漫画っぽいハナシ展開。悪くはないけれど、空回り気味の演出。自然体じゃないんだな。嘘っぽいというのが自然な感想。
このハナシを本当にまともに真実らしく見せようかと思うと、あらゆる部分で偽善的な部分を研ぎ澄ませればよい。
そう、あの、胸を失くした後で、男の子が頭の中と実際の自分の気持ちとの違いを見出したように、、。
たとえば、彼女のがんは原発性部分はどこだったの?胸は移転したのではなかったの?
移転し . . . 本文を読む
見るのにかなり気持ち上の勇気が必要であった映画だ。まあ、普通の観客が何気なく見る映画とも思えないし、かといってあの時の政治状態を他人事と思えない人間からはいたたまれない映画なのかな、と思ったが、映像のほうはスカッとした個人ドラマに仕立ててあり、政治的プロパガンダもない。
恐らく足立正生の幽閉状態をMに見立てているのだろう、その間の官憲の執拗な拷問は人間を動物の犬にしてしまうぐらいすさまじい。その足 . . . 本文を読む
ちょっと前に思える37年前で韓国での混乱した政情ぶりは驚いてしまうが、父親が北に行ったというだけでスパイ扱いされるのは仕方ないことなのだろう。
ラブストーリーの底流にはそうしたどす黒い政治の濁流が流れている。その奔流に絶たれてしまった二人の愛ではあるが、やはりテーマはその断絶された時間ではなく、男が女を知らないと言ったその瞬間にあるのだろう。
女を捨てたのである。女を殺したのである。
男はそれを知 . . . 本文を読む
うーん、感動ドラマになるはずのすばらしい素材の映画なんだけど、何でだろう、画面からは僕の心に伝わってくるものはかなり乱反射して拡散していた。
戦時下での異体験と、通常の不倫とを対比してしまう展開がまず無理だったのかなあ。ラストも、急すぎて何か、ばさっとフィルムをちょん切った感じがするほど、唐突。紙芝居でないのだから、はい、これでめでたし、では今の観客は納得しませんぞ。
二人の話だけでドラマが進む脚 . . . 本文を読む
スピッツファンにはたまらない映画だ。ところが、映画のほうは意外としっかりとしているし、等身大の若者の悩み、生き方を的確に描いている。
こういう代物は、宮崎あおい、西島秀俊はうまい。それだけに、安心して観客のほうに接近してくれている。
二人の悩みが少し人工的なのは気になったが、まあ、許せます。上映時間の短かったのも気に入った。
. . . 本文を読む
95分、同じカメラでのワンカット映画というのを初めて見た。どうしても演劇的映画になってしまうが、それでも監督以下スタッフの執念は画面から執拗に届いていた。
これは快挙でしょう。一つのカメラなのでカメラが俳優を追いかける展開になるが、それでも回想シーンが同次元で演じられるのもスゴイです。
途中で、話の内容のかなり鮮明になってくるあたりから、人間の哀しみが画面全体から伝わってくる。
ラストは感動的で泣 . . . 本文を読む
結構B級娯楽映画なので驚いたが、演技派二人の前に格調さえ生まれているのに気づく。イ・ソンジェの孤高さはすばらしい。どこまで飛翔していくのか分からない俳優だね。
ソル・ギョングもうまいが、そろそろ匂いが見えてきている。うますぎる俳優の懸念点でもある。こんな何も考えなくてすむ質のいい映画もたまにはいいなあ。
. . . 本文を読む