何を言いたいのか分かるような気もするが、全体に稚拙と言ったら失礼ですが、深みが感じられなかった。捉え方がとても軽く思えた。何故だろうか、、。
ある家族、やたら権力行使する父親、やたら神を敬愛する母親、そんな下で生きていく兄弟3人たちの家族史である。これだけの話を、哲学っぽい映像でこねくり回し何か高みの芸術へと導こうとでも思えるような示唆的な映像の羅列に僕は唖然とする。
冒頭にヨブ記を持ってくる . . . 本文を読む
アヘン戦争後の混乱の状況下の上海を描くことに西洋は関心があるのだろうか、日本人にとっては厳しい占領政策がそのまま娯楽映画の材料にされているようなイメージが残るのは致し方ないところか。
まず【ジョン・キューザック】。ちょっと太目は落としたが、主役の割には性格設定が不足気味。まず彼が友人のスパイの死因を探索する動機づけが弱いのだ。列強に支配されようとしている上海でスパイが殺害されるのは当たり前のこと . . . 本文を読む
【新藤】の最後の作品というファンには見逃せない映画だ。全体に強い基調は持続している。そしてユーモアが所々存在する。ピリリと辛い上等の映画に仕上がった。
一枚のハガキを託されいわば遺書配達人である【豊川悦司】は自分自身、徴兵中一枚のハガキも出さなかったために戦死したと思われ、妻と父親に逃げられた戦争被害者でもあった。そんな彼が潜水艦で戦うことなく沈没させられ戦死した戦友の妻【大竹しのぶ】 に一枚の . . . 本文を読む
「隠蔽捜査」の第2弾。ところがこれがメチャ面白い。今野 敏という作家すごいわあ、、。とにかくめくるページのワクワク感、集中感は最近では随一。今まで彼の作品をあまり読んでなかったことがやたら恥ずかしい。
本庁総務課長から左遷で地元の某署長。しかし、全く基本的な仕事方針(人生方針と言った方がいいかな)は変わらず、どんどん窮地に追い込まれても動ぜず、最後にすごい打っちゃりを見せる。この打っちゃりはミス . . . 本文を読む
「平凡にして偉大な全ての父母」にささげているこの映画。子を想う親の気持ちはたとえ自閉症でなくとも変わらぬ。その崇高な気持ちがずしんと伝わってくる。ノーギャラでこの映画に出演した【リー】の気持ちもモチ伝わってる。海亀と共に泳ぐであろう我が子への想いはただただ深くそして切ない。 . . . 本文を読む
スタンダードな画面。セリフがほとんど無音。心理描写は作曲者が奏でるピアノ。状況説明は手紙等。これは完全無声映画です。現代において誰もがやってなかったことを実践しようとした【ベンヴェヌーティ】。否、他にもいるよ、現代版無声映画を作った人は。そうだね、でも一つだけ新しい取り組みを彼はしている。それは、、。
肝心要の映像がまるでモネの絵画のように色がしっかり施されているということだ。今までの作家たちは . . . 本文を読む
見ているうちに昨年観た映画『ぼくのエリ』のリメイクであることに気づく。モールスで相手と交信する以外は全く同じ内容で、1年だけの間隔の短さ、北欧の暗さからアメリカ風の暗さと変質はしているものの、どうもリメイクの短所も見えてきて感動できない自分を知る。
せめて前作から思い切り逸脱するぐらいストーリーも変えてしまうぐらうの方が良かったのではないか、と思っている。前作のきりりとした冷たさがまだ感触として . . . 本文を読む
まあ、こういう日本映画で外国が舞台なのに、結構ダサさが薄いというのはちょっとした進歩かもしれない。だいたいメジャーの娯楽作品だからね、楽しめればいいのか、最後まで一応作品を持たせているのは一筋の光。
俳優的には【織田裕二】【 伊藤英明】【 福山雅治】は一応の責任は果たした感。やはりずっと出ずっぱりの 【黒木メイサ】に体臭が感じられないというか、人工的だというところが敢えて言うと問題かな、、。
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うーん、やっと見た。そして本当にとうとう終わった。終わってしまった。10年か。それほど映画的にどうこう言う作品じゃないけれど、それでも終わると感慨深い。しかし何と言っても想像以上にパート2は中味が濃かったね。
今まで出演してきた俳優たちのオンパレードも嬉しい限りだし、ポッターの秘密が最後の最後で明かされるものメチャ楽しく、あっと驚く内容。感服いたしました。
パート1の暗さは微塵にもなくなってお . . . 本文を読む
何と言ってもモノクロの映像が素晴らしい。題名のように古い洋館の周囲の木々から洩れる日差し。いやあ、こんな素晴らしい空間に佇めるなら僕も老後はこんな生活をしてみたい、とずっと思って見ている。
話は老女と犬のほとんど二人きりの対話劇。犬は人間より言葉が理解できるようで本当に頼もしい。こんな環境なら一人で十分だ。逆に僕はどちらか先に逝った方が幸福で、残った方が哀れだと思う。そんな素敵な生活。
老女は . . . 本文を読む
息子が早稲田に受かっているのに東大でないとだめだと予備校通いさせているキャリア警察官。それがこの小説の主人公だ。そのエリート丸出しの、官憲の臭いが強い主人公に辟易し読むのをやめようと何度思ったかしれないが、その息子が何と麻薬に手を出してからというもの、主人公の脳裏がはっと投影して来て実に親近感さえ湧いてくるのであった。
そしてそれから本当のこの小説が始まるのだ。この本の奇怪なところは何と一応設定 . . . 本文を読む
肉眼で見るのは初めての長塚圭史作品。東京まで行かず大阪で見られるというのもなかなか贅沢。6000円は安い。
真夏の暑い大阪の午後2時開演。近くのコーヒーショップで十分冷気に当て観賞までの準備は完全。さて、楽しみの幕が開く。
舞台は総勢15人ほどの若い俳優たち。特に女優が多く、しかもみんな相当美人。目移りもしよう、さらに一人の役柄を代行という名の下、女優たちが複合的に演じており、また席も後方であ . . . 本文を読む