普通だったらパスする映画なんだけど、【小西真奈美】さんの主演映画、見逃すわけにはいかない、という気持ちで見ました。小西さんは結構きつめの性格の役で頑張ってます。演じていて楽しかったのではないか、とぼくはニコニコ。
話はところが思いがけずその小西さんとオジサンの生瀬が雷に打たれてしまい一緒に死後の世界を共にするという話。これは生瀬、役得ですなあ。小西さんと死出の旅をご一緒するのなら、な . . . 本文を読む
この邦題はねえ、やはり困りものだ。題名だけで「ローマの休日」と「英国王のスピーチ」を連想してしまう映画ファンの不幸というか、、。
何のことはない、【モレッティ】はそんなこと十分ご承知である、。冒頭の法王の突然の死去のあとの法王選挙(コンクラーベ)、これは見事な描写。みんなぶつぶつ俺だけは選ばないでくれと念仏し、そして全く無名の人物を法王に選んでしまう子供じみた世界。これがかのヴァチカンの実態だ( . . . 本文を読む
全く内容を知らないで久々の大林映画を見る。東日本大震災に連動し長岡に平和への祈りをささげた映画というべきか、花火と原爆との相似、且つ大空襲の恐怖を語り続けるべく平和へのメッセージを聴く。
上映時間は少し長いが、カメオ出演どころではない多数の大林一家の俳優陣の顔出しは十分楽しめる。しかし、いかにもこれが劇映画なのかという沸々した疑問が最後まで僕につきまとう。大林の言わんとするところは分かるが、やは . . . 本文を読む
印象派の立役者であるが、意外と地味なピサロの展示会が神戸で開かれている。僕は印象派でも大家モネ、ゴッホ、ルノワールよりピサロ、シスレーの風景画が好きだ。浮世絵を通じてDNAが同じ印象派と日本人とは距離的には遠いようで実は血縁なのだ、と思う。
しかしピサロ展というのは恐らく初めて見たような気がするほどで、日本ではあまり開かれていなかったのではないだろうか。
今回はピサロの絵画、素描などと共に関係 . . . 本文を読む
石持作品でも人気の高いと思われるいわゆる安楽椅子ミステリーものである。このシリーズも3作目で、実は僕は石持の作品を初めて読んだのがこのシリーズの(勿論当初はシリーズになるなんて思っていなかったが)「月の扉」なので、特に思い入れがあるのだ。
今回は、7つの短編集。座真味くんと警察官二人の3人で、食事をしながらのあっと驚くどんでん返しもの。そのうち慣れてきてどう切り返していくんだろうと読者も興味深々 . . . 本文を読む
もう見ないでおこうと思いながらついついまた見てしまう映画、それが海猿だ。ほんと、いつも同じパターン、シチュエーションで性懲りもなく、、何故なんだろう。
時任三郎が「みんなおなじだ。僕たちはつながっている。」、家族を想う、恋人を想う一途さ、そしてラストのメイキングシーンのスタッフたちと観客との繋がり等々、これらは4作とも全く同じなのだ。
そして何より途中でじわじわ出て来る半端じゃない涙の量。僕が . . . 本文を読む
卒業式で盛り上がったのにベッドインできずじまいの、二人の長ーい歳月の話です。女はその気満々だったのに、男は酒を飲み過ぎてこんな時にしなくてももっといい時に、とパスしてしまったのが運のつきの二人。
それからの20数年を映像は執拗に追い続けます。
この映画の面白いところは7月15日だけを描写し続けるということより、セックスレスだからこそ続く二人の長ーい恋愛人生をつくねんと追い続けていることです。そ . . . 本文を読む
もともと『ばかのハコ船』なんかを作っていた【山下敦弘】、最近はオーソドックスな巨匠に納まり始めているのを少々気にはしていたが、本来は市井の冴えないずっこけ人生はお得意のはず、という視線で見た。
