面白い作品を書くことで定評のある深木作品、証言だけで成り立っている構成もさることながら、ミステリーとしての持って行きどころが秀逸で、さすが素晴らしいと思う。
ただ、わが子が殺人を計画しているという設定を警察までが信じ込むことはあり得なく、このことがこの作品の抜本的な失敗部分であります。
動機等についてもかなり無理があり、ミステリーファンとしては鼻白みます。でも読んでいて面白いのだから仕方がない . . . 本文を読む
コロナで随分と見ていないお気に入り劇団の公演です。本作は30周年公演ということで、出演者はこの劇団の常連の方ばかり19名。2時間、いわゆる岩橋節がどんより、そしてまた嵐のごとく吹き通る。
話はアラビアンナイトをベースに少々わけのわからない会社組織でのそれぞれのつぶやきから物語は動き始める、、。
アラビアンナイトと岩橋の脳裏に蠢くモゾモゾが粘着し,独特の世界観を創造している。時には観客を突き放し . . . 本文を読む
ずっと追いかけてる深田作品。今回こそと、、。
意外とシリアスな展開に期待持たせます。義父の誕生日に集まる家族。何かちらほら不協和音が、、。そして思いがけない事故でこの夫婦はそれぞれ自分に蠢く懊悩を模索する。
ラスト近くの元夫の嘘で、この作品の流れが変わる。少々白ける。でもどうしてこんな嘘をつくのだろう。唖然とする。
深田作品、今回は何を言いたかったのか。
1.元夫が韓国籍であり、しかも . . . 本文を読む
人気の中山の音楽ものミステリー。今回はモーツアルトだから絶対読まなきゃと思いページを開く。
何か、目が不自由なピアニストを題材にしているせいか、イヤミスを読んでる感じがする展開とその原因を作る被害者の言動にちょっとどうかな、と。演奏中の描写にいつも通り心躍る部分はあれど、でも今回は殺人現場設定も、真犯人も、ご都合主義が見え見えで、ちょっと鼻白む。
どうなのかな、中山も多作が作品の質に影響を与え . . . 本文を読む