さすが荒井と思わせる秀逸な脚本。無駄がない。しかも緊張の糸が最後まで切れない。安心して見ることのできる日本映画だ。しっかりと子供目線が主軸となるところがいい。我らが生きるこの国は子供たちが将来を決めるのだ。
地味なテーマなんですな。再婚同士の家族の物語。新しい3人目の子供が出来て、そこで一挙に今までのほころびが露出する。じっくりと現代の日本家庭を掘り下げてゆく演出。
この作品は切り捨てられよう . . . 本文を読む
如月のホン、大塚の演出そして演ずるは現役高校生。となれば、言わずとも期待させられる。
女子高生の入寮風景からこの劇は始まる。どこにで見られるような女子高生たちである。他愛ない話が続き、これは女性でないと書けない種類のホンだなということが分かる。
正直男の僕は聞いたことのない会話の連続でありました。ふむふむ、そうなんだと分かったようなことも言えない。分かっていそうで所詮男には分からない話なんだろ . . . 本文を読む
またまた能とのコラボ。今回は「韋駄天」という聞きなれた題目だが、これが釈迦如来、帝釈天まで出てくるとあり、結構本格的過ぎてむずい。能の方は感想から外します。
そして5人の、今や脂の乗った役者による演技合戦が格別の味わいである。そのためにこのコラボを見に来たのだから、もうワクワクする。いよいよ彼らの登場。なんと彼らはアノニマスの仮面をかぶっている、、。
もう何というか、現代を一番鋭く貫いていると . . . 本文を読む
この劇団、最近ずっと見ているが、海外の洒落たホンが好きらしい。今回はちょっぴり悲しく、すごく楽しく、そしてじんじん人生を感じる優れものであります。
川田がマンションのへりに何かしら、へばりついている。だが7Fの高所だ。そんなに狭くないので、意外と自由そうに歩くこともできる空間。そこで出くわす7つの挿話。
人生の豊かさ。怖さ。愚かさ。これらをぎゅっと凝縮している。川田はある意味、話をつなぐ綾であ . . . 本文を読む
アクションでもこの手の映画は結構好きなんだよね。やはりハリウッドではカネに技術に手を尽くした作品ではアメコミ原作ものは追随を許さないのがあります。その頂点が『ダークナイト』だけどね。この作品、そこまでは期待してはいなかったが、、。
初々しい、さわやかだといえば、まあそうだけど、やはり物足りないかなあ。何か、子供向けというか、全然悪が描かれていないんだよね。で、全然怖くないし、盛り上がらない。マイ . . . 本文を読む
この映画、最後まで一気に突っ走る。頭で考えさせてくれません。行動あるのみ。これは映画の原点ですね。面白いものとは何か。すべてこの映画に詰まっている。この年になっても随分映画的に高揚させてくれた映画です。
カネとクスリと警察。この中で市井の人間に必要なものは本当はカネだけなんだけど、生活の助けのためにクスリに手を出した家族が辿り着いたところは警察だった。
それも悪徳警官だらけの闇だったから、人を . . . 本文を読む
夏の夜はホラー。これは定番ですよね。それは後半の映像でも楽しむが、前半はゾンビもどきがわんさか出てくるコミカルホラーであります。しかし、美人女子大生たちが主人公なもんで、全然楽しいです。
彼女たちの目指す場所はなぜか三井アウトレットパーク なんですよ。何故だか分かりまへん。たくさんのファッション服も出てきましたが、伊藤さんはこのうら若き女性たちの意見を聞いたのかもしれません。
まあ、それこそた . . . 本文を読む
我が愛するサリngROCKさんの名作の上演である。この劇団は知らない劇団ではあるが、見てみるとみんな若く、まるで僕には高校生ぐらいにしか見えなかった。それほど初々しく素敵だ。
彼らはまさに青春の息吹をまともに感じる年齢で、今、人生に一番悩み、一番楽しんでいるそんな世代の人たちだ。この難しい劇をえいっと勢いでやってのけてしまうぐらい、若いってホント素晴らしい。
常に包帯を腕にしている女の子が主人 . . . 本文を読む
今時こういうさわやかな高校生を見ることができるのは奇跡としか言えないのではないかと思うほど、思春期の息吹が全編流れている。それは最近多い秀作アニメを見る時に感じるものと同質である。こういう作品が現代にクローズアップされるのは実に嬉しいことだ。
ただ、桜良がああいう形で命を落とすくだりは少々あざといと思う。また、ラストがあのシーンでは感動もせず物足りぬ。別に無理に成人版を作らなくとも、、。 . . . 本文を読む
終戦近い特攻隊員と島の娘との恋愛物語である。この島で、海軍が秘密の作戦を画している。まるでポエムのような話だが、この島独特の神がかった地域性と特高の心情が豊饒に浄化し、当時の生死観を強く彷彿させる。
二人以外の俳優陣をまるで現地の人間ではないかと思わせるほどの無名の俳優を使ったのがまず成功の因。この島に伝わる唄もよろしい。
但し、素晴らしいのはそこまでで、この神々しい恋愛をいざなってくれるはず . . . 本文を読む
テレビ版「碑」は遠く我が10代の頃に見た。杉村春子が朗読し、沸々と湧き出る感動ものだったのを今でも思い出す。当時は広島テレビが毎年恒例にこの手の原爆ドキュメンタリーを製作していた。その一つだった。
映画版は綾瀬はるかなので、正直まっすぐ過ぎて、またかなり違ったドキュメンタリーになったと思わざるを得ない。でも、こういう清楚で素な語りもまたいいと思った。やはり俳優の人生が色濃く出るのである。そこが映 . . . 本文を読む
今回の演劇ほど世代の違いを感じる劇はなかったように思う。なんせ、アイドル論なのであります。昔から、考えたこともないことがらでございます。好きな女優・歌手は、ざらにいたが、アイドルなんて考えてみたこともない世代であります。(ひょっとして既にあったのかもしれないが、、)
で、この手のハナシはどうも評価しにくい。いや、してはならないものなのかもしれません。
で、すみません。今回は、退屈はしなかったけ . . . 本文を読む
題名の鎮憎師っていうのが、何かなと思ったけど、ちょっと出番も少なく、そもそも無理やりめいています。けれど、若い人の生態なんか鮮烈に書けてるし、この作家の持ち味で、ミステリー意外でも楽しめる部分です。
登場人物が多すぎ、だれがだれなのか名前さえ整理できないままどんどん読み進んでいきましたが、まあいつもの石持感が出ています。
あの、ひとグループにこんなにも恋愛観の違う人たちが集まるっていうのはいく . . . 本文を読む
韓国映画って、ホント奇抜なものを出してくる。こういう努力が日本映画には欠けてるなあ。今回は現世に宿る霊が主人公。その霊ちゃんが現世の、これも妻を亡くしたばかりの男にささやきかける。
これはきっと二人の清らかで崇高な愛の物語になるだろうなあ、これは面白いなんて思っていたら、いやあそんな方向には全然向きませんでしたね。やはりどこか韓流も今や醒めてるんでしょうか、きちんと、母娘、夫婦の愛に眼をまっしぐ . . . 本文を読む