大みそかの演劇ってそうやたらない。6、7年前だったか、たまたま天六のメチャ狭いカフェで見たのがそもそもの初め。それからずっと追いかけている。4人の、大人になり切れない、見た目は大人の、何だかこどもオトナした、きらきら光る青春風情がいい。
彼らのイメージは断固変わらない。今回も、もう40近いはずのいい大人が、大人になり切れないもやもやを持ち続けている。特にストーリーがあるわけではないが、何かみんな . . . 本文を読む
この作品は、映画的テクニックはそれほど鋭いわけでもないのに、またカメラワークがたいそう切れがあるわけでもないのに、腹の底から沸々と静かに湧いてくる確かで強いこの思いは一体全体何なのか、、。
90歳になるかという老人の思いがテーマである。ホロコーストから逃れるも、現実世界では3人の娘から自宅を取り上げられ老人ホームに放り出されようとしている。ある意味彼にとってはそれは悪夢だったナチ収容所送りと一緒 . . . 本文を読む
まあスマホが必需品であると同時に凶器にもなっているという現実を大いに警鐘してくれているのは使っている本人が一番分かっていることです。わざわざ説明しなくても、とは思いますが、そんなこと映画界では関係ないんだね。
それにしても中田秀夫の演出、こんな凡庸になってしまったのかなあ、、。エンドクレジットで中田の名前を知り愕然。
あの、北川景子さんの取り換え話なんか、脚本をそのままスルーさせた罪は多いので . . . 本文を読む
バッドマンと間違え見てしまった吾輩。なんだそういう映画か、と見て行く始末。その発明物語は日本人的には面白くはないが、
途中から思いがけない心の不倫が介在するようになってから俄然この映画は活気を呈してくる。映画って、やはり心を描くものですよね。その基本論を認識し、また少々安心してこのインド映画を見終わる。
恐らく本国ではヒットした作品だと思われるが、前半どうも入り切れず、、。 . . . 本文を読む
これはなかなかの映画でした。人の内臓に深く棲み付く悪意というものを、これほどむき出しに派手にこれでもかと言わんほど画面フルいっぱいに表現する映像が見事。
何より、途中で勿体なくも主役交代をビシビシ決めるその潔さ。小気味良かったなあ。断然よし。贅沢です。新しきものを感ず。
これって日本映画ですよね。久々に面白いです。型破りです。妻夫木が、黒木が、青木が、岡田が、主役風に好人物に見せておいて、みん . . . 本文を読む
よくあるスターものだという捉え方はしない。妻が仕事を持つことで夫を凌駕してゆく関係性の揺らぎをしかと見る。男というものは何と弱く壊れやすいものか。そしてその幼児性の顕著なことよ。ガガの心より響く歌声に強く共鳴し脱帽! . . . 本文を読む
今までかなりカラスの物語は映画化されているが、この作品は今でこそ明かされるといった我々が知りたかったカラスの告白論であろう。2時間で彼女の生涯をスクリーニングすると強く芯のある普通の愛を求めていた人だったと分かる。愛を求める市井の人間でもあったと思う。 . . . 本文を読む
ハレストレム作品ということで急遽見たが、想像以上にまともで小品的にまとまっており、まあ普通の作品でした。キーラ・ナイトレイを見終わってから知るという失態を犯してしまったが、あの美貌が輝かず、まるで月のように暗い。 . . . 本文を読む
時々感動しつつバンドの盛衰をしかと見る。とはいえ、やはりこの映画、クイーンのライブシーンが最高。震えもする。若かりしとき同じ仲間、同じ方向を見ていた人たちがこの映画に自分をダブらせるのだろう。川は蛇行するも海に流る。 . . . 本文を読む
初めての劇団だけど、お気に入りの俳優が何人もいるので観劇。やたら人数が多い。13人。どうやって攻めていこうか、、
どうやら、夢の部と現実の部と二つが双曲線のような劇らしいと気づく。最初はちと分からなかった。そうするとこの劇の構図もそれほどムズくはなく、詳細に入ってゆくことができた。
むずくはないけど、でもやはり頭の整理があまりできない。そのうちパラレルワールドという言葉も出て来て、少々途方に暮 . . . 本文を読む
この年にしてあの文学座の「女の一生」を初めて見る。杉村春子の名演技で有名な演劇だが、見てみると随分思っていたのとは違う劇であったことに気づく。
というのも、この劇の主人公はモーパッサンの「女の一生」のジャンヌのような苦労する一生涯かなと思ったら、むしろ苦労するのは旦那の方であり、義理の妹たちも、ましてや初恋の男である義弟にさえ密告をしてまで家を守る鉄壁のワンマン女性であった。
結婚するまでのけ . . . 本文を読む
サルトルの演劇って初めてで、ちょっと気にしてはいたが、全然想像とは違い(サルトルと言えば実存主義・不条理というイメージ)、まともな翻訳劇といった感じが濃厚でした。ちゃんとストーリーがあり、題名通り娼婦とは言いながら、人間を深く見つめる女性の脳裏と彼女をとりまく現象が交差する秀逸な演劇です。
サルトルとアメリカ南部というイメージがなかなか僕の頭の中では醸成しなかったのだが、テネシー・ウイリアムズも . . . 本文を読む
この作品は次作へつなぐ、むしろ前説と言うべき作品です。かと言って面白くないわけではない。いや、すこぶる面白い。ふんだんにお金をかけているし、何よりカメラ撮影が見事。僕にとってはハリポタイメージの再現がただただ嬉しいのだ。
ということで、主役たるエディ・レッドメインは登場人物のただの一員にしか過ぎず、まさに登場人物全員が主役であるかの如く、この画面いっぱいにみんなうごめいております。これが楽しくな . . . 本文を読む
ロブ・グリエ初体験。というか脚本ではあの「去年マリエン」を経験してるわけであるが、、。
昔見てまだ強烈な印象のある「去年マリエン」とイメージはそっくり。50年以上前で、よくこんな自由で豊饒な映画イメージを作っていたとは、驚き。当時度肝を抜かれたんだろうなって分かります。
よほど当時は映画センス全盛期だったんですね。そんなことを感じ取ります。こういう映画を見ると最近の映画の薄っぺらさに嘆きます。 . . . 本文を読む
何気なく見た映画だ。恵比寿ガーデンはまだ素晴らしい空間でいとおしい。そんな奥に位置する映画館で見た素晴らしい余韻の映画だ。こういう映画がたまに映画館にやってくることが嬉しい。
人を待っている気持は切ない。その人には帰る場所がある。今度帰ったら次いつ来てくれるのか分からない。心配で仕方ないが、勿論そんなことはおくびにも出さない。そんな日常、、。
その人が音信不通になる。不安感を抱えながら、調べて . . . 本文を読む