なかなか庶民の視点に合わせた地味ではありちょっとベタではあるが、アメリカでは珍しい家族回帰映画。
結構受けを狙った映像も盛りだくさんで、外れの少ないテーマであるところも少々匂うところもあるが、まあ楽しく見ていられるし、題材が現代的であるのに、何か懐古的な古い映画を見ている感を持たせるところは好感が持てます。でも、ちょっとテーマが古すぎるかな、切り口にもうちょっと新しさがあればなお良かったものだけど . . . 本文を読む
夫の生まれ変わりかも知れない少年と妻との心の葛藤というテーマはなかなか興味深いものがあり、かなり期待していたのである。その心理を二人の表情で追っていくというまさに映画だから出来る仕掛けはわくわくするが、だんだんそれも飽きてくる。
次からネタバレ。
この二人、どうなるのだという次の段階でのテーマを考えていると急に種明かしがされてしまう。
この内容が馬鹿馬鹿しすぎてこの作品の品格を落としてしまった . . . 本文を読む
面白い。
本当に面白い。
こういう、今までにないミステリーで、新しいものに挑戦する姿は本当に美しい。
素晴らしい。
飛行機の中でのハイジャックとトイレでの密室殺人事件、この関連が謎なんだがうなります。
「扉は閉ざされたまま」も秀作だったが、これはそれ以上。
この作品は2003年の日本推理作家協会賞の候補作だったらしいが、そのときの受賞作「葉桜の季節に君を想うということ」(歌野晶午)より数段上だと僕は思う。
まあ、こういう賞ものはどうでもいいけど、、。
今、一番気になる作家だ。
85点 . . . 本文を読む
映像から伝わる豊穣な質感、文学感、官能感は例えようもないほどすばらしく、すっかりこの映画のリズム、危険なテーマにすっぽり入ってしまう自分を感じる。
フランス映画と聞くと少々冗漫で眠くなるような映画も多いのだが、この映画はまったくその反対で最初の薬指の欠損事故から僕たちを妖しい映像の世界に呼び寄せる。
女優がいいね。あのクローズアップにも耐えられる美貌、若さ。はかなさも感じるその強さに驚き。
対する . . . 本文を読む
この作品の大部分はファーストシーンの生前の姿のまま蘇って来た人たちと受け止める人たちとの邂逅シーンにあると言えるだろう。いわばこのアイデアがすべてであり、それからの3人のそれぞれの問題点は取ってつけた時間つなぎのような気がしてならない。
死者たちが現代に蘇っても既にその場所すらないというのは日本映画「黄泉がえり」で既に描いており、決して新しいものではない。
ただ、やはり外国なのだろうか、死者とのセ . . . 本文を読む
どうもオリジナル映画を信望するものとしては取るに足らない映画になっていることが残念でならない。あまりにアメリカ的小ラブストーリーにはめられていて、深みがまったくないのである。
何がいけないかというと、オリジナルは男女それぞれの孤独というものがこの映画の基調であり、だからこそ時間の違う時限に生きている二人の哀切が極まったものだが、今回は男のほうはそれなりに描いてはいたが、肝心の女のほうはまったくそれ . . . 本文を読む
題名からはうかがい知れないしっかりとした実力映画だ。映画のもつエネルギー、躍動感、生きる希望までをはっきりとこの映画で感じ取った。
こういう再生感をテーマにした映画は僕は好きだなあ。映画のひとつのパターンでもあるのだが、逃げてきた主人公がたまたま金のために仕方なく受けた仕事を通して自分までもが成長していくといったストーリーは古今東西あるが、やはり明日への息吹を感じるこういう映画は力がある。しかも、 . . . 本文を読む
動物ものは苦手な僕であるが、この映画はそのジャンルを超えているね。
犬の人間とのコミュニケーションやその後の過酷な生態に目が注がれるが、僕が一番感動したのは人間同士の連帯感であった。
この映画は人間が生きるうえで、実際は何を必要としているのか、そのためには何をすべきか、など人生への優しい教科書になっているのである。
思ったより素晴らしい映画であった。やられました。
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ほとんどセリフのない二人の演技に息を飲む。凝縮された男女の愛と若さと老い。海という文明から離れた場所だからテーマがより濃厚なものとなった。
あまりの素晴らしさにしばらく呆然となりました。これぞ映画です。キム・ギドクの代表作となり得るでしょう。現代の映画で表現できる本質的で、実は当たり前の「映像で何が表現出来得るか」という重要な基本的な文法をもとに人間をどう描くか、というテーマがこの映画の基本ですね . . . 本文を読む
何ともナンセンスな脱力系、奇想天外なストーリーであった。登場人物が多いので、最初人間関係がややこしかったが、そのうち落ち着いてくる。
まあ、この映画は全体の軽さを感じる映画なのだろう。そして、それぞれの俳優の演技、特に楽しんで演技をしている俳優のおおらかさも感じるべきだろう。
音楽もすこぶる秀逸なのだが、かなり立派過ぎて映像とはチグハクな印象を与えたが、これは最初からそういう意図であるのは確実であ . . . 本文を読む
こういうハナシって面白いです。そうか、シリーズものだったんですね。それは知らずに見ましたが、結構ホラーしちゃい、興味深々でラストまで一気でしたね。
しかも、ラストは思い切りサービスしてくれてホラーでここまでやってくれたら僕は何も言いません。
最近、ホラーと言う名のもとでさっぱり怖くないものばかり見ていたので、これですっきりしました。
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今一番求められる癒しの物語だ。神秘的な地、天草の海に浸かりながら自分の体の中に海を感じ、再生してゆく女を通して現代に生きる意味を問う佳作。
登場人物がほとんど老人だからか、テンポがのろいがそれはそのうち慣れてきて、心地よいまるで海水に浸かっているような不思議な雰囲気の映画だ。俳優がほとんど無名の人でそのテンは新鮮だが、演出が少しもたもたしている感じがした。テーマ自体はそれほど新しくなく、さらに突き . . . 本文を読む
評判の小説を読みました。一気でした。驚いたのは高校生たちの一晩の歩行の話なんですね。
これを書いているのが中年の女性と言うのが僕には一番驚かされたし、ものすごく思春期のアイロニーが書けている。青春の輝き、ときめき、はかなさ、哀しさ、強さ、、、それらのものがすべてここにありました。
実は映画化されたと聞いたからそれまでに読んでおきたかったんです。
久しぶりに本を読んでさわやかないい気持ちに戻れました . . . 本文を読む
6編のオムニバス。短編の面白さ、鋭さの映像化に成功している。シュールであり、不条理であり、切り取り方がそれぞれ面白い。韓国の作家の才能を充分堪能できる出来映えだ。僕は1話「彼女の重さ」3話「大陸横断」6話「N.E.P.A.L」が印象に残った。大胆な映像の語り口も好きだなあ。
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正真正銘の少女漫画風ラブコメだ。こういう映画は無理して楽しまなくちゃあ。ストーリーも結果も自ずから分かってくる代物だが、それでも強引に楽しまなくちゃあ。
でも、そのうちあまりのあほらしさに疲れてくる感もあるも、これがコメディーの原点でもあり、普通に心優しく映画に没頭しなくちゃね。
でも、ね、こちとら、10代の思春期でもないんだから、限度と言うものがあらあね。長い、でもまあまあ楽しい2時間でした。
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