬券も結構好きなんだということもわかるし、なんとこの作品では柚木のセックスシーンも出てくる。そしてとにかく女にもてる。などなど結構驚く記述が多い。その意味でもファンとしては楽しいばかりの内容である。
し . . . 本文を読む