原作は冒頭の朝のテント状態という描写が面白かったが、まあ確かに俗語をそのまま文章にしちゃう面白い小説を書く人だなあと思っていた。
そもそもこれだけの話をどう映画化するんだろうと心配もしたが、映画はさすが . . . 本文を読む
何の知識もなく、見てしまった劇団。祝日にしては少ない観客数。(劇場も超小さいが、、) 最初前置きの話が広島と長崎の原爆投下の話である。観劇の際のご注意かなあと思っていた僕は少々驚き。
そしてある放送局の原爆取材がコミカルに始まる。広島と長崎の二重被曝という重い主題をテーマに観客に寄り添うように親近感を持って物語は進む。
登場人物は7,8人なんだが、みんな見事にセリフを噛んでいる。一人二人だとよ . . . 本文を読む
どうもみんなウルトラマン世代なんだろうか、例の主題歌が流れてウルトラマンの別の話が綴られる。怪獣との共生だの、多少ウルトラマンでもそのテーマはあったように思うが、さらに発展し、いじめとか現代の問題点を浮き彫りにしようとする脚本である。
出演者はみんな若く、躍動感がある。でも何故かこの演劇は我が年寄りには入り込めない何かがあります。何でも見てやろう主義の僕であったが、やはり児童の時からウルトラマン . . . 本文を読む
サマーは日本で言うと鈴木杏がそんな感じで、美人なのか良く分からない、時々ブスにも見える、要するに風変わりな魅力の女の子なのである。でもそんな女の子にかぎって意外と自分をしっかりと持っている。
男は少々ナヨッており立派な植物系男子である。ただし僕は最近こんな古ーいタイプはもう絶滅しているだろうと思っていたが、、。
この映画を見ていると恋愛って古今東西、時間を経ても、時代が変わっても変わらないなあ . . . 本文を読む
いわゆる現代に急に舞い込んできたウエスタン映画ですなあ。舞台は中国動乱期。主演は名優を集め、脚本はそこそこ面白い。特に最初の列車強盗シーンは秀逸。
でもね、何か僕が年齢を取っているせいか、ワクワクしないんです。いわゆる「7人の侍」じゃない「荒野の用心棒」的な娯楽作品に徹していて、面白きゃそれでいいんだろうけど、ノらないんですよ。何かな。
チアン・ウエンはカッコイイです。チョウ・ユンファも余裕た . . . 本文を読む
この映画、いろいろ細かい欠点もあろうが、映画ではめずらしい、被害者側から描いたミステリーものであることにまず敬意を払いたい。冒頭からそのトーンはラストになってもきちんとキープされており立派である。
バスジャックからとあるターミナルに突っ込み、たまたま駅雨広場にいた人たちを無差別に殺戮する若者の、目をそむけたくなる映像は秀逸の一言。とても人ごととは思えないリアルさであった。
それは秋葉原や、つい . . . 本文を読む
時間合わせに見た映画だったけど、これがそれほど【デップ】が作りたかった映画なのか、恐らく個人的な原作者へのオマージュなんだろうが、観客としては何を見るべき映画なのか分からずじまいの散漫な映画だと思いました。
とはいえ、最近役に徹して本物の顔も分からない映画が続いていたので【デップ】の内側に入りたい人(要するにファン)にしてみたら見るべき映画なんでしょう。
内容的には悪徳資本家【アーロン・エッカ . . . 本文を読む
予告編で盲目の女性が杖を左右に確かめながら歩行している。その後を長身の男が女性を気にしながらちょっと恥ずかしげに距離を保って続いている。この光景が美しく、感心してしまった。
そして本編。ベタな展開だけれど冴えない駐車場監視員という設定がいいねえ。そしてそこに女性が紛れ込んでくるという冒頭のくだりは素敵だ。けれど後はラストへつなぐだけの展開が見え隠れもする。演出も決して鋭いとはいえない出来だ。
